最近、食欲が止まらず、食べ過ぎてしまった。体重が増加してしまった。
こんな経験はありませんか?
食欲は3大欲求の1つとされ、生じた食欲を抑えることは非常に困難です。
食欲コントロールのコツは脳やホルモンの影響で生じた、間違った食欲を起こさないことが重要です。
この記事では、食欲の増加がどうして起こってしまうのか、また、どうしたら食欲をコントロールできるのかについて紹介していきます。
目次
食欲がコントロールできない3つの原因
食欲はなぜコントロールできないのでしょうか?
先程も述べましたが、食欲コントロールは脳が行っているからです。
脳からの命令を抑えることは非常に困難です。
食欲をコントロールするためには、食欲増加を引き起こす原因を知ることが重要となります。
ここでは、食欲がコントロールできない3つの原因を説明していきます。
血糖値が不安定だから
血糖値が不安定になると、食欲は増加してしまいます。
糖質は脳のエネルギー源であり、糖質不足は脳機能低下を引き起こします。
脳は、私たちの体を動かす最も重要な臓器であるため、低血糖は体に危機的な状態といえます。
低血糖状態になると、脳は糖質を摂取しようと、食欲を増加させてしまいます。
食事での糖質量が少なく、耐糖能が低下している状態では低血糖となり、食欲が増加してしまいます。
腸内環境が悪化しているから
腸内環境が悪化することで、食欲は止まらなくなってしまいます。
腸の中では食欲抑制ホルモン(PYY)の合成を行っており、腸内環境悪化は食欲抑制ホルモンの合成低下をもたらします。
私たちの腸内では腸内細菌が食物繊維を分解し、短鎖脂肪酸を産生します。
短鎖脂肪酸は受容体と結合することで、食欲抑制ホルモンの分泌を促進させます。
腸内環境が悪化した状態であると、短鎖脂肪酸の産生が行いにくくなるため、食欲抑制ホルモンの合成量も少なくなり、食欲が増加してしまいます。
睡眠不足だから
8時間以下の睡眠では食欲が増加してしまいます。
睡眠不足では食欲増加ホルモン(グレリン)の増加、食欲抑制ホルモン(レプチン)の減少が生じます。
ある研究では、5時間睡眠、8時間睡眠と比べて5時間睡眠で、グレリン14.9%の増加、レプチン15.5%の減少が起こるという結果が報告されています。Taheri S,et al.2004
また、睡眠不足は判断力低下も引き起こし、間食が我慢できなくなってしまう可能性もあります。
睡眠不足の人は、睡眠時間を増やす意識をしていきましょう。
女性特有の食欲がコントロールできない原因
生理前は食欲が増加して、止まらなくなってしまう。
こんな経験のある女性は多いかと思います。
生理前の食欲増加は正常な反応であるため、すべての女性に起こります。
これは女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの乱れの影響であるとされています。
エストロゲンは食欲を抑える作用があるのですが、生理前には分泌量が低下します。
一方で、プロゲステロンにはインスリンの働きを悪くする効果があり、血糖値の乱高下を起こします。
これらの影響で食欲は増加してしまいます。
生理が終わると女性ホルモンのバランスが元に戻るため、食欲も正常に戻ります。
生理前の食欲増加は誰にでも起こります。
無理に抑えようとすることはストレスになり、かえって食欲が増加してしまう可能性があります。
生理前の食欲増加は無理に抑え込まないのがおすすめです。
目からウロコ!食欲が絶対にコントロールできる9つの習慣
ここまで食欲コントロールができない原因について説明してきました。
食欲コントロールができない原因は分かったけど、何から始めたらいいのかわからない。
そんな人におすすめな、食欲が絶対にコントロールできる9つの習慣を紹介していきます。
いきなりすべてを行うのは大変です。できることから実践していきましょう。
炭水化物を摂取する
糖質と食物繊維を含む炭水化物を摂取しましょう。
「1-1.血糖値が不安定だから」でも述べましたが、脳のエネルギー源は糖質です。
糖質を摂取することで脳のエネルギー不足が解消され、食欲がコントロールできるようになります。
また、食物繊維には善玉菌を増やし、腸内環境を整える効果があります。
腸内環境が整うことで、食欲抑制ホルモンの合成が増加し、食欲が抑制されます。
炭水化物は不足している人が多いです。
積極的に摂取していきましょう。
脂質の過剰摂取を避ける
脂質の過剰摂取は避けましょう。
過剰摂取とは総カロリーの30%以上を摂取した場合をいいます。
