リハ職に選ばれる栄養の資格3選!資格取得のメリットと活用法も紹介

一般社団法人臨床栄養医学協会

執筆者一般社団法人臨床栄養医学協会
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当臨床栄養医学協会では、生化学及び生理学に基づく栄養学に関する正しい知識の普及と、ビジネス化推進を行います。
「知識を得る」「資格取得」だけではなく、必要な経験・実績を積むことでビジネス化をサポート致します。

理学療法士が患者にリハビリテーションを提供していく上で機能面を評価、アプローチしていくことは、当然です。

しかし、生活の質を上げていくためには、機能面だけではなく、栄養状態も併せて把握することが大切であると感じることが多いのではないでしょうか。

 

特に、内科疾患を有する患者や高齢の患者を担当する際には、栄養面からのサポートが不可欠です。

しかし、理学療法士は養成校での栄養に関する講義は少なく、栄養の知識が十分であるとは言えません。

 

もっと専門的な知識を身につけたいと思っても、実際にどの資格を取得すれば良いのか、どのように学習を進めれば良いのか分からないですよね。

そこで、この記事では、理学療法士が取得できる栄養に関する資格について詳しく解説します。

 

また、理学療法士が栄養の知識を得るメリットのほか、各資格の取得方法や試験内容、更新制度はもちろん、資格取得後の活用方法についても具体的にわかりやすく解説していきます。

 

最後まで読んでいただくと、あなたもリハビリテーション栄養の専門家として、患者の役に立ち、組織にも貢献できることで自信にも繋がると思いますので、ぜひ参考にしてみてください!

 

理学療法士が取得可能な栄養に関する資格

理学療法士が取得できる栄養に関する資格はいくつかありますが、今回は以下の3つをご紹介していきます!

それぞれの団体で取得できる資格の概要とその資格の取得方法や更新制度、取得にかかる費用も併せて解説していきます。

 

栄養サポートチーム専門療法士

最初にご紹介する資格は、日本栄養治療学会が発行する、静脈栄養・経腸栄養を用いた臨床栄養学に関する優れ知識と技能を有する療法士を認定する資格です。

 

具体的に学べる内容としては、消化器の解剖、生理や栄養素の生化学、代謝、栄養障害の病態生理、小児の特殊性と栄養必要量、周術期管理、がん治療に関連する栄養障害・臓器障害の対応方法などです。

 

資格取得までの概要ですが、資格取得条件を満たすことで認定試験を受けることができます。

この認定試験には書類審査と筆記試験があり、合格すると認定証が発行されます。

 

具体的な資格取得条件は以下の6点です。

  1. 日本栄養治療学会(以下、JSPEN)の会員であること
  2. 管理栄養士、看護師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のいずれかの国家資格を有し、3年以上の実務経験があること
  3. JSPENが認める施設でNST業務に携わった経験があること
  4. JSPEN学術集会に1回以上参加していること
  5. NST専門療法士受験必須セミナーを含む合計30単位の取得していること
  6. JSPEN認定教育施設における40時間の実地修練を修了すること

 

次に、資格取得の費用についてですが、

  • 入会費:¥9,000
  • 認定申込費用:¥10,000
  • 認定料:¥50,000

 

最後に、更新制度に関してですが、5年ごとの更新制度があります。

更新条件を満たし、書類審査に合格すると認定証が発行されます。

 

更新条件は以下の4つがあります。

  1. JSPENの会員であること
  2. 臨床栄養管理業務従事経験2年以上あること
  3. JSPEN学術集会に参加していること
  4. NST専門療法士更新必須セミナーを含む合計30単位を取得していること

 

この資格は、所属する病院が栄養サポートチームを採用している場合におすすめです。

また、総合病院などで、理学療法士がチーム医療に携わる上でも重要な資格となります。

 

以下に、リンクを貼っておきますので、興味がある人は参考にしてみてください!

