失敗しないケトジェニック中のチートデイのやり方!5つの条件も解説

一般社団法人臨床栄養医学協会

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ケトジェニックダイエットを始めてから順調に体重が減っていたのに、しばらくすると体重が思うように減らなくなって不安になっていませんか?

もし、あなたの体重が1週間以上変わっていないのなら、「停滞期」が訪れということです。

そこでチートデイを利用しましょう。

チートデイは停滞期を抜け出す画期的な方法で、この方法を行うことで、停滞期を抜け出すことができます。

停滞期の原因は主に体の状態を一定に保つホメオスタシスの機能が、これ以上脂肪を減らさないようにと働き、体重が落ちなくなることです。

ダイエットをしているほとんどの人に起こることで、中には1ヶ月以上続くこともあります。

そのため、体重が変わらないことに悩まされてダイエットに挫折してしまう前に、早い段階で停滞期を抜け出したいですね。

ただしいくつかの注意点があるので、それを含めて今回の記事ではケトジェニックダイエット中の停滞期を抜け出す方法をご紹介します。

ご紹介するチートデイを実践して頂ければ、1日で停滞期を抜け出すことも出来るので参考にしてください。

ケトジェニック中のチートデイのやり方

停滞期を抜け出すのにもっとも効果的なのがチートデイです。

ただし、ケトジェニック中のチートデイには守らなければならないルールがあります。

「チートデイ」とは、ダイエット期間中にモチベーション維持のために好きなものを自由に食べる特別の日を設けることをいいます。

好きなものを好きなだけ食べることで、体は「栄養が足りている」と感じます。

そうすると、体の状態を一定に保つホメオスタシスの機能が抑えられて体重がまた減り始めるのです。

チートデイから1〜2日は体重が増えるものの、そのあと体重が減っていきます。

ケトジェニックダイエットの努力が無駄にならないためにも、やり方を確認して、正しいチートデイを過ごしましょう。

糖質摂取量を把握する

まず、ケトジェニックダイエット中のチートデイでは、糖質摂取量を増やすことが重要です。

具体的には、糖質を体重の6倍の量を摂取することになります。

例えば体重が70kgの場合、糖質の摂取量はその6倍の420gです。

もし、ご飯で糖質を摂るとしたら

体重60kgの場合体重70kgの場合体重80kgの場合
糖質量360g420g480g
ご飯1杯160g約6杯分約7杯分約8杯分

(ご飯がお茶碗1杯分で160g=約60gの糖質量)

ケトジェニックダイエットは糖質をできるだけ制限するダイエットなため、この摂取量に驚く方も多いでしょう。しかし、ケトジェニックダイエット中のチートデイは、一時的に体がケトーシスの状態から抜け出すこと。無理のない範囲で糖質量を増やしていきましょう。

脂質・タンパク質の摂取制限

チートデイは糖質のみで十分なカロリーを摂取し、たんぱく質や脂質はあまり摂りません。ケトジェニックダイエット中のチートデイの目的は、脂肪をエネルギーとする代謝から一時的に糖質をエネルギーにする代謝に切り替えるためだからです。そのためお腹に溜まるような脂質、たんぱく質は無理に摂る必要はありません。

しかし、糖質のみでのカロリー摂取が難しいと感じたり、たんぱく質を摂らないことを不安に感じたりすることもあるでしょう。その場合は、お腹に溜まらない量のたんぱく質や脂質を摂りましょう。

