解剖生理学の勉強法は大学や専門学校に入った医療系の学生さんの多くが最初にぶつかる壁といっても過言ではありません。
試験などで合格点を取れずに単位を落としてしまう人も少なからずいます。
逆に、この解剖生理学がしっかりできると他の科目が理解しやすくなるといった土台であり、それくらい大切な科目なのです。
身体の部位や器官など聞きなれない言葉も多く、ましてやその器官の働きなんて言われてもなかなか簡単にイメージなど作れたものではないですよね。
でも、看護師や理学療法士、作業療法士、柔道整復師など医療系の仕事をしている人の多くはこの悩みを乗り越えて現場で働くに至っています。
こういった人たちは、勉強方法を確立して乗り越えてきた人がほとんどです。
どうしていいか分からないまま教科書とにらめっこしてもなかなかゴールには近付きません。
方法を整理して効率を上げることで解剖生理学を”得意科目”にしていくことだって難しいことではありません。
『どうしていいか分からない』と悩んだ時がチャンスです!!
読んだだけであっという間に解剖生理学が頭に入る勉強法をご紹介していきますので、ぜひ実践してみて下さい。
目次
効率が上がる解剖生理学の勉強法3選
解剖生理学は覚えることも多く、根性で乗り切るのは至難の業です。
より頭に入るよう工夫して、出来る限りストレスなく勉強をすすめたいところです。
そこで、よりスムーズに学習がすすむようオススメの教材3選をご紹介します。
それぞれ特徴がありますので、取り組みやすいものを選んでやってみてください。
youtube
何と言ってもyoutubeはイメージが作りやすい!!
テキストは基本的に文字で学習をすすめます。医療系の学生にとって解剖生理学はこれまで習ってきた勉強とは異なる内容のため、文字だけでは内容がなかなか頭に入ってこないという悩みを持つ学生さんがたくさんいます。
これに対してyoutubeは絵や図、アニメーションなどを駆使して作成されていますので、イメージを作りやすく頭にも入ってきやすくなっています。
さらに、youtubeには単元分けされた動画がたくさんUPされています。その日学校の授業で習った単元や、気になる単元を検索し、肩の力を抜いて動画を大まかに眺めることから始めてみましょう。
特に学習の入り口のイメージ作りで強い味方になってくれることでしょう。
youtubeは簡単・気軽に情報が手に入ることもあり、学生さんだけでなく多くの医療現場で働く社会人も利用しています。
たくさんのyoutube動画の中から、おすすめのものを一つご紹介します!
オススメ動画:解剖生理学byWEB玉塾 – YouTube
Instagramでの勉強はスキマ時間の活用という点で力を発揮します
youtubeと同じく学習の入り口での全体のイメージ作りとして役立ちますが、Instagramは掲載できる情報量に限界があります。このため、手軽なサイズにまとめられた情報になっています。
通学や移動の電車の中、何かの待ち時間など、少しの時間を利用して活用することに適しています。くれぐれも歩きスマホで使わないようにしてください(笑)
短い時間で何度も繰り返し眺めることでイメージが作られていきます。
オススメ投稿:【ゆる〜く学ぶ解剖生理学】@おがちゃん先生(@seitai.ogk) • Instagram写真と動画
参考書
まさに学習教材の『王道』といったところです。
youtubeやInstaguramよりも圧倒的に時間と労力をかけて作成されています。
また、youtubeやInsutagramなどのネット情報は誤情報が混ざっていることがありますが、参考書に誤情報は基本的にありません。
参考書自体はたくさんの種類がありますから、イメージを湧かせるための絵や図が多いものがいいのか、もっと詳しく突っ込んだものがよいのかは学習の進み具合に合わせて選ぶ必要があります。
イメージすら湧かない状態で、活字だらけの詳しさを追求した参考書を選んでしまうと解剖生理学自体に嫌悪感を持ってしまう危険もあります。
必ず自身の段階に合ったものを選びましょう。
また、『過去問題集』は種類によっては分かりやすい解説がついているものもあります。学習進度によってはかなり役に立ってくれるスグレモノです。
