柔道整復師を独学で受験するのは事実上不可能です。
勉強はもちろんできますが、指定の学校へ通わないと受験資格を得られないのです。
なので、独学で勉強したとしてもその時間が無駄になってしまいます!
社会人の人が自分の仕事を辞めて学校に行くのって普通は難しいですよね。
しかし、仕事を辞めないで学校へ行く方法もあります。
それは夜間学校へ行くことです。
夜間学校は昼は仕事をして、夜に学校で勉強できるようにカリキュラムが作られているんです。
そんな夜間学校で毎年80〜90%以上の人が合格しています!
そこでこの記事では、最初に柔道整復師が独学で取るのが困難な理由をしっかり説明しています。
その上で学校へ通う場合に昼はどうするか、夜の場合はどうするかを徹底的に解説しているので参考にしてみてください。
目次
柔道整復師の資格を独学で取るのは困難
柔道整復師は国家資格のため、受験するにはしっかりとした決まりがあります。
厚生労働省の発表している受験資格で、『3年以上文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した養成施設(いわゆる専門学校)で知識及び技能を修得した者』と定められています。
つまり、国で認めた学校へ通わないと受験資格が得られないのです。
そのため、どんなに自分一人で勉強しても受験することができません。
人の身体を扱う仕事のため、しっかりとした基準が設けられているのです。
通信制は存在しないが夜間学校が存在する
柔道整復師の学校として通信制は存在しませんが、夜間学校は存在します。
通信制がない理由としては、柔道整復師の資格を取得するために実技試験が必須だからです。
通信では実技試験に合格することは不可能なため、それだけの学校は存在しません。
そんな中、一部の学校では座学はオンライン、実技は学校など社会人に合わせた授業方針を取っている学校もあります。
通信制はありませんが、夜間学校は存在します。
日中仕事をしていて、学校に行く時間がないという人は夜間学校に行くことで資格を取得できます。
働きながらであれば夜間学校へ通うことが一番いい方法です!
柔道整復師を取るには最短で3年必要
柔道整復師を取るには最短で3年必要になります。
国家資格の『1.柔道整復師の資格を独学で取るのは困難」でもお伝えしたように、国が認めた学校で受験資格の条件を得るために最低3年の勉強期間が必要なんです。
そのため、1日何時間勉強したとしても最低3年は必要になってきます。
最短で取るためには、3年生の短大もしくは専門学校へ通うのが一番です。
特に専門学校は国家試験に合格することを中心に授業することが多いため、合格したい人にはお勧めです!
補助金制度を利用すると少ない負担で学校へ通える
学校へ通う上でどうしてもお金がかかります。
求人サイトで調べてみると、専門学校を卒業するまでに400〜450万円ほど掛かるとされています。(大学の場合は640〜710万円)
社会人の人は国からの給付金制度があるためそれを利用することで学費の負担を減らすことができます。
柔道整復師の学校へ通う場合は所得が減ってしまうため、生活が大変になりやすいです。
少しでもそういった負担を減らせるように使える制度は活用していきましょう。
専門実践教育訓練給付金制度
この制度は週20時間働いている雇用保険の加入者で、3年以上働いている人が対象です。(高卒の方は2年で対象になる人もいます)
※(雇用保険は、週20時間以上働き1カ月以上働く人はみな加入しています)
柔道整復師の学校へ支払った入学費や授業料の内、40万円が支給される制度です!
なので400万の学校へ通うと、40万円が戻ってくるようになります。
デメリットもあり、入学時には貰えないため最初にまとまったお金を自分で用意する必要があります。
雇用保険に加入しているかは、働き先の職場に確認してみてください!
教育訓練支援給付金制度
教育訓練支援給付金制度は初めて専門の教育(大学や専門学校など)を受ける方で45歳未満の方に支給されます。
失業している(仕事を辞めている)場合に支給される特徴があります!
前職の基本手当の日額の80%が金額が支給されます。
支給は2カ月ごとに支給されるためそこに注意してください‼
細かい条件や実際に給付金を貰えるかはハローワークに相談してみましょう。
参考:ハローワークインターネットサービス – 教育訓練給付制度
過去5年の国家試験の合格率は約50~65%
そんな柔道整復師ですが実際にどれくらいの人が受かるのでしょうか?