プロテインはお腹に負担をかけずにたんぱく質が摂れるのでおすすめです。

揚げ物などはお腹に溜まるため、控えましょう。

あくまでチートデイで重要なのは糖質をメインにカロリーを摂取することです。

実施日数は基本的に1日のみ

チートデイは基本的に1日のみ行います。

今までケトジェニックダイエットで脂質・たんぱく質中心だった体が、糖質中心の体に変化するので、体の状態によってはかなりの負担になります。

しかし、体の状態によっては、急な糖質摂取量の増加に対応できない可能性もあります。このような場合は実施日数を2日に調整し、目標糖質量を摂るようにしましょう。

食事内容、実施日数は柔軟に調整し、体の状態に合わせましょう。

ケトジェニック中のチートデイのメリット

食事量を増やすチートデイを作ることは効果的で、医療現場の減量指導でも行われているほどです。

もしあなたが今停滞期に入っていて、体重が減らないことに不安を感じているならチートデイによって、カラダにどのような効果がもたらされるのかメリットをご紹介します。

代謝を一時的に戻す

体はケトジェニックダイエットに関わらず減量で食べる量を減らしたりすると、少ない摂取カロリーでも生きられるように、何もしなくても消費されるカロリーを減らしてしまいます。

人間の体はケトジェニック中のケトン体代謝になれてしまい、エネルギーが少なくても大丈夫な省エネモードに入ってしまうからです。

食べることで、体は「栄養が足りている」と感じ、ホメオスタシスの機能が抑えられて体重がまた減り始めるのです。

そこで、チートデイを代謝を戻す目的で取り入れるのです。

モチベーションの維持につながる

チートデイはダイエット中に好きなものを食べられるという心のゆとりに繋がります。

食事制限は体だけでなく、精神的につらいものがあります。ケトジェニックダイエット中は、糖質の摂取量が制限されるため糖質への欲求を抑えることになります。

そこでチートデイを実施することで、糖質への欲求を満たすことができます。

チートデイは体の変化だけでなく、メンタル面でストレスの緩和になり、モチベーションの維持につながるでしょう。

ケトジェニック中のチートデイのデメリット

ケトジェニック中のチートデイには、注意しないとダイエットを一からやり直すことになりかねません。デメリットもあるということを考えて、チートデイを取り入れましょう。

どういったデメリットがあるのか、2つご紹介します。

ケトーシスに戻るのに時間がかかる

ケトジェニックダイエット中のチートデイでは一時的に糖質を摂取することで、ケトーシスの状態から抜け出してしまいます。

糖質を多く摂取し、脂肪をエネルギーとする状態から、糖質をエネルギー源とする体にします。そのため、再び脂肪をエネルギーとするケトーシスの状態に体を戻すことに時間がかかってしまう場合があります。

ケトジェニック中に糖質を多く摂るのは勇気が必要になります。

糖質への欲求が強くなる場合がある

また、一時的に糖質を増やしたことにより、糖質を我慢することが出来なくなってしまう可能性があります。

ましてや糖質は一生懸命に我慢して控えている人もいるかもしれません。

しかし、怖がって糖質摂取を控えると、ただ多めにカロリーを摂取しただけの中途半端なチートデイになります。

糖質への欲求が強くなる可能性は十分にあると考えて行う必要があります。

ケトジェニック中にチートデイを行える5つの条件

ケトジェニックダイエット中でも効果が見込まれるチートデイですが、行うには5つの条件があります。

一時的に糖質を摂ることにより、折角できたケトン体代謝を壊すことになるからです。

大変な思いをしてきたダイエットも振り出しに戻らないためにもしっかりと行う条件を確認していきましょう。

ケトジェニック開始から2週間以上経っている

ケトジェニックダイエットは初日から1週間程度で大幅に体重が落ちます。(2~3キロ減少)

これは糖質が体から抜けたことにより、水分も体から抜けたことによるためです。

1週間程度で、2~3キロの脂肪が燃焼することはありえません。

ケトジェニックダイエットで停滞期に入ってしまったと感じる多くの人は、この水抜き期間が終わったことで停滞期を感じてしまうパターンが非常に多いのです。

水抜き期間が終わり、最低でも1週間以上経過し体がケトーシス状態になっていることが重要になります。

1日の減量幅が0.1kgを下回っている

ケトジェニックダイエット開始直後は、水が抜けやすく体重が非常に落ちやすいため、どんな人でも最低1~2kg減量することが普通です。

しかし、どんなにうまく減量しても本来の減量ペースは一日あたり0.1~0.2kg程度です。

なのでケトジェニックダイエットを開始して1週間ぐらいで体重が落ちにくくなり停滞期に入ったと勘違いして、チートデイを取り入れると単に体重がもとに戻るだけになってしまいます。