オススメ参考書
Amazon価格:¥1628
URL:のほほん解剖生理学 | 玉先生, 大和田 潔 |本 | 通販 | Amazon
勉強するのにおすすめなのはyoutube
ここまで、オススメの勉強法を3つご紹介してきましたが、やはり一番オススメなのはyoutubeです。
youtubeでの勉強のメリットは次の3点です
①無料で教材が手に入る
②動画形式で内容が理解しやすい
③10分~30分程度にまとめられていて扱いやすい
医療系の教科書や教材、書籍は基本的に価格が高いことが多いです。
何冊も学習教材を購入するのは簡単なことではありません。
その点、youtubeを利用すれば無料ですし、情報も最新のものにどんどん更新されて行っています。
また、youtubeはいかに見てもらうかということを前提に動画が作られていますから、多くの動画は見やすく分かりやすいように作られています。特にこれから解剖生理学を勉強する、勉強し始めたばかりという方にとってはとても理解しやすいものになっていることがほとんどです。
さらに動画の長さは10~20分程度、長いものでも30分程度にまとめられています。
ちょっとしたスキマ時間に視聴することもできますし、繰り返し視聴することで理解を深めることもできます。
もちろんデメリットもあります。
それは、動画を見ただけで勉強が出来てしまったと勘違いしてしまいやすいことです。
動画で理解できるのはあくまで全体像として、教科書や参考書などで学習に深みを持たせて下さい。
また、youtubeの情報が必ずしも全て正しい情報でない場合があります。
この点にも注意が必要ですが、教科書等で振り返ることで、この問題も解決できるでしょう。
youtubeは学習の『きっかけ』『入り口』としてとても力を発揮してくれます
オススメ動画:解剖生理学byWEB玉塾 – YouTube
解剖生理学の学習効果が倍増する3つのポイント
解剖生理学に限ったことではありませんが、勉強は効率的に順序良く整理して行いたいところです。
もちろん教科書や授業のノートに噛り付いて片っ端から勉強していくことも悪いわけではありません。
しかし、医療系の教科の土台である解剖生理学でつまずくと、その後の教科の理解がどうしても効率が下がってしまいます。
ポイントをしっかり押さえて順序良く勉強をすすめましょう。
まずは全体像をイメージする
特に解剖生理学は全体像のイメージを作ることが第一歩です。
細かい言葉や名称は最終的に覚える必要がありますが、この段階では2の次です。
細かいところにこだわって『木を見て森を見ず』になってしまうと、”無理やり暗記する”といういばらの道を進まなければならなくなります。
例えば、”心臓”という臓器があります。
”心臓”は体中に血液を送るポンプの役割をしますが、”心臓”と一言で言っても、右心室、左心房、僧帽弁、心耳・・・・などなど様々な部位に分けられます。
それぞれに役割や機能があるのですが、最初から細かな一つ一つにこだわっているとなかなか先にすすめなくなります。
”心臓”は胸の真ん中付近にあって体中に血液を送る役割があるという大まかな内容をしっかり押さえて、細かな部分やその役割はその後順を追って入っていかないと訳が分からなくなります。
まずは大まかでよいので全体像を捉えることから始めると効率的です。
前章で紹介したyoutubeや絵や図の多い参考書などの利用はこの『全体像をイメージする』段階で大きな力を発揮してくれます。
まずは全体像である『森』を理解することが第1歩。その後細かい『木』を見ていくようにしましょう。
イメージできたものを図にして描く
頭の中に入ったものを図や絵にして外に出してみましょう。
この段階ではまだ『全体のイメージ』として頭の中に入ってきている段階ですから、これを外に出す(絵に描いてみる)ことで整理をしていきます。
解剖生理学は『人体』の話ですから、ほぼほぼ絵や図にして表すことができます。絵の上手い下手は関係ありません。自分が分かればそれで良いのです。
頭の外に出してみることで、どこが理解できていて、どこが理解できていないかを振り返ることもできます。是非頭の中のイメージを形にしてみて下さい。
先ほどの”心臓”ですが、雑で良いので絵に描くことは出来ますか?