柔道整復師の資格の合格率は約50〜65%です。
しかし、特徴として新卒(学生でその年に卒業する人)の合格率が高く、既卒(学校を卒業した後に受験した人)の合格率が低いのが特徴です。
学校を卒業すると受験資格を手に入れられますが、社会人などで働いていて受験勉強に取り組むことができないと全然受からないのです。
また、合格率を上げるために学校内試験で基準点をクリアしないと受験できないところもあるため、学校の特徴を調べて入学するようにしましょう。
第27回(平成30年度) | 6,164名 | 4,054名 | 65.8% | 新卒86.1% 既卒26.3% |
第28回(令和元年) | 5,270名 | 3,401名 | 64.5% | 新卒84.8% 既卒16.5% |
第29回(令和2年度) | 4,561名 | 3,011名 | 66.0% | 新卒85.6% 既卒21.6% |
第30回(令和3年度) | 4,359名 | 2,740名 | 62.9% | 新卒81.0% 既卒16.9% |
第31回(令和4年度) | 4,521名 | 2,244名 | 49.6% | 新卒65.4% 既卒11.5% |
出典:公益財団法人柔道整復師研修試験財団 2024/01/24利用
柔道整復師を取ると主に5種類の働き先がある
柔道整復師は独学で取るのは難しいですが、取ることでこんなメリットがあります。
国家資格が必要な働き先が多く、一般の人では働けないところで働けます。
病院でリハビリや整骨院で施術など責任感がある分やりがいのある仕事につけるのです。
実際にどんな所で働けるかをまとめました。
これから柔道整復師を取るときの目標にもなりますので参考にしてみてください。
接骨院(整骨院)
接骨院は柔道整復師の代表的な就職先です。
主に、保険を使いながら骨折や脱臼、打撲、捻挫などの施術を行っていきます。
接骨院と整骨院との違いはなく名前が違うだけです。
(法律上の関係で近年は『接骨院』と名前が統一される動きがあるため、そのうち無くなる可能性があります。)
近年では自費診療で様々なことをやっている接骨院も増えてきております。
国家資格を持っている人がリラクゼーションやパーソナルトレーニングをやってくれるなど、需要がある就職先だと思います!
整体院
整体院は疲労回復や身体の不調などを取るためのリラクゼーションを行っています。
接骨院との大きな違いは健康保険が使えないところです。
そのため、捻挫などのケガの治療は原則認められていません。
しかし、身体の不調や肩こりなどの日常で起こりやすい悩みを改善するための技術を持っているところがたくさんあります。
整体院は柔道整復師の資格が無くても入れますが、資格があることで高い専門知識を持っていることが認められるため重宝されています。
スポーツトレーナー
柔道整復師はスポーツ分野のケガの対応にも活躍が期待されています。
スポーツジムやスポーツチームの専属トレーナーとして働くことができます。
人によってはパーソナルトレーナーやフィットネス系の資格を合わせて取得することで活躍の場を広げている人もいます。
研鑽を積むことでプロチームや個人契約などを結ぶこともできるので夢のある就職先だと思います!
柔道整復師の就職先としては狭き門ですが、自分の知識で相手のパフォーマンスが変わるので非常にやりがいを感じる仕事です。
病院・医療機関
整形外科やクリニックで働くことができます。
医師や看護師、理学療法士など様々なスペシャリストと一緒に働くことができます。
患者さん1人に対して、他のスペシャリストと連携することが特徴です。
様々な知識や考えを学ぶことが多く、豊富な臨床経験が積める就職先になっているんです。
高い専門知識を持っている人が集まるため勉強は必須ですが、その後のキャリア形成にも有利になると思います!
介護施設
介護施設の機能訓練指導員として勤務することができます。
柔道整復師の需要は介護業界では非常に高いため、豊富な就職先があるのです。
主に、施設利用者に対してリハビリテーションや運動のプログラムを作成し提供しています。
利用者の身体状況や家族構成、環境など様々な情報からその人に必要な内容を考えていく必要がある仕事なんです。
そのため、利用者とコミュニケーションを取ることで問題点を把握してプログラムを考えていくことが求められています。
独立開業
柔道整復師は開業して保険を使って診療をすることができます。
医療系の国家資格で開業が認められている数少ない資格です。
開業するためには1〜3年の実務経験が必要で、管理者の研修を受ける必要があります。
しかし、自分の技術や経験、得意分野を合わせてやりたい施術ができるため魅力は非常にあります。
近年では従業員にフランチャイズなども増えてきているため、開業の方法もしやすくなっているんです。
まとめ
柔道整復師は独学で取るのは困難です。
国家資格のため明確な授業時間などが決められているため、指定の学校で授業を受けないといけないからですね。
最近ではオンラインの授業も増えており、社会人でも負担を減らして学校に通えるところもでてきました。
補助金制度もあるため、それらを上手く使い少ない負担で学校へ通えるようになっています。
人のケガや健康などに携わるやりがいのある仕事ですから、柔道整復師は目指す価値のある資格だと思います!