この記事では管理栄養士がスキルアップすることできる資格を3つご紹介していきます。
国家資格の管理栄養士は一度取得すると更新の必要がなく基本的に喪失することはありません。
しかし栄養の情報は日々変化します。
昔は一日卵1個までとか言われてましたよね、しかし最近の研究で健康に問題ない人は2個程度なら大丈夫と言われる時代になりました。
このように新しい情報をキャッチしていかなければ、患者さんなどに貢献するのは難しいと思います。
さらに職場のニーズにあったスキルアップは他の職種の方からの信用、そして患者さんからの信頼度も変わります。
多くの管理栄養士がいる中で専門性を高めたワンランク上の管理栄養士を目指すことが可能です!
この記事を読むことであなたにあったスキルアップすることできる資格を見つけることができるでしょう!
ぜひ確認してみてください!
目次
管理栄養士がスキルアップするのにおすすめな資格
管理栄養士はスキルアップすることができる職業です。
高度な専門スキルを身につけることでさまざまな患者さんや利用者の方に貢献することができます。
ここではキャリアアップできる資格を3つ紹介していきます。
認定管理栄養士
認定管理栄養士とは
- 臨床栄養
- 学校栄養
- 健康・スポーツ栄養
- 給食管理
- 公衆栄養
- 地域栄養
- 福祉(高齢・障がい)
- 福祉(児童)
の8分野の専門領域において「栄養の指導」を責任をもって実践できるレベルに到達したことを認める資格になります。
審査に必要な資格
☑日本国の管理栄養士・栄養士の免許を有すること
☑管理栄養士・栄養士としての実務経験が精算5年以上であること
☑基幹教育において申請年度から過去5年間(うち2020年度を含む場合は過去6年間)に60単位以上の単位を取得していること※
☑受講した研修や日々の業務より、年に1テーマ以上のキャリアシートを作成していること
☑申請する分野の「栄養の指導」に関する学会等(地方会、研究会も含む)での発表を1回以上、かつ学会に3回以上参加していること
※)基本研修で30単位(うち必修単位20単位)、実務単位で30単位(臨床栄養分野は40単位) 以上の単位を取得すること
必要な申請資格を満たすのは大変かもしれませんが、学び直したり学びを深めることは専門職として大切です。
自分自身のモチベーションも上がると思うので積極的に行動してみましょう!
出典:認定管理栄養士 認定栄養士 認定制度 」公益社団法人 日本栄養士会
管理栄養士【特定分野別 認定制度】
特定分野管理栄養士と5つの特定分野における資質向上に向けた研鑽を行うことができると日本栄養士会が認めるものとなります。
5つの特定分野別の認定制度と申請についてご紹介していきます。
・静脈経腸栄養(TNT-D)管理栄養士
静脈栄養と経腸栄養に関する専門技能を身に着けたい、病院で勤務している管理栄養士におすすめの資格です。
審査に必要な申請資格
☑病院他に2年以上の勤務経験があり、現在も静脈経腸栄養管理を行っている、または静脈経腸栄養管理に携わることを目指してる管理栄養士(年内において所属先にて経腸栄養を施行した対象者への栄養介入事例についてレポートが作成できること)
☑管理栄養士養成施設で臨床栄養学分野を担当している教員(助教以上)
出典:静脈経腸栄養(TNT-D)管理栄養士 | 公益社団法人 日本栄養士会
・在宅訪問管理栄養士
近年、在宅での療養者や要介護者が増加していますが、在宅での栄養食事指導ができる管理栄養士がまだまだ少ない状況にあり、これからの時代には求められる資格になります!
審査に必要な申請資格
☑日本栄養士会の会員であり、日本在宅療養管理学会の正会員で管理栄養士であること
☑管理栄養士の登録から5年以上経過し、病院、診療所、高齢者施設などにおいて管理栄養士として従事した日数が通算で900日以上(週休2日と仮定して3年6か月以上の期間)であること
・公認スポーツ栄養士
トップアスリートからジュニア層、スポーツ愛好家のさまざまな層に対して栄養サポートのニーズは求められるようになり、学校や行政などさまざな現場で活躍が期待されています!
審査に必要な申請資格
☑管理栄養士としてであること
☑公認スポーツ栄養士養成講習会を受講しようとする年度の4月1日時点で満22歳以上であること
☑スポーツ栄養指導の経験があること、またはその予定があること
☑日本スポーツ協会と日本栄養士会が認めた者
・食物アレルギー分野管理栄養士・栄養士
近年、小児期の食物アレルギー罹患率が増加傾向にあり、医療機関、給食など食物アレルギーに関する正しい知識と対応技術が求められます。
給食センターなどに勤めている方にはキャリアアップが期待できる資格ともいえます!
