栄養指導ができない3つの原因を解説!上手くいくためのポイントも紹介

一般社団法人臨床栄養医学協会

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栄養指導ができない3つの原因を解説!上手くいくためのポイントも紹介

栄養指導がうまくできない、相手に伝わらないと思うことはありませんか?

食事の良し悪しを指導するだけでは症状が改善しないことがほとんどです。

 

そのままの指導を続けていると、こちらの意図や正しい知識が伝わらず、健康面の改善ができないままになってしまう可能性が高いです。

相手が何を望んでいるか、潜在的な部分にもしっかり目を向けていくことが大切です。

どのような指導をすれば相手が食事改善をしてくれるか、紹介していますのでぜひ参考にしてみてください!

 

栄養指導ができない人によくある3つの原因

栄養指導ができない人によくある3つの原因

実は栄養指導ができないと感じている人とできる人の差はほとんどありません。

できないと感じてしまっている人は、いくつかの要因があります。

それは栄養指導が向いていないとか、そういうことではなく、ただそのポイントを知らないだけなんです。

 

そのポイントを知らないままだと、いくら指導の練習を重ねても表面上のものしか身につかず、根本的な改善にはなりません。

それを解決するためには、まず栄養指導ができないと感じている人に良く当てはまる要因を知ることが大切になってきます。

それがどのような方法なのか、今回紹介していきます。

 

この記事を読み終わった頃には栄養指導のしやすさが格段に上がっていることでしょう。

今よりも栄養指導のスキルを向上させるためには、まずそのポイントを理解することが重要になります。

栄養指導ができない人によくある原因とはどんなものなのか解説していきます。

 

栄養の良し悪しだけを伝えている

意外と多くの人がやりがちなのですが、栄養の良し悪しだけ伝えてる人がとても多いです。

「脂質は体にとって良くないので揚げ物は控えましょう」

「アルコールは体に良くないので、飲まないようにしましょう」

などなど、、

 

みんなが知ってるような内容を伝えても、相手に響かないですよね。

大半の人が

「それはわかってるんだけと飲み食いしてしまうんですよ!!」

と、反論したくなります。

 

どのような言い回しで指導すれば良いか、以下を参考にしてみましょう。

 

【指導例】

私)お付き合いの席や、外食にはどのくらい行かれますか?

相手)そうですね、週2〜3回ほど行きますね!

私)そうなんですね。主にどんなお酒がお好きですか?

 

相手)ビールが好きでずっと飲んでます

私)暑くなってきたこの時期のビールは特に美味しいですよね!私も好きです!

相手)話が盛り上がると気がついたら10杯飲んでることもあるんですよ!

 

私)それはすごい!かなりお酒が強いですね!では、食事の部分で少しずつヘルシーなものをチョイスしていきましょう。どんなところに飲みにいくことが多いですか?

相手)居酒屋が多いですね。

私)なるほどですね!居酒屋ですと、料理のバリエーションが多くありますので、意識しやすいです。まずは食べる順番と内容を少しずつ変えていきましょう。

 

・最初は必ずサラダから召し上がって食物繊維を摂取してください

・揚げ物は高カロリーで質の悪い脂質が多く含まれますので、お刺身や焼き魚などの高タンパクで良質な脂質を得られるものを注文していきましょう。

 

相手)揚げ物は絶対食べない方が良いですか?

私)避けれるのが理想ですが、いきなり完全カットはストレスがかかりますので、少しづつ減らせれるように意識できれば大丈夫ですよ。一緒にいる相手が注文したら食べてOKです。自分では注文しないように意識してみましょう。

相手)わかりました!相手が注文した時は食べて良いのですね!

私)はい!その時はラッキーと思って召し上がってくださいね!やってみましょう!

 

話していくうちに、何が好きなのか、どのくらい飲めるのかなどの情報も聞き出せますね。

同調することも大切なので、その中でできることを提案していきましょう。

 

一方的な栄養指導になっている

こちらが一方的に話すのではなく、相手の話に傾聴することを意識していきましょう。

なぜかというと、相手は自分を知って欲しいのに、知らないままあれこれ言われても、まず話を聞いてもらえません。

まずは指導というより、寄り添ってあげる姿勢で話を聞いてあげましょう。

 

話を聞く上で相手にも色々な悩みが出てくるかもしれません。

聞いていくうちにこの人なら話しても良いなって思われる関係構築ができることで寄り添う指導ができます。

相手の気持ちや性格なども理解して対話をしながら進めるのが本当の栄養指導です。

 

いきなり完璧を求めてしまう

完璧を相手に求めると相手は挫折してしまう可能性があります。

 