ケトジェニックダイエットをして1週間程度してから減量幅がなくなったと感じても、そのままケトジェニックダイエットを続け、1日の減量幅が0.1kgを下回ることがもう1週間以上続いたらチートデイを取り入れることを考えましょう。

消費カロリーが摂取カロリーを上回っている

人間の体には基礎代謝というものがあり、この大部分は体重に関係しています。ケトジェニックダイエットを始め水分や脂肪が順調に減っている場合、同時に基礎代謝も減少しています。基礎代謝では、体重1 ㎏当たり約24kcal消費されます。しかし、多くの人は体重が減るごとに基礎代謝が下がっていくことを知らずに、食事内容などをそのままにしてダイエットしてしまいます。基礎代謝量が減ったことにより、1日の消費カロリーと摂取カロリーとのバランスが均衡し始めると、体重は減らなくなります。開始から体重が大幅に落ちた後、摂取カロリーの見直しが必要になります。

体温が普段より0.3〜1℃低くなっている

糖質制限を行っていると、糖質が少ない食事に体が慣れてきて代謝が落ちることがあります。代謝が低下しているかどうかの目安として、体温を測るというものがあります。

代謝が低下しているとそれに伴い体温も下がる傾向にあります。

環境などによって左右されますが、毎日、同じ条件で測ってみるといいでしょう。

測ったことがなく通常の体温がわからない場合は、いつもより寒く感じる、手足が冷えやすくなったなど、気付くことがあれば、体温が下がっているかもしれません。

もし、普段よりも体温が0.3~1℃下がっていれば、代謝が落ちていると考えましょう。

4-5しっかりと固形物を食べている

もしダイエット中に具なしのスープやゼリー、プロテインなどの流動食ばかり食べていると、胃腸の働きが悪くなり消化器系の能力が落ちている可能性があります。

食事誘発性熱産性といわれ、食事をして食べ物を噛んで飲み込むことで、消化し吸収する活動が活発になり体熱が産み出され、エネルギー消費量が増えます。流動食ばかりでは消化する必要が少なくエネルギー消費量は低下してしまいます。

まずはしっかりと固形物を食べるようにしてから、チートデイをしていきましょう。

以上の条件を満たさないまま、停滞期を抜けたい一心でチートデイを行うのは危険です。しっかりと自分の状態や進捗を把握し、行うようにしてください。

ケトジェニック中のチートデイの注意点

ケトジェニックダイエット中の停滞期を乗り越えるために効果が期待できるチートデイですが、行う上で注意点が多いのも事実です。ここからはその注意点について、解説していきます。

ストレス発散を目的にしない 

ケトジェニック中のチートデイは、肝臓や筋肉にしっかりとグリコーゲンを満たすために行います。糖質だからといい、ケーキやアイスクリーム、ポテトチップスなどのお菓子を食べていては、脂質も過剰になり、お腹がいっぱいになってしまい、十分な糖質量を摂取できなくなる可能性があります。食べ物の種類にも極端な偏りが出ないように注意しましょう。糖質は甘いものではなく、ご飯やパスタ、うどんなど脂質量が多くないものにしましょう。決してストレス発散目的で好きなものを食べたいだけ食べるわけではありません。