 

出典:一般社団法人 日本栄養治療学会

 

リハビリテーション栄養指導士

次にご紹介する資格は、日本リハビリテーション栄養学会が発行するリハビリテーション栄養に関する専門的な知識と技能を有する療法士を認定する資格です。

 

具体的な内容としては、リハビリテーション栄養診断とゴール設定・ 介入について、グループワークでディスカッションする機会があります。

また、臨床でよく出会う疾患を取り上げ、実践方法を具体的に学べます。

 

さらに、臨床研究や論文執筆、指導において豊富な経験を持つ講師陣から直接、研究計画の立案に必要な内容を網羅的に学ぶことができるという点も魅力です。

 

資格取得までの概要ですが、上記の資格と同様に取得条件を満たすことで認定試験を受けることができます。

 

この認定試験は、リハビリテーション栄養に関する査読付論文もしくは症例レポートの内容が、試験に相当します。

 

資格取得条件は以下の5つです。

  1. 日本リハビリテーション栄養学会の正会員A(有料会員)で年会費を完納していること、または国際会員であること
  2. 日本の医療・福祉に関する国家資格を有する方  (医師、歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師、臨床検査技師、社会福祉士、介護福祉士など) 及び海外で同様の資格を有すること(国家資格ではない場合を含む)
  3. 研修会受講:TNT-Rehabilitationを受講していること
  4. 資格申請時点で、日本リハビリテーション栄養学会学術集会(研究会時代も含む)で筆頭演者として、1回以上発表していること
  5. リハビリテーション栄養に関する査読付論文が1本以上あること(筆頭著者もしくは連絡著者)

症例レポートを提出し、合格判定されること

 

次に、更新制度についてですが、 5年ごとの更新制度があります。

 

更新の条件は以下の3つです。

  • リハ栄養指導士認定期間中、本会の正会員A(有料会員)であり、会費を完納していること
  • リハ栄養指導士認定期間中に、以下のいずれかの条件を満たしていること
    ①本会学術集会で、筆頭演者として1回発表、または共同演者として2回発表していること
    ②リハビリテーション栄養に関する査読付論文が筆頭著者または連絡著者として1本以上、
    または共同著者として2本以上あること
    ③全国規模の学術団体またはその支部会、あるいは職能団体(都道府県単位以上)が
     主催する学術集会またはセミナー、研修会における教育講演または、特別講演、
     学術セミナー等の講師を筆頭演者として1回以上務めていること
  • 本会学術集会にリハ栄養指導士認定期間中の5年間で2回以上、参加していること

 

最後に、資格取得にかかる費用ですが、

  • 年会費:¥10,000
  • 審査料:¥10,000

 

こらちの資格も所属する病院が栄養サポートチームを採用している場合におすすめです。

資格取得にかかる費用は栄養サポートチーム専門療法士と比較すると安価です。

 

以下に、リンクを貼っておきますので、興味がある人は参考にしてみてください!

 

出典:一般社団法人 日本リハビリテーション栄養学会 

 

臨床栄養医学指導士

最後にご紹介する資格は上記2つの資格と比較すると、民間資格であるため、国家資格の保有や年会費が不要であり、どなたでも資格取得が可能です。

そのため、リハビリに特化した資格ではないですが、この資格をご紹介している理由は、講義の内容が理学療法士が臨床推論する論理的思考と似ているからです。

 

具体的には、栄養に関連する症状の原因推論や食事指導の方法が生化学・生理学に基づいて説明されていれます。

また、医学論文も多数、引用しているため、理学療法士の考え方と非常に相性がいい点です。

 

そして、最大の特徴は講義動画を全てオンラインかつ自分のペースで受講することができることです。

 

講義内容はメイン講座80時間、オプション動画(ビタミン・ミネラル動画など)も110時間以上あり、幅広く専門的な知識を得ることができます。

 

資格取得条件は厳しくなく、全オンラインセミナーを受講し、認定試験に合格すると認定証が発行されます。

 

この認定試験に関しては、症例レポートを作成し、提出します。

 

基本的に不合格になることはなく、何度も再提出が可能であり、フィードバックをもらうことができます。

 

また、この団体が発行する資格には、臨床栄養医学指導士コースとスポーツ栄養医学指導士コースの2つがあります。

 

前者は一般の人へ向けた栄養に関する知識を得る資格であり、後者はアスリートなどスポーツを行う人へ向けた栄養に関する知識を得る資格です。

 

また、以下のように特典も豊富です。

  • 有料NOTE 2万円が無料で閲覧可能
  • 毎週火曜日・日曜日リアルセミナーの設置(サポート期間:6ヶ月)
  • 専用グループチャットにて24時間サポート
  • セミナー資料2,000枚をパワーポイントで配布

 

さらに、ビジネス塾への参加(マーケティングスキルの勉強会)もできるため、得た栄養の知識を基にビジネスを展開するためのノウハウまで学ぶことができます。

 

最後に、資格取得の費用ですが、以下の通りであり、分割払いも可能です。

  • 臨床栄養医学指導士コース: 249,800円(一括)
  • スポーツ栄養医学指導士コース::198,800円(一括)

 

この資格はどなたでも取得可能であるため、栄養の知識を仕事やビジネスに活かしたい人はおすすめです!