審査に必要な申請資格
☑日本栄養士会の会員であること
☑管理栄養士・栄養士として従事した日数が3年以上であること
☑所定の研修を修了していること
出典:食物アレルギー分野管理栄養士・栄養士|公益社団法人 日本栄養士会
・小児栄養分野管理栄養士・栄養士
2023年4月1日にこども家庭庁が設置され、子どもと家庭の福祉や健康の向上を支援する環境を整備するため、この政策に貢献するため小児栄養分野における人材育成のために作られた新しい認定資格となります!
これからこの政策が広がればさまざまな現場で求められる資格と期待されています!
審査に必要な申請資格
☑日本栄養士会の会員であること
☑管理栄養士・栄養士として従事した日数が3年以上であること
☑所定の研修を修了していること
出典:小児栄養分野管理栄養士・栄養士|公益社団法人 日本栄養士会
管理栄養士【専門分野 認定制度】
専門分野での認定制度は2013年度より、卓越した技術・知識を習得し、複雑で解決困難な栄養の問題を解決でき、その専門性を教育や研究スキルにも発揮できる管理栄養士を専門管理栄養士として認定しています。
ここでは日本栄養士会と厚生労働省がおすすめする認定資格をご紹介していきます。
・がん病態栄養専門管理栄養士
がんは昭和56年(1981年)より日本において死因第1位となっており、予防策や治療・療養において患者のQOLの向上など重要な課題です。
がんに対する予防・治療・ケアに食と栄養の側面からアプローチすることが期待されています!
認定に必要な申請資格
☑管理栄養士であること
☑日本栄養士会および日本病態栄養学会の会員であること
☑日本栄養士会「臨床栄養認定管理栄養士」または、「病態栄養専門または認定管理栄養士」を取得していること
出典:がん病態栄養専門管理栄養士|公益社団法人 日本栄養士会
・腎臓病病態栄養専門管理栄養士
腎臓病は長期間の管理と継続的なケアが必要となる疾患で進行に伴う食事療法や栄養補給など患者の生活習慣を提案していきます。
さまざまなアプローチにより患者のQOLに貢献することができるでしょう!
認定に必要な申請資格
☑管理栄養士であること
☑日本栄養士会および日本病態栄養学会の会員であること
☑日本栄養士会「臨床栄養認定管理栄養士」または、「病態栄養専門または認定管理栄養士」を取得後3年以上の実務経験を有すること
出典:腎臓病病態栄養専門管理栄養士|公益社団法人 日本栄養士会
・糖尿病病態栄養専門管理栄養士
日本での糖尿病罹患率は10人に1人とかなり高い傾向にあります。
これから必要性が増してくるとともに、糖尿病患者への食事療法の計画、生活習慣病の予防・管理などさまざまな役割が担うことが必要となります。
認定に必要な申請資格
☑管理栄養士であること
☑日本栄養士会および日本病態栄養学会の会員であること
☑日本栄養士会「臨床栄養認定管理栄養士」または、「病態栄養専門または認定管理栄養士」を取得後3年以上の実務経験を有すること
出典:糖尿病病態栄養専門管理栄養士|公益社団法人 日本栄養士会
・摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士
嚥下障害を患っている患者の栄養管理は非常に重要です!
適切な栄養摂取や水分摂取が難しくなるためこのような患者への食事の提案をしていきます。
認定に必要な申請資格
☑管理栄養士であること
☑日本栄養士会および日本摂食嚥下リハビリテーション学会の会員であること
☑日本嚥下リハビリテーション学会認定士の取得者であること
出典:摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士|公益社団法人 日本栄養士会
・在宅栄養専門管理栄養士
コロナウイルスなどの流行により在宅で治療する患者が増えそのほとんどが高齢者という現状があります。
在宅での食事は介護者が作ることが多いため、介護者に対して食材のサイズや調理のアレンジなどのアプローチをすることが求められています。
認定に必要な申請資格
☑管理栄養士であること
☑日本栄養士会および日本在宅栄養管理学会の会員であること
☑公益社団法人日本栄養士会特定分野別制度 一般社団法人日本在宅栄養管理学会認定「在宅訪問管理栄養士」の取得者であること
専門性を高めると患者さんの信頼度や他職種からもニーズが高いことが現場でも実感されています。
症例レポートなどの作成はかなり大変のようですが、研修などで自分の知識は広がること間違いないです!
管理栄養士にスキルアップの資格が必要な理由
管理栄養士の国家資格は取得後の更新の必要がなく、基本的に資格を失うことはありません。
しかし栄養に関する新しい情報や時代に必要とされる栄養の知識は日々変化します。
そのため自らが栄養に関する最新の情報や専門知識をキャッチしなければ患者に貢献することが難しいといえます。
知識を得ることで職場に携われる業務内容が増え、様々な職場で活躍することができ、キャリアアップにつながります!
