ナイアシンは
・ATP産生
・脂肪酸の合成
・ステロイドホルモンの生合成
様々な反応に関与しており、重要なビタミンです。
だからと言って、多く摂取したら良いという事ではありません。
サプリメントなどで高容量摂取することで副作用が報告されています。
そもそもナイアシンは、現代人において欠乏することはほぼありません。
ほとんどの研究で「自然の食材から適切量摂取する場合は安全である」
「サプリメントでの大量摂取に関する安全性については十分なデータがないため避けた方が良い」
このように結論づける論文がほとんです。
サプリメントで高容量摂取する事で消化器系(消化不良、下痢、便秘)や肝臓障害(肝機能低下、肝炎)が生じた例などもあります。
Am J Med 1992; 92: 77─81. N Engl J Med 1973; 289: 1180─2. JAMA 1994; 271: 672─7. Diabetologia 1995; 38: 848─52.
一部で心血管疾患に効果的だという報告もあります。
しかし、相反する結果も多いです。
・冠状動脈性心臓病の患者146名を対象とした、二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ナイアシン剤2~4 g/日とシンバスタチン (脂質異常症治療薬) 2~4 g/日を3年間併用させたところ、心血管系イベント (死亡、心筋梗塞、発作) の発症率が低下した。
N Engl J Med. 2001 Nov 29;345(22):1583-92.
・心筋梗塞の既往歴がある男性を対象とした無作為化プラセボ対照試験においてナイアシン3.0g/日を4.5年以上摂取させたところ、死亡率の低下が認められた。
J Am Coll Cardiol. 1986 Dec;8(6):1245-55.
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・無作為化比較試験について検討したメタ分析において、ナイアシンサプリメントの摂取は、心血管疾患、冠動脈疾患、心筋梗塞、脳卒中のリスクおよび総死亡率との関連は認められなかった。J Am Coll Cardiol. 2018 Jun 5;71(22):2570-2584.
ナイアシンを1日にどれくらい摂取すれば良いのかは、議論の余地があり定まった見解は得られていません。
しかし、「ナイアシン欠乏は珍しく、ほぼいない」「高容量摂取では副作用がある」
この2点からサプリメントで摂取するのはリスクが高いと考えています。
バランスの良い食事をしたら毎食【10mg】前後のナイアシンを摂取できます。
ナイアシンが欠乏すると、ナイアシン欠乏症(ペラグラ)を発症します。
その発症を予防できる量は「1日9.6mgNE」です。
※成人、一日摂取カロリー2000kcalと仮定した場合
バランスの良い食事をしたら1日で30mgNE程度摂取できるのでまず問題ありません。
某サプリメントには一錠で50mgのナイアシンが入っています。
それだけで厚生労働省が定めている1日の推定平均必要量の3倍以上を摂取することになります。
サプリメントに頼るときは、
食材からどのくらい摂ってるか?
サプリメントからどのくらい摂るべきなのか?
根拠を持って摂取するようにしましょう。
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