 

以下に、リンクを貼っておきますので、興味がある人は参考にしてみてください!

 

出典:一般社団法人 臨床栄養医学協会

 

理学療法士が栄養の知識を得る意義

この章では、理学療法士が栄養の知識を持つことの意義についてお伝えしていきます

 

理学療法士養成校のカリキュラムには栄養学がないため、全ての理学療法士が、栄養の知識を持ち合わせている訳ではありませんよね。

 

だからこそ、他の理学療法士と差別化できる1つの要因になるので、ぜひ、読み進めてみてください!

 

理学療法士が栄養の知識を持つメリットとは

冒頭でも記載しましたが、理学療法士が栄養の知識を持つことは患者の全身状態を把握し、包括的にアプローチする上でかなり重要です。

 

栄養状態は患者の筋力や持久力、免疫力などに影響を与えるため、栄養状態を把握することで、より適切なリハビリテーションの方針、計画を立てることができます。

さらに、計画通りに毎日のリハビリテーションを進める上でも栄養状態を予期し、戦略的に対応することでスムーズな治療展開を進めることができます!

 

逆に、栄養状態が悪いと感染症や褥瘡などの合併症のリスクが高まるため、栄養状態を改善することでこれらの合併症を予防することができる可能性が高まります。

もしそういった合併症を発症してしまい、リハビリテーションが思うように進まなくなると、体力や筋力の低下、関節可動域の制限や拘縮を招くことで、ADL能力の低下が起こります。

 

その結果、さらなる悪循環を招き、どんどん全身状態が悪くなっていくことが予測されます。

そうならないためにも、栄養の知識やアプローチ方法を理解しておくことが大切です。

 

また、病院では様々な職種のスタッフとチームでアプローチすることが基本となります。

栄養サポートチームが組まれている病院では、チームの一員として、患者の栄養管理に貢献することができ、病院としても貴重なスタッフの一人として重宝されます!

 

栄養サポートチームにおける理学療法士の役割

栄養サポートチームにおける理学療法士の役割は、主に機能面で患者を良好な状態へと回復させることです。

 

具体的には患者が自立して寝返り、起き上がり、立ち上がり、歩行といった基本動作を行えるようになることです。

そのためには、先ほどの章でも記載しましたが、患者の筋力や持久力、関節可動域の状態を良好に維持、改善していくことが必要になります。

 

その上で患者の栄養状態を理解をしているのか、していないのかによって、雲泥の差が生じてしまいますよね!

 

もし、担当の理学療法士に栄養の知識がなければ、患者の身体から発する小さなサインを見逃し、チームへの情報共有がなされず、早い段階での対処ができない可能性があります。

そうなると、感染症や褥瘡といったリハビリテーションの進行を妨げてしまう状態に陥り、悪循環になってしまう危険性を孕んでいます。

 

理学療法士が栄養の知識を持ち、他職種と共通言語でコミュニケーションがとれることは、チームアプローチを進める上で非常に重要なファクターです!

 

理学療法士が栄養の資格を取得した上での活かし方

この章では、理学療法士が取得した栄養に関する資格を活かしていくための活用方法について説明していきます。

 

資格を取得することはゴールではなくスタートです。

 

普段の臨床はもちろん、在籍する職場でも活躍の場が広がり、また、副業として知識を活用することも可能です!

 

それでは、具体的な活用方法を解説していきます。

 

臨床での栄養の知識の活用方法

まず、より具体的な臨床での栄養の知識の活用方法についてお伝えします!

 

栄養の知識といってもかなり抽象的ですよね。

栄養には食物の栄養素の知識だけではなく、それを消化・吸収し、日々の日常生活を営むための原動力を生み出すためのエネルギーを産生するなど、異化、同化といった生理学の知識も含まれるわけです。

 

この他にも、そういった食べ物から栄養素を取り入れ、エネルギーになるための各臓器の役割を理解している必要があります。

それらを把握することで、皮膚の状態や排泄物の状況、血液データなどを包括的に評価し、状況を判断することができます。

 

この得られた情報を基に指示を出すのは医師であるため、理学療法士にその判断の決定権はありません。

 

しかし、理学療法士は他職種と比べても患者と接する時間が長いです。

そこで得られた情報を医師や看護師に共有することで、よりスムーズなチームアプローチを展開することが可能となります!

