初心者必見!栄養指導で大切なことを管理栄養士が徹底解説します

初心者必見!栄養指導で大切なことを管理栄養士が徹底解説します

栄養指導で大切なことは、相手のやる気を引き出すことです。

せっかく栄養指導をしても、相手に改善したいという気持ちがないと、こちらの話を聞いてさえ貰えないからです。

でも、初めからやる気がある人はあまりいません。

それに加えて、いろいろなタイプの方がいるので悩まれると思います。

栄養指導者は、どんな相手だとしても、やる気を引き出すアプローチは欠かせません。

この記事では、やる気を引き出す方法や、今すぐ誰でも取り組めることなどをわかりやすくお伝えします。

ぜひ、やれるところから実行してみて下さい。

目次

栄養指導で大切なことは相手のやる気を引き出すこと

栄養指導で大切なことは相手のやる気を引き出すこと

栄養指導で大切なことは、行動変容を起こさせること、つまりやる気を引き出すことです。

栄養指導に自ら進んでくる人は、残念ながら少ないです。

病気になったり、健康診断で言われて仕方なくやってきます。

例えば、水を売りに営業の方があなたのところにやって来るとします。

あなたには買う気がないのに一生懸命説明されても、なかなか水を購入するのは難しいですよね。

これと同じで興味がない相手にいきなり栄養指導をするのはとても難しいです。

まずは健康や栄養指導に興味をもってもらい、やる気を出すことがとても重要なのです。

栄養指導で相手のやる気を引き出す3ステップ

栄養指導で相手のやる気を引き出す3ステップ

やる気を出すのが大事と言っても実際やる気を引き出すのは難しいですよね。

一言でやる気にさせる魔法の言葉はありませんが、栄養指導する上でのコツはあります。

ここでは、管理栄養士として日々指導している私が意識している3つのステップをお伝えします。

この3ステップを意識してすることで、栄養指導の流れをスムーズに作ることができ、安心して取り組めるようになります。

否定ではなく肯定で聞く

否定ではなく肯定で傾聴していきましょう。

なぜ、否定がだめなのでしょうか?

 

以前、中性脂肪が高い方が栄養相談にきました。

その方は、「夜遅くカップラーメンを食べてしまうんです」と言います。

そう聞くと

「あー、それはダメですね。中性脂肪を増やせと言っているようなものです。今日からやめましょう!」

と言いたくなりますよね。

 

でも、少し待ってください。

確かにそうかもしれませんが、その方は良くないと思いつつも、そうしてしまう原因があるのかもしれません。

詳しく聞いてみると

「残業で疲労困憊な上に、帰り道にお店がないから、家にあるもので簡単に食べている」

とのことでした。

そうなると指導が変わりますよね。

「夕方に簡単にとれる間食はどうですか?」

「冷凍食品でこういう良い商品があるんですよ」

とおすすめしてみました。

すると自分に寄り添ってくれる人だと思ったのか、その後もいろいろな話をしてくれ、問題点を早期に見つけることができました。

相談にくる人は怒られるのかなと思いながらも時間をとってきてくれています。

そんな時に事情も考えず、自分の行動をあからさまに否定されたら「この人の話なんて聞くもんか」と思ってしまいます。

「この人は大丈夫そうだな。信頼できるな。」と思わせることが栄養指導の第一歩です。

情報を引き出し一緒に問題点を探る

安心感を与えたら、次は必要な情報を引き出します。

カルテから自分であらかじめ聞きたいことは整理しておきましょう。

気になる行動があったら、なぜそうしようと思ったのか、それでどうなったのかなど深堀りをしていくことが大切です。

当たり前ですが、傾聴し肯定するだけでは栄養指導にはなりません。

実際、栄養指導がなんで必要なのかわかっていない人がいます。

それなのに、栄養指導をしても上手く伝わりません。

まずは、この栄養指導を何のためにやるのか知ってもらうことが大事です。

もちろん、健康になるというのが一番ですが、それだけでは心に響きません。

わかってもらうためには、相手がどんな性格か、どんな生活をしてきたか確認することが大切です。

 

例えばゴルフが好きな人だったら、

このまま何もせず、血糖値が高いままにしていると、足が痺れてしまったり、麻痺することがあります。

そうなると、大好きなゴルフも今のようにできなくなってしまうかもしれません。

でも、今から食事を意識することで、防ぐことは十分できます。

実際〇〇さんよりもっと悪い方でも、食事療法をして今でも元気に生活されている方はたくさんいますよ。

糖尿病食の基本は