例えば、

・毎日の仕事終わりのコンビニスイーツは控えましょう

・甘いものは血糖値を上げて脂肪になりますのでやめましょう

 

このような指導はとてもストレスになりますよね。

伝えていることは間違いではないのですが、いきなり甘いものを完全にカットすることはとてもストレスになり、指導通りにできない可能性があります。

 

・スイーツでもヘルシーな和菓子系やアイスの氷菓子系をチョイスできると、脂質も抑えられてカロリーも低くなるので、試してみましょう

・甘いものは◯曜日だけOKにしましょう

 

という感じで、少しずつ食への意識を変えられるようハードルの低い目標からスタートさせることが大切です。

ストレス社会を生き抜く上で、食べる行為は1つのストレス解消になるんですね。

故に好きなものを食べすぎてしまい、栄養バランスが崩れていきますので、完璧にしようとすると相手のメンタルが崩れてしまいます。

まずは段階的にできることから始めるよう指導していきましょう。

 

栄養指導が上手くいく4つのポイント

栄養指導が上手くいく4つのポイント

栄養指導ができないと感じている人の共通点を理解できてきたと思います。

もちろん、ここを改善するだけで栄養指導のスキルは確実に上がります。

さらにここではこれだけ意識すればうまくいく行動の4つのポイントをご紹介します。

意識して実践してみてください。

 

生活習慣を把握する

相手はどのような生活を送っているか必ず把握しましょう。

生活リズムは食生活や健康にかなり影響していきます。

仕事で料理する時間がない、、

近くにスーパーがなくて買い出しにいく暇がない、、

などの確認をすることはとても大事です。

 

・お家近くにコンビニで、〇〇などを購入して召し上がりましょう

・ウーバーイーツなどでは〇〇を注文しましょう

 

実際のおすすめの食品などを提案してみてください。

生活習慣を把握して、食べるもの以外でも改善できるポイントがあれば伝えてあげましょう。

 

相手の話を傾聴する

相手の話を聞くことで、潜在的な悩みなども汲み取れます。

こちらが質問をしても、本当に思っていることを回答してくれるとは限りません。

仕事柄、外食や付き合いが多くなってしまったり、深夜に食べざるおえないなどの不可抗力も出てきます。

 

話をすることで相手に信頼感を与え、思ってることや不安を聞いてあげれるような関係が理想的ですね。

相手にとってオンリーワンになれる存在を目指しましょう。

 

短期的な目標を立てる

短期的な目標を立てることは、相手のモチベーションを上げられます。

注意点は、いきなり高い目標を立てないようにしてくださいね。

 

例えば

・毎日、10kmのランニングをしよう。

・3ヶ月後に20kgダイエットできるように頑張ろう。

 

上記の目標でモチベーションを保つことができるでしょうか?

かなり難しいですよね。

人って目標が高すぎたり、長すぎたりすると続かないものです。

まずは現実的に、達成可能なハードルの低い目標から立てていきましょう。

 

他職種と協力していく

栄養管理は管理栄養士だけでなんとかしないといけないと思っていませんか?

あまり抱え込みすぎてしまうと、自分がパンクしてしまい、相手にうまく伝えられないことが多いです。

そんな時は周りの看護師や医師の協力を得ることがとても大切です。

 

相手の健康状態をみて、管理栄養士の指導範疇を超えてしまってることもあると思います。

内科的疾患を持っている時は、医師の判断も取り入れて指導を進められると、双方安心して進められます。

これは医療全体の仕事でもあります。

あまり自分で抱え込みすぎず、普段接する看護師や医師に相談することが大切です。

 

事例で解説!相手に応じた栄養指導を紹介

事例で解説!相手に応じた栄養指導を紹介

ここまで紹介してきましたが、実際にあった事例を元に具体例があったほうがイメージがつきやすいと思います。

実際にどのような方法や指導があるのかを見てみましょう。

 

メタボリックと診断された40代男性の会社員

会社員のAさん45歳。

 

【生活状況】

営業職で週3回夜の接待、外食が入る生活習慣でなかなか健康的な食事コントロールができない。

健康診断でも血液項目で血糖値、コレステロール値、中性脂肪の値が再検査になり、体重もそろそろ3ケタに到達しそうになってる為、食事管理をスタートする。

 