 

また、こういった情報を共有することで、医師からの指示を受け、リハビリテーションの負荷量や実施する運動のパターンを選択することができます。

 

いかに患者に負担をかけすぎず、適切な負荷でリハビリテーションを提供できるかが最短で改善するためには重要となります。

 

職場でのアウトプットや貢献

臨床での栄養の知識の活用方法についてお伝えしましたが、資格を取得することは、この他にも職場での様々な貢献に繋がります。

 

例えば、1章「理学療法士が取得可能な栄養に関する資格」で解説したような栄養に関する資格取得講座で学んだ知識を、今後、入職するスタッフへの指導に役立てることも可能です。

また、理学療法士は身体機能についての知識は豊富であり、だからこそ栄養と身体機能面の関連性については、他職種に共有できる強みがあると思います。

 

そこで、チームの強化に繋げるための勉強会や研修会などを開催し、チーム全体のスキルアップにも貢献することができます!

また、理学療法士が栄養に関する知識を併せ持つことで研究活動のテーマも広がりますよね!

 

そして、その研究が論文化までに至ると、病院内での存在意義も高まり、昇進に一歩近づくことができるかもしれません。

 

このように、他の理学療法士と差別化できる点は増え、社会的意義も向上します。

 

副業への繋げ方

栄養の知識は、これまでにお伝えした病院内での活用方法以外にも、副業にも活かすことができます。

 

1つ目は栄養指導です。

栄養の知識を活かして活躍する場は、病院だけではありません。

 

例えば、ダイエットをしたいと考えている人やアスリートの人など、専門的に栄養のアドバイスを受けたい人は多くいます。

 

コロナ禍によって、時代が大きく変化した今、様々な形で仕事を得られるようになりました。

その一つにzoomなどを利用し、オンラインで会話ができるようになったこともあります。

 

以前は直接会って、コミュニケーションをとることが当たり前でしたが、現在はどこにいても繋がれる時代になりました。

SNSなどを通じて自分を知ってもらい、必要な方へ栄養の知識を届けられることで、栄養を仕事にする選択肢の幅は広がっています。

 

2つ目は栄養指導を必要とする専門家への指導です。

ダイエットを希望する人やアスリートなど自分自身が栄養の知識を必要とする人がいる一方で、裏を返すとその人々を指導する側もいるわけですよね。

 

自分自身が圧倒的な栄養に関する知識を持ち合わせていることで、指導者の指導をすることもできるようになります!

 

そこで、おすすめなのが、1章でも解説した臨床栄養医学協会です!

この協会は生化学及び生理学に基づく栄養学に関する正しい知識の普及のため、医学論文をベースとした科学的根拠に基づく栄養の知識を学ぶことができます。

 

しかし、この協会が他の団体と一線を画すところは、栄養の知識だけではありません。

 

それは、ビジネス化を推進している点です!

 

具体的には、SNSの活用方法やライティング技術なども学ぶことができますので、資格取得後の活かし方まで十分習得することができます!

せっかく栄養の知識を得ても、活用する場が病院という枠組みの中だけに留まるのはもったいないですよね。

 

一般の方でもダイエットや妊活、美容など、栄養に関する知識を必要としている方は多いです。

ですが、栄養の知識を得たところで、自分という存在を知ってもらえなければ、それを活かすこともできません。

 

このように栄養の知識だけではなく、その武器を使って活躍するための準備までをサポートしてくれる団体は私が調べた限りありません。

 

所属する病院以外に栄養の資格を活かして、もっと様々な人のために貢献したいという人は、ぜひ、この協会の資格を取得することをおすすめします!

 

興味のある人は以下のリンクから調べてみてください!

 

出典:一般社団法人 臨床栄養医学協会

 

まとめ

まとめ

ここまで、各資格の概要や理学療法士が栄養の知識を得るメリット、資格取得後の活用方法などについても解説してきました。

 

これから栄養の資格取得を進めていくにあたって、少しイメージが沸いたのではないでしょうか?

あくまで、資格取得は目的ではなく手段であり、ゴールではなく、スタートです。

 

栄養の資格を取得することで、今後どのようにチームの一員、または個人として、社会に貢献していけるかが大切です!

 

ぜひ、この記事の内容を参考にみなさんの今後に活かして頂きたいと思います。

 

もし、興味が湧いた方はリンクから簡単に調べることができるので、ご紹介した資格を検索してみてください!

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

一般社団法人臨床栄養医学協会

執筆者一般社団法人臨床栄養医学協会
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