ルールを守る

ケトジェニック中のチートデイのルールは、糖質を体重×6g摂り、肝臓にグリコーゲンを満たす必要があるため、グリコーゲンとなる糖質を大量に摂る必要があります。

しかし、どこかのタイミングで一度に多く食べることや間食で常にちょこちょこ食べていくことはお勧めしません。いつもと同じ食事時間にきちんと食べるようにしてください。

いつもと同じ時間で十分なカロリーを摂取していく事がおすすめです。

そうすることでチートデイが終了し、元の食事に戻すことも簡単にできるはずです。

あまりにも多くの回数で糖質摂取してしまうと、チートデイ後に「もうダイエットはいいかな...」「甘いものが食べたい...」という衝動が出てくる可能性があります。

今までの頑張りを水の泡にしないためにも、ルールを守り、食事回数は通常と同じでチートデイを過ごすことがおすすめです。

中途半端に行わない

減量中に一生懸命我慢している糖質を多く摂るのは勇気が必要です。チートデイを行う際は十分な糖質でのカロリー摂取を心がけましょう。

意識したい糖質量は「体重1kgあたり6gの糖質」です。

体重70kgの人であれば420g、体重50kgの人であれば300gです。

脂質を多く摂らないようにし、糖質をたくさん摂取するのを意識してください。

怖がって中途半端なチートデイを過ごすと、ただ多めにカロリー摂取しただけの日になってしまいます。

ケトジェニック中に停滞期にならないために

そもそもケトジェニックダイエットで停滞期にならないために、どのように進めるのが効果的でしょうか。

停滞期は一時的な体の防衛反応です。停滞期になる原因は、ホメオスタシスの機能で代謝が下がること、栄養が不足して代謝が低下すること、食事や筋トレの内容がずっと同じであることが考えられます。では、停滞期にならないための具体的な方法を紹介します。

カロリー摂取量を見直す

人間の体には基礎代謝というものがあり、基礎代謝の大部分は体重に依存しています。ケトジェニックダイエットで水分や脂肪が順調に減っている場合、同時に基礎代謝量も減少しています。基礎代謝量が減ったことにより、一日の消費カロリーと摂取カロリーとのバランスが均衡し始めると、体重は減らなくなります。消費量と摂取量が同じになるわけですから当然と言えます。体重が減ると基礎代謝も下がっていくので、それに合わせて食事を減らす必要があるのです。

ケトジェニック中のPFCバランスは、タンパク質・脂質・糖質を3:6:1にする。

簡単にいうと、1日に摂取すべきカロリーが2,000kcalの人は摂取カロリーの割合をタンパク質から600kcal、脂質から1,200kcal、炭水化物から200kcalにするということになります。

1日の摂取カロリーを出すために、手軽な計算サイトを使うのがおすすめです。

メディカルズ本舗 https://e-medicals.jp/user_data/selfcheck.php

TEEDの計算 https://keisan.casio.jp/exec/system/1567491116#!

体重が減った場合、摂取カロリーの見直しを定期的にしていきましょう。

筋トレや有酸素運動を取り入れる

体脂肪をエネルギーとして使う有酸素運動は、ケトジェニックダイエットをより効率よくすすめるためにとても有効です。ゆっくりとした運動はケトン体が出やすくなります。一方、心拍数が上がる激しい運動をすると交感神経が刺激されて、ブドウ糖をエネルギーとする「グルコジェニックモード」になりやすくなります。

ランニングやウォーキング、サイクリングなどの長時間行う運動は有酸素運動となります。継続することで、相乗効果も期待できます。また、ケトン体代謝の間は筋肉が落ちやすいため、筋トレを取り入れ筋肉減少を防ぐのも効果的です。その際はアミノ酸(EAAやBCAAなどロイシンが含まれるサプリメント)を摂取し、筋肉の分解を防ぎましょう。

まとめ

停滞期はダイエットしている誰にでも起こり得る現象です。

しかし、ケトジェニック中の停滞期にも有効的なチートデイですが、行うには満たさないといけない条件や気をつけるべき注意点があります。「体重が減らないからチートデイをやるべき」ではなく、まずは今の体の状態がチートデイを行ってもいいのか判断することが必要になります。

ケトジェニック中のチートデイでも、条件や注意点を守れば簡単に抜け出すことが可能です。もしあなたが現在、停滞期ならチートデイを試してみましょう。

そして、停滞期から抜け出せたらもう2度と停滞期に入らないために、お伝えしたポイントを押さえてダイエットをしてください。

チートデイを上手に使い、停滞期から抜け出しましょう。

一般社団法人臨床栄養医学協会

執筆者一般社団法人臨床栄養医学協会
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