解剖生理学は医療に携わる方にとって、とても重要な学問の1つです。
重要であるが故に、覚えなければならない知識もかなり膨大です。
例えば、看護師さんの場合、看護学校の講義で解剖生理学を学ぶわけですが、覚える知識の量に驚き、頭が真っ白になるといったことも少なくないと思います。
看護師になるためには最終的に国家試験がありますが、解剖生理学の分野を理解していないと、かなりの点数を失い、試験に落ちてしまう可能性もあります。
そうは言っても、学校の講義や教科書だけではわかりにくく、内容を覚えるのが大変ですよね。
でも大丈夫です。
この記事では、これから養成校の定期試験や国家試験を目指す看護師の方のために、わかりやすい解剖生理学の本のご紹介や選ぶ際のポイント、また、活用方法について、わかりやすく解説していきます!
最後まで読んでいただくと、これから看護師を目指すあなたが解剖生理学を勉強する上での不安も軽減できると思いますので、ぜひ参考にしてみてください!
解剖生理学の本を選ぶ際のポイント
解剖生理学を理解しようと思っても、養成校の講義だけで理解しきるのは難しいですよね。
実は市販で売っている本にもわかりやすいものはたくさんあります。
そこで、この章では、まず本を選ぶ際のポイントについて解説していきます。
イラストが豊富なものを選ぶ
本を選ぶ際に、まず大切なことは目で見て情報が入ってきやすいことです。
そのため、1つ目のポイントは、イラストがたくさん載っている本を選ぶのがオススメです!
文字ばかりでは、いくら大事な情報だったとしても頭に入ってこないですよね。
イラストがあることで、目には見えない身体の中の組織のつくりやはたらきがイメージしやすくなり、理解に繋がりやすくなります。
例えば、代謝という人間が活動するためのエネルギー源となるATP(アデノシン三リン酸)を作り出す過程があります。
これは生理学の基本ですが、かなり複雑です。
実際に目に見えないこういった身体の中で起こっていることが、イラストでわかりやすく書かれていることで、知識が整理されていきます。
まずは、見やすさを重視して本を探してみましょう!
解説がしっかりしているものを選ぶ
次に、2つ目のポイントは解説が詳しく書いてくれている本を選びましょう!
よくある本の構成として、ページに文字ばかりが並べられて、どこが重要なのかわからない本が多いと思います。
そこで、重要となるポイントが吹き出しなどでイラストと一緒に書かれていると、文字ばかりが並べられている本と比べて、情報の優先度がわかりやすいですよね。
しかも、わかりやすい本では、キャラクターが設定されていることも多く、そのキャラクターがあたかも話しているかのように表現してくれています。
難しい内容をいかに難しくない印象に魅せるかというのが、わかりやすさを売りにしている本である特徴です。
文字ばかりが並べられている本ではなく、情報の優先度をわかりやすく載せてくれている本を選ぶポイントにしてみてください!
国家試験に出やすいポイントをまとめているものを選ぶ
最後に、3つ目となるポイントは読み手の目的を理解している本を選ぶことです。
みなさんが本を買って勉強する目的は、定期試験をクリアして進級し、最終的に国家試験に合格して看護師になることですよね。
本にはそれぞれターゲットやコンセプトが決められて書かれています。
先ほどの章では、解剖生理学の内容を理解するためのポイントを解説してくれているものをオススメしました。
しかし、国家試験は解剖生理学だけではないため、看護師になるためには膨大な知識を覚えなければなりません。
そこで、理解を深めるための本とは別に、国家試験対策として、国家試験に出やすい部分がわかりやすく書かれている本も別で持っているといいと思います。
過去問だけに特化した過去問集のような本もありますが、こちらはおおよそ理解した段階で使用すると、自分のこれまでに積み重ねた知識の理解度がチェックできると思います。
難しい解剖生理学を理解するための本と国家試験に合格するために、試験に出やすいポイントがまとめられている本を選びましょう!
解剖生理学が苦手でも大丈夫!おすすめ本3選
この章では、実際に活用していただきたい解剖生理学の本を3つご紹介します!
1章でお伝えした選ぶポイントに沿って、イラストが多く、解説がしっかりしているもの、また、国家試験に出やすいポイントに特化した本を選びました!
