石灰沈着性腱板炎とは40~60歳代の女性に多くみられる疾患です。
急に肩が上がらなくなったり、夜間痛により発覚します。
整形で働く人はよく見る疾患の一つですね!
石灰化する原因はまだ特定されていませんが、更年期障害が関係している可能性が高いと言われていますね。
今回は、なぜ石灰化が起こるのか?
栄養でアプローチするにはどうしたら良いか?をお伝えします!
まず特徴的なのは女性に多くほとんどが40〜60歳で発症することです。
ちょうどその時期は閉経により、ホルモンバランスが大きく変わります。
特に女性ホルモン(エストロゲン)がその時期に急激に少なくなり、様々な影響が出てくる時期でもあります。
エストロゲンが閉経前後で急激に少なくなるのがわかると思います!
エストロゲンの重要な役割の一つとして、骨形成を高め骨吸収を抑える働きをします。
※骨形成とは、骨からカルシウムの遊離を抑えて骨を頑丈にしてくれます!
骨吸収とは、逆に骨からカルシウムを溶かして遊離させることを言います。
どちらもある一定のバランスを保つことが重要です!
エストロゲンが少なくなることで、骨吸収が進み血中のカルシウム濃度が上昇します。骨がもろくなるってことです。
太田博明、根本謙ほか : 閉経に伴う骨塩量と骨代謝動態の変化,日産婦誌 41:1447-1454,1989
血中に余ったカルシウムが様々な組織に沈着することで、腎結石や心臓病のリスクを上げ、骨粗鬆症のリスクも上げます。
閉経直後の女性は骨折しやすいのは、この理由からですね。
石灰沈着性腱板炎もこの影響を受けていると考えています。一部の石灰が見られない肩関節周囲炎もそうです!
根拠は沈着物の成分、そして肩疾患のある方の筋肉内カルシウム濃度が高いことなど色々あります。https://www.jstage.jst.go.jp/article/katakansetsu1977/16/1/16_40/_pdf/-char/ja
「エストロゲンが少ないから足したら良いんじゃない?」
という考えから「エストロゲン製剤」を利用した治療があり、改善する報告もあります。
しかし、エストロゲン製剤は副作用も多く報告されています。
日産婦誌61巻7号研修コーナー E.婦人科疾患の診断・治療・管理 日産婦誌61巻 7 号
エストロゲンは甲状腺機能を低下させ、代謝低下させる役割もあるからです!
栄養療法でも、エストロゲンを多く含んだ牛乳や大豆などを摂取させて改善を報告しているものを見かけます。
しかし、エストロゲンを大量に摂取することはエストロゲン製剤と同様にデメリットに働くことが多いため推奨できません。
J Bioenerg Biomembr.2013 Jun;45(3):261-70.
J Clin Endocrinol Metab. 1996 Oct;81(10):3639-43.
では、どうしたら良いのか?
ここで考えなければいけないのは、
閉経によりエストロゲンは低下しているが、症状がない人がいるということです。
この違いを考える必要があります。
キーワードは、「カルシトニン」「副甲状腺ホルモン」です。
骨吸収を抑えるのは、エストロゲンだけではありません。カルシトニンも骨吸収を抑える役割をしています。
※副甲状腺ホルモンは拮抗します
閉経によりエストロゲンが少なくなった女性にとって、その影響をもろに受けてしまう方と受けない方の違いは「カルシトニンが分泌できているか、副甲状腺ホルモンが過剰になっていないかどうか」によると考えています。
カルシトニンは甲状腺で作られます。そのため甲状腺機能が正常じゃないと正しく分泌されません。
現代人の多くは甲状腺機能が低下しています。
甲状腺機能を低下させるのは、
ストレス、脂質過多の食事、環境エストロゲンの暴露、植物エストロゲンの過多、PUFAなど多岐に渡ります。
そして、甲状腺ホルモンを活性型にするのは肝臓。肝臓負担が多い生活はNG!
石灰ができるかできないかも普段の食事がとても重要ということでした!
※もちろん運動してるかどうかも重要!
やばい。全然書き足りないです(笑)
またいつか続き書きます!
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