貧血は鉄を増やしても改善しません

一般社団法人臨床栄養医学協会

執筆者一般社団法人臨床栄養医学協会
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貧血は鉄を増やしても改善しません

貧血は鉄を増やしても改善しません

貧血は様々な原因で発症します。

鉄の摂取不足で起こることもありますが、それ以外の要因で発症することが多く、

鉄の摂取量を増やさなくても改善したケースは多々あります。

 

【貧血=鉄不足】

という認識は危険です!

 

一番多いのは【鉄欠乏性貧血】ですが、ほとんどの方で重複して貧血症状を起こしています。

 

そのため、症状・血液データなどから総合的に判断して治療する必要があります。

 

鉄欠乏性貧血であっても、鉄の摂取量を増やすだけでは改善しないことがほとんどです。

 

鉄を摂取していても、鉄をうまく消化・吸収できていない可能性があります。

 

この場合は鉄を増やしても効果が薄いです。

 

もしくは月経過多で、過剰に鉄を喪失している場合もあります。

 

このような場合は鉄の摂取量を増やすより、鉄を消化・吸収できるようにすることや、月経過多にならないようにする必要があります。

そして貧血は鉄欠乏性貧血だけとは限りません。

・赤血球を作り出せない(再生不良性貧血)

・赤血球を分化できない(巨赤芽球性貧血)

・活性酸素が多い、抗酸化物質が少ない(溶血性貧血)

 

これらを改善するためには、鉄の摂取量を増やしても効果がありません。

 

エネルギー代謝を正常にし、消化・吸収機能の改善、腸内環境改善などが重要になってきます。

 

貧血を改善させるためには、

【貧血=鉄不足】

という安直な考えは捨て、全身の状態を総合的に判断して改善させる必要があります。

 

 

 

 

 

 

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