【指導方法】

・まずは生活習慣的に週の半分は不規則になるので、外食が入っていない日(お家でご飯を食べれる日)はどのように組み立てるかを組み立てます。

・朝昼も現在の食事をヒアリングして健康的なものを取り入れる

・お休みの日はどのようなことをしているかお聞きし、その中で取り組めることを提案してあげましょう。

・前提としてお付き合いの席は避けられないので、完璧なコントロールは難しいと思われます。健康的な習慣を少しずつ取り入れられるように今の生活からこちらが配慮しながら、相手に伺いながら提案していきましょう。

 

健康診断に引っかかり、食事改善が必要な50代女性主婦

専業主婦のBさん52歳。

 

【生活状況】

子供2人の4人家族で、子供はすでに成人しているため、主に家事洗濯、家で過ごすことが多い。

運動量が極端に少ない生活で、甘いものもおやつで食べるため、体重が徐々に増加してコレステロール値も高くなる。

 

【指導方法】

・まずは生活習慣の見直しを行います。

主に運動量の低下と間食の量や頻度が多くなるので日常的にできる取り組みを簡単なものから提案します。

お菓子も甘いものや揚げ物ではなく、果物やお野菜、高タンパク低脂肪なものに変えるように指導する。

 

・簡単にでも良いので運動に関しても、重要性を伝えて、どのように取り入れられるか話し合いましょう。

この時にただ「ウォーキングを取り入れましょう。」ではあまり良い指導ではありません。

生活を聞いた上で、どのタイミングでどのくらいウォーキングをするかを指示してあげましょう。

 

・時間的な余裕はあるので、毎日の食事記録をつけていきましょう。

この時に、毎日体重計に乗るなどの数字を意識してしまうと、体重が増えた時にストレスに繋がりますので毎日測らなくても良いです。

身体がまだ順応してないのでストレスがかかりすぎると、途中で嫌になってしまうので、まずは慣れていただくことが大切です。

 

少しずつ順応してきたら、食事のバランスや食べるものの指導を加えて徐々に

・野菜の割合増やす

・果物を毎日食べる

・高タンパク低脂肪な食事の組み立てる

などの健康的な食事を送れるようにアドバイスしていきましょう。

 

それでも心配な場合の解決法

それでも心配な場合の解決法

様々なクライアント様や場面があり、絶対的な正解は存在しません。

状況によって対応や指導方法が変わりますので、どうしても心配な時は以下の方法を試してみましょう。

 

上司に相談する

職場に上司がいれば相談してみてください。

普段ちょっと怖くてなかなか話せない上司がいる場合も、後輩から相談されると嬉しいものです。

上司も同じ経験をしたことがあると思いますし、経験値が豊富なので、様々なケースの対応も行ってきてると思います。

 

経験値がある方の方が、様々なケースの対応を行ってますので、先人から学ぶことはとても大切です。

患者さんの意識は本当に健康を害する状態が表面化してこないと危機感を持たない方が多いので、早めに理解を得ることがとても大切になります。

ただ、相談するのではなく、自分で仮説を立てて自分の方針を組み立てた上で相談しましょう。

 

身近な人で練習する

パートナーや友人などにまずは栄養指導の練習をしてみるのがとても有効です。

悩みとは、自分一人のことだと思ってしまいますが、同じような悩みを持つ人がたくさんいます。

健康や食事面の悩みは、ほとんどの方が気にしてませんが、聞いてあげるとどうしたら良いかわからない、健康診断であんまり良くなかったなどの、そのような場合が多いです。

 

健康を害してから初めて食事を意識する人も多いので、害する前に自分の知ってる知識やアドバイスを行ってみましょう。

様々なケースが考えられるので、自分自身のアウトプットに繋がり、スキルアップに必ず繋がります。

 

SNSで悩みを募集する

SNSでは様々な悩みを抱えてる方を見ることができます。

同じような悩みを持ってる方がどのような行動をしているかも分かりますので、Yahoo!知恵袋などでの検索も多いに役立ちます。

注意点として、Yahoo!知恵袋は回答している人が専門家ではない場合も多いので、そこは自分で良い情報か悪い情報か見極めることが大切です。

 

まとめ

栄養指導業務の目的は、対象の方を健康的な生活に戻すことが1番の目的になり、それを習慣化して健康意識を高く保つことができるのが理想的です。

昨今、様々な食の文化が日本に入ってきて、手軽に美味しいもの、高カロリーなものが手に入るので、誘惑が多い世の中でどのような組み立てができるのか、しっかり伝えてあげる必要がありますね。

 

栄養指導は、あくまでも対話です。

マニュアル通りに行かないことが常なので、いかに一人一人に合わせた指導ができるかがとても大切になり、成功への道しるべとなりますので、しっかり傾聴し、アドバイスを行っていきましょう。

一般社団法人臨床栄養医学協会

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