また職場に合った資格の取得は自分が働きやすい環境づくりにもなるでしょう。
専門性を磨くことで他職種からのニーズや患者への信頼度が増します!
例えば、がんを患っている場合
”管理栄養士さんの話を聞く?”
というより
”がんの専門の管理栄養士さんの話を聞く?”
と言われたら聞きたくなりますよね!
専門性を高めることで自分の肩書になり自信にもなります!
モチベーションを保つ支えにもなるはずです!
自分の方向性を決め、職場にあった資格にチャレンジすることをおすすめします!
管理栄養士がスキルアップしてできるようになること
これまでは管理栄養士がスキルアップすることができる資格をご紹介してきました。
この章ではスキルアップしてできるようになることを3つご紹介します!
収入アップを叶えられる
転職以外でキャリアアップが可能な職場もあり、スキルアップができれば賞与、昇給アップを叶えられる可能性があります。
自らが動くことで管理職へのキャリアアップや外部から仕事をもらえる可能性があります。
管理栄養士の働く分野は多岐にわたるため、自分の得意な分野や専門的な知識を深めることが重要になります。
職場にあったスキルアップは患者からの信頼度も増すとともに、他職種からも頼られる存在になるでしょう!
転職に有利になる
管理栄養士は毎年10,000人程の合格者を出しています。
新卒もいる中で選ばれるためにも”管理栄養士+α”だと雇う側も安心と信頼に繋がります。
また今後転職してみたい病院などがあり、力を入れている分野の資格を事前に取得しておくということも転職しやすくなる可能性があります。
転職先でもより専門性の高い仕事が期待できると思います。
なかなか自分の資格とマッチした転職先を見つけるのは難しいと思いますが、管理栄養士の転職サイトなどあるので活用してみましょう!
モチベーションがあがる
国家資格の管理栄養士が専門性がつくことは患者さんからの信頼度や周りの他職種の方からの評価に繋がります!
仕事が楽しい、続けたいと思うモチベーションを保つ支えの一つで、誰かに必要とされることは大きな理由になると思います。
今までなんとなくわかっていたことを深く理解することで患者さんにとって分かりやすい内容を伝えられることができます。その結果、感謝の言葉をもらえる機会も増えることでしょう!
仕事のモチベーションが上がることで成果が出て、昇給や管理職へのチャンスが増える可能性もあります!
もちろん資格を取得するうえで大変なこともたくさんあると思いますが、患者さんにも貢献できて、モチベーションの維持もできるなんて素敵だと思います!
管理栄養士に関連したその他の資格を紹介
1章「管理栄養士がスキルアップするのにおすすめな資格」では管理栄養士が取得できる資格をご紹介してきました。
専門性が高く認定の条件を満たすにも難しい条件などもあると思います。
ここでは管理栄養士に関連した資格をご紹介していきます!
健康運動指導士
栄養指導などで健康増進の方法を伝えるなかで運動は欠かせないと思います!
健康運動指導士とは生涯の健康づくりや生活習慣病の予防などの観点から専門的な運動指導を行うことができる資格です。
栄養の知識も伝えられて運動に関しても知識があると患者さんにも貢献できると思います!
受験資格
☑講習会か養成講座のいずれかを修了→ 認定試験に受験可能
出典:健康運動指導士
栄養経営士
栄養経営士とは栄養管理のプロとしてチームマネジメントのスキルを身に着けた管理栄養士のことです。
資格取得者の80%は病院で勤務しており、院内・施設内での栄養部門がどのような位置にあり、経営の上で何を求められているのかを導く存在です。
管理栄養士は栄養の知識はあっても経営の知識を学ぶ機会がありません。
食事内容を変えたいときにも栄養と経営の知識を兼ね備えていたら2つの面からアプローチが可能になります。
患者さんにベストを尽くし、そのうえで経営のプラスになるのかという視点は栄養部門の評価につながり、よりよいサービスを提供できる循環につながります。
マネジメントスキルを身につけ、ワンランク上の管理栄養士を目指しましょう!
受験資格
☑管理栄養士として実務経験が満2年の勤務経験を有する方
☑「栄養経営士」資格認定基礎講習修了の方
まとめ
これまで管理栄養士がスキルアップできる資格やスキルアップしてできるようになることなどご紹介してきました。
仕事をしながらの審査に必要な条件や資格、取得のためのレポートの提出はとても大変だと思います。
ですが、多くの管理栄養士がいる中で専門性を高めることは自分の成長だけではなく、信頼度や信用度に直結します。
モチベーションの維持や給料アップのきっかけにも繋がるはずです。
自分の職場や挑戦してみたい資格にぜひ踏み出してみましょう!
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