脂質の摂りすぎを避けることで、食欲増加を抑制することができます。
脂質の摂りすぎは、糖質の代謝をブロックします。
代謝に使用できなかった糖質は血中に余り、過剰なインスリン分泌が起こってしまいます。
その影響で低血糖状態となり、脳が糖質を摂取しようと食欲増加が起こります。
また、脂質の過剰摂取は、腸内環境を悪化させ、食欲抑制ホルモンの合成低下を引き起こしてしまいます。
糖質の代謝を上げる、腸内環境を整えるためにも脂質の過剰摂取は避けましょう。
適正カロリーを摂取する
適正カロリーを摂取しましょう。
※後から示す図で簡易的に適正カロリーを確認することができます。
カロリー不足では血糖値が不安定となり、食欲増加を引き起こします。
低カロリーで不足したエネルギーは、脂肪を分解することで補います。
脂肪の分解は、糖質の代謝をブロックするため、糖質が血中に余ってしまい、過剰なインスリン分泌が起こります。
その影響で低血糖状態となり、脳が糖質を摂取しようと食欲増加が起こります。
食欲コントロールには適正カロリーの摂取も必要です。
出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
身長や体重によっても適正カロリーは変化するため、あくまで参考程度にしてください。
より詳細な適正カロリーを知りたい人は、メディカルズ本舗で確認するのがおすすめです。
人工甘味料を避ける
ジュースなどに含まれる人工甘味料の摂取は控えましょう。
人工甘味料は食欲増加を促す効果があるとされています。
私たちの脳は糖質を摂ることにより、甘みを感じます。
その後に、糖質が吸収され、血糖値が上昇する仕組みとなっています。
ところが、人工甘味料は甘みを感じた後に、血糖値上昇が起こりません。
血糖値が上昇しないことに脳は異常を感じ、摂食行動を引き起こしてしまいます。
人工甘味料の摂りすぎには注意しましょう。
※以下に人工甘味料の種類を記載します。
朝食を食べる
毎日、朝食を欠かさずに摂りましょう。
朝食欠食によって、昼食後の血糖値乱高下が起こります。
朝食欠食後は、糖質が不足した状態であり、低血糖状態となります。
低血糖では、血液中の糖質を保持しようと、細胞への糖質取り込みを低下させます。
この状態で昼食を摂取すると、血糖値の乱高下が起こり、低血糖状態となってしまいます。
低血糖状態では脳が糖質を摂取しようとするため、食欲の増加が起こります。
朝食を欠食した昼食後は低血糖となり、食欲が増加してしまいます。
朝食は欠かさず摂りましょう。
早食いをやめる
早食いをやめ、20-30分以上かけて食事を摂りましょう。
満腹感が生じるのは、食べ始めてから20-30分程度といわれています。
満腹感は脳で制御されており、食事が胃に到達することで起こります。
早食いは満腹感が生じにくいため、食べ過ぎてしまう可能性があります。
食事は満腹感が生じる20-30分かけて摂取するのがおすすめです。
睡眠時間を確保する
8時間以上の睡眠時間を確保しましょう。
「1-3.睡眠不足だから 」でもお伝えしましたが、睡眠時間が少ないと、食欲増加ホルモン(グレリン)の増加、食欲抑制ホルモン(レプチン)の減少が起こり、食欲が増加してしまいます。
いきなり8時間睡眠は難しいと思いますが、睡眠不足を自覚している人は15分ずつでも就寝時間を早めていくのがおすすめです。
朝に散歩をする
朝起きたら、30分の散歩をしましょう。
朝の運動はセロトニン分泌を促し、食欲を抑えることができます。
朝食で摂取したタンパク質(トリプトファン)は太陽を浴びたり、運動をすることでセロトニンに変わります。
幸せホルモンで有名なセロトニンには、食欲を抑制する効果があるため、朝の散歩をすることで、食欲抑制が起こります。
ルーティンを作る
ルーティンをつくりましょう。
ルーティンとは「日常生活で決まっている手順」や「日課」のことです。
起きたら顔を洗う、寝る前は本を読むなどもルーティンの一つです。
ルーティンをつくることで意思決定の数を減らすことができ、食欲コントロールがしやすくなります。
人が1日に可能な意思決定の回数は決まっており、上限を超えると、適切な判断ができなくなってしまいます。
食べ過ぎかどうか、食べ過ぎを抑えようという判断でも意思決定は必要です。
上限を超えると適切な判断ができず、間違った判断をしてしまう可能性があります。
ルーティンをつくることで、意思決定の数を減らし、食欲を抑えようという適切な判断ができるようになります。
それでも食欲が止まらない場合の秘密の対処法