以下にオススメのポイントや価格と併せて、Amazonのリンクを載せてありますので、ぜひご参照ください。
解剖生理学 超速!ゴロ勉
個性的なキャラクター達や理解に必要な部分だけを強調したイラストが掲載され、わかりやすい内容となっています!
また、覚えたゴロを復習できるミニドリルがついており、試験でどう活かせるのかを疑似体験できるところもオススメです!
価格:¥1,650(税込)
なるほどなっとく!解剖生理学
病態、疾患をイメージしながら正常な構造(解剖学)と機能(生理学)を学べる教科書です!
本文中のサイドには、知識を深められる豆知識的な解説があり、200図を超える多彩なイラストも掲載されているため、サラサラと読める内容となっており、オススメです!
価格:¥3,520(税込)
出典:なるほどなっとく!解剖生理学 単行本 – 2019/9/13
看護師国家試験 解剖生理学クリアブック 第2版
看護師国家試験と同じ形式となっており、解剖生理学全般を網羅できます!
また、必ず理解しておきたい内容が必修問題として収載されています!
各問題には詳しい解説がついており、知識の再確認がしやすく、国家試験対策としてオススメです!
価格:¥3,520(税込)
出典:看護師国家試験 解剖生理学クリアブック 第2版 単行本 – 2015/12/28
解剖生理学の本を活用する方法
こちらの章では前の章でオススメした本を参考に、どのように活用していくかをわかりやすくお伝えしていきます!
語呂で覚えつつ、意味も理解する
どんな試験勉強でも、知識を語呂合わせで覚えることが多いと思います。
解剖生理学に関しても、書かれている内容が専門用語や専門的な知識ばかりが並べられているため、そのまま覚えようと思ってもすぐに忘れてしまいがちです。
そこで、語呂合わせと一緒にその語呂が意味するところの理解を併せて覚えましょう!
人が何かを記憶する際に、効率よく且つ強烈に記憶に残るためには感情が動くことが大切なんです!
解剖生理学の内容でも、1つの組織に含まれる構成要素があったりしますよね!
語呂合わせではその頭文字を並べて、意味のある文章に作りかえたりします。
例えば、先ほど紹介した「解剖生理学 超速!ゴロ勉」の内容から抜粋すると、外胚葉から分化(別れる)するものには感覚器、神経系、皮膚があります。これを語呂にすると、
「外観が神秘」というように、頭文字を意味のある1つの文章にしています。
外:外胚葉が分化して生じるもの
観:感覚器
神:神経系
秘:皮膚
このように、この本では語呂合わせとして、覚えることをおすすめしています。
さらに、これを自分ごととして、自分に関係したり、自分がイメージすることに繋げて記憶することでより記憶に定着しやすくなります。
具体的には、自分が実際に旅行で訪れた建物を思い出し、神秘的な外観を想像する建物をイメージし、その思い出と共に覚えると、その時の感情がセットになるので、より記憶に残ります!
ですので、ただ組織の名前や機能を覚えるだけでは、すぐに忘れてしまう可能性があるので、語呂合わせを利用しながら意味を理解しましょう!
さらには、そこに自分ごととして、自分が実際に経験し、見たり聞いたりした記憶や思い出と一緒に語呂を覚えることで、より記憶に定着するのでオススメです!
はたらき(機能)とつくり(構造)を繋げて考える
解剖生理学を覚える上では、基本的なことですが、必ず人間の身体を構成する組織にはいくつかの構造で成り立っており、その一つ一つには機能があります。
そのため、構造は構造、機能は機能と機械的に覚えるのではなく、その構造がどんな機能を有しているのか、その機能があるからその構造はそこに位置していたり、その役割があるというようにセットで覚えることが大切です!
そして、どんな構造も抽象と具体を行ったり来たりすることが多いので、それもセットで覚えましょう!
例えば、神経系でも筋肉や内臓の構造でも全て膜構造になっています。
神経を例に挙げると、中枢神経(脳や脊髄)と末梢神経(手足に伸びる神経)が一番抽象的な名前で分類されます。
さらに、それぞれが具体的に細かく分類されていきます。ここで1つ1つの神経の名前を書いてもわかりにくくなってしまうので、割愛しますが、中枢神経系にはいくつもの神経で構成され、末梢神経にも運動神経や感覚神経、自律神経と分類されます。
教科書や参考書では、さらにその神経1つ1つが構造的に具体化されて説明されますが、当然、それぞれにはそれぞれの役割がありますよね。
それを1つ1つ構造とその機能を別々に覚えるのではなく、この神経の名前はこれで、その神経が果たす役割や機能はこれといったように、セットで覚えておきましょう!