最初は大まかで良いので形にしてみましょう。
理解がすすめば、どんどん絵の中身が詳しくなっていきます。
絵の部位ごとに解説を付けて書いてみるのも良い方法の一つです。
ひたすら問題を解く
イメージである『森』が出来上がったら、いよいよ細かい部分の『木』の理解に入っていきます。
そこでおすすめなのが、国家試験の過去問題などをどんどん解いていくことです。
解剖生理学を学んでいる方の多くは最終的に医療系の”国家試験”を受験する方が多いと思われます。
大学入試だと合格定員が決まっていますので、自分が良い点を取ったとしても不合格になることがあります。
しかし、医療系の国家試験は合格点をとることが目的です。
つまり、力のついた受験生はみんな合格になります。
だから大学入試のような『落とすための試験・受験生の差をつけるための試験』ではなく、ある一定の力のある受験生を『合格させる試験』なのです。
ですので、例えば「看護師になるならこれくらいは知っておいてほしい」「理学療法士はこれくらい知ってないと」ということが問題になっています。
国家試験は、もう何年も何十年も行われてきていますから、様々な分野の大事なところはほぼ1度は問題になってきています。
科目別に種類分けしている過去問題集もありますので、解剖生理学の部分だけを抜き取って問題を解いていくことができます。
図書館や学校の図書室に足を運んでみましょう。
ここでは、しっかりした『知識』を頭に入れていく段階です。特に間違えた問題は何度も解いて、しっかり頭に叩き込んでいきましょう。
とっておきの記憶力を高める方法
解剖生理学は覚えることもたくさんあります。
どれだけ効率よく勉強したとしても、この”覚える量”を減らせるわけではありませんから、最後はしっかり”覚える”ということをしなければなりません。
しかし、”根性で暗記”というのでは効率が下がりますから、上手に暗記できる方法をご紹介します。
30分勉強して5分休憩する
人が最も集中力を発揮できるのは”30~40分”、訓練しても”長くて90分”だと言われています。
もちろん個人差はあるのですが、脳の疲労が起こると集中できる時間はさらに限られます。
東京大学薬学部の池谷裕二教授の実験によると、1時間をまるまる勉強する「60分学習」グループと、休憩を挟んで45分を3回に分けて勉強をする「15分×3(計45分)学習」の勉強グループを比較したところ、「15分×3(計45分)学習」の方が高かったという結果も出ています!
参考:PR TIMES
集中力が落ちると勉強効率も下がるので、30分に一度は5分程度の休憩をはさむのがよいでしょう。
また、自身の集中力を発揮できる時間を知っておくことも大切です。
休憩は、席を立って少し体を動かしたり、飲み物を飲むなどして脳を休めます。こうすることで、記憶力の持続をはかります。スマホなどを触り始めると、止まらなくなって5分どころの休憩ではなくなりますから気を付けましょう(笑)
『30分勉強して5分休憩!!』メリハリをつけて取り組みましょう。
勉強後は睡眠をとる
勉強して様々なことを記憶した後は、十分な睡眠時間を確保することが大切です。
人は寝ている間にその日に取り入れた情報を整理して記憶します。勉強した後に別の情報を入れると情報が入り混じってしまうので、勉強後はすみやかに睡眠に入りましょう。
睡眠時間を削って勉強したり、勉強で徹夜をしたりというのは厳禁です。質の良い睡眠が求められますので、「机で寝てしまった」というのも良くありません。
逆に、『暗記項目を寝る前に毎日少しずつ頭に入れる』というのは効率の良い方法といえます。
『勉強の後は睡眠』、計画的に勉強するようにしましょう。
覚えたことは必ずアウトプットする
覚えたことは頭の中に置いておくのではなく、必ずアウトプットします。
自身で何度も口に出したり、書き出したりする行為は記憶の定着を促します。
そこでオススメな方法があります。”エア授業”です。
勉強した内容を、他の人に話す・教えるつもりで声に出して話してみます。もちろん、相手(エア)に伝わるように話す順番や力を入れるところを工夫して話します。そうすることで、頭に入れた内容が『自分の言葉』になってさらに整理されていきます。声に出すことが難しい環境でしたら、紙に書くという方法でもよいでしょう。
インプットしたことは必ずアウトプットして記憶を定着させましょう。
まとめ
勉強は無計画では効率が上がりません。
特に、解剖生理学は範囲も広く、覚えることも膨大です。
医療系の教科としては土台となる分野でもあります。
ここで苦手意識を持つと他の教科にも悪影響を及ぼします。裏を返せば、解剖生理学が得意になれば、他の教科の理解が進みます。
計画的に効率よく勉強を進めて大きな第1歩を踏み出しましょう。