食欲が絶対にコントロールできる9つの習慣について紹介してきました。
ほとんどの人はこれらの習慣を行うことで、食欲コントロールが可能になります。
そうはいっても、これだけでは食欲コントロールができないといった人もいるかと思います。
そんな人でも安心、食欲がどうしても止まらなかった場合の対処法について説明していきます。
ツボを押さえる
食欲が止まらない場合は、ツボを押さえましょう。
耳の前方にある「飢点」は食欲を抑える効果があります。
ツボは押さえるだけで効果があるため、簡単に行うことができます。
指の腹で垂直に3-7秒程度かけて押しましょう。
強さは気持ちいいくらいが適切です。
出典: illust AC
食事前にフルーツを食べる
食事前にフルーツを摂取しましょう。
フルーツはGI値が低く、血糖値が上がりにくい食材です。
GI値の低いフルーツには、血糖値を緩やかに上昇させ、食後の血糖値乱高下を防ぐ効果があります。
また、フルーツに含まれるフルクトース(果糖)は糖質の代謝を促し、血中の糖質濃度を安定させます。食後の血糖値乱高下が起こりにくくなるため、低血糖が起こりにくく、食欲をコントロールすることができます。
食事前に食べるとおすすめフルーツを紹介します!
30回は噛んで食べる
食事は1口30回以上噛んで食べましょう。
30回以上噛むことで、ヒスタミンという神経伝達物質が増加し、満腹中枢を刺激します。
現代人の噛む回数は平均10から20回といわれています。
1.5から2.0倍の回数を噛むことで、普段より1割少ない食事でも満足できるようになります。
1口30回以上噛んで食べることを意識していきましょう。
食べながらでも痩せられる方法とは!?
食欲コントロールは摂取量を抑えることができるため、痩せることが可能です。
どうせ痩せるならより効果的に痩せたくはありませんか?
普段の生活を少し変えるだけで、さらなるダイエット効果が期待できます。
最後に、食べながらでも痩せられる方法を紹介していきます。
階段を使う
エレベーターでなく、階段を意識的に利用しましょう。
階段昇降を意識的に行うことで消費カロリーが増加し、痩せることができます。
階段昇降の直接的な消費カロリーはごくわずかですが、筋力量が増加することで代謝が上がり、痩せやすい体になります。
筋肉500gの増加で基礎代謝量は50kcal増加するといわれています。
1日であれば僅かですが、1年であると18,250kcal、約2.5kgの減量につながります。
階段を意識的に利用するだけで、効果的な体重減少につながります。
明日から早速実践してみてください。
食物繊維から摂取する
食事は野菜や果物などの食物繊維から食べ始めましょう。
食物繊維からの摂取は血糖値の急上昇を抑え、糖質が脂肪になりにくくなります。
また、食物繊維の摂取は腸内でGLP-1の分泌を促し、代謝を向上させる効果があります。
食物繊維は腸内細菌に分解され、短鎖脂肪酸の産生を促します。
短鎖脂肪酸はGLP-1という血糖値を上げるホルモン(グルカゴン)の分泌を低下させ、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の分泌を増加させる作用があるため、糖質の細胞内取り込みを促し、代謝を促進させます。
食物繊維から食べ始め、脂肪がつきにくく、消費されやすい体をつくりましょう。
週1回チートデイをつくる
痩せるためには週1回のチートデイをつくりましょう。
チートデイとはダイエット中に設ける好きなものを自由に食べる日を意味します。
好きなものを定期的に摂取することができるため、ストレス軽減となり、ダイエットを無理なく続けることができます。
また、週1回のチートデイをつくることで代謝が上がり、痩せやすくなります。
食事制限を行うダイエットでは摂取カロリーが不足し、筋肉が分解されることで体全体の代謝が低下します。
代謝が低下した状態では、脂肪の燃焼が低下し、痩せにくい体となってしまいます。
週1回のチートデイを有効に活用して、痩せやすい体をつくりましょう。
まとめ
今回の記事では食欲がコントロールできない原因、食欲をコントロールする方法について紹介しました。
起こった食欲をコントロールするのは非常に困難であるため、食欲が増えない生活習慣を身につけることがポイントです。
記事を参考にして頂き、食欲の増加に悩まない快適な生活を送って頂けたらと思います。
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