その各種神経を上記で述べたように、抽象的にも具体的にもマトリョーシカの如く、頭の中で分類をイメージできると、神経系の全体像が理解しやすくなります。
国家試験の過去問と併用する
専門的な知識を覚えることは、働き出してから患者さんに対応する際に、なくてはならないことです。
しかし、まずは国家試験に受からなければ、その土俵に立つことすら出来ません。
ですので、まずは国家試験に合格することが前提ですよね。
そこで、やはり大切なことは国家試験に出題される問題の傾向性を把握することです!
つまり、国家試験に特化した過去問集の参考書を併用しましょう!
正直、働き始めた時には、自分が所属する分野の知識は日々、活用しますが、関わりが薄い分野の知識は使わなくなってしまいがちです。
しかし、国家試験ではさまざまな分野の内容が出題されますし、ましてや解剖生理学は基本中の基本です。
ですが、解剖生理学は内容が膨大ですので、過去問集を活用することで、ある程度、試験に出やすい分野がわかってくると思います!
看護師という土俵に立つために、知識として理解するための参考書と国家試験対策としての参考書を併用していきましょう!
解剖生理学の理解が定着する勉強法
こちらの章では、前の章で説明した本の具体的な活用方法に加えて、より効率的に記憶に定着していくための方法をわかりやすくお伝えしていきます!
過去問や本の内容から国家試験に出やすい傾向性を知る
先ほどの章で説明しましたが、国家試験に出やすい分野や内容はある程度、決まっています。
しかし、国家試験対策の参考書のみを勉強するだけでは、その答えだけを覚えることになってしまいます。
この問題は見たことがあるから、この答えはこれ!といったような覚え方では、応用が効かなくなってしまいますよね。
そのため、もちろん国家試験対策の参考書で問題が出やすい傾向性を把握することは大切ですが、さらに、その問題を解く際のポイントがあるんです!
それは、なぜこの回答は誤っているのか、なぜこの回答は正解なのか、それぞれの回答の選択肢に対して、これはこうだから誤り、正解といったように覚えた知識を活用しながら、問題集を解いていくことなんです!
このような活用の方法はインプットした知識をアウトプットしていることになるんです。
覚えた知識を武器に、国家試験の過去問集の問題1つ1つに正解や誤りの意味を考えながら進めていきましょう!
語呂で暗記した内容を解説できるようにアウトプットする
先ほどの章でインプットしたことをアウトプットする方法で過去問を解いていくことをおすすめしました。
皆さんも一度は聞いたことがあると思いますが、この覚えたことを何らかの形でアウトプットすることが学習の定着には一番効率的であると言われています。
そのため、まずは知識を語呂合わせでインプットしましょう。
ご紹介した「解剖生理学 超速!ゴロ勉」では、覚えた語呂を復習できるドリルが含まれています!
まずはそこで、インプットした内容をすぐにアウトプットして記憶に定着させましょう!
さらに、先ほどの章でご説明したように実際の試験問題で回答する際に、間違っている理由、正解である意味を自分の中で、説明しながら回答していくことが、さらにアウトプットになります!
また、友達同士やクラスメイトなど第3者と一緒にクイズを出し合ったりすることで、楽しみながら覚えた知識のアウトプットをすることもおすすめです!
このように、どんどん知識を活用していくことが深く記憶に定着していくことに繋がりますので、国家試験までアウトプットを繰り返していきましょう!
まとめ
以上、このように看護師養成校の方が学ぶための解剖生理学のおすすめの本や効率的に知識を覚える方法についてまとめてみました。
これから解剖生理学を深めていく方にとって、少しイメージが沸いたのではないでしょうか?
国家試験に合格することが目的ではありますが、目先の知識としての覚え方ではなく、意味を理解して学ぶことが大切です!
ぜひ、この記事の内容を参考にみなさんの今後に活かして頂きたいと思います。
もし、興味が湧いた方はインターネットで簡単に調べることができるので、ご紹介した本を中心に検索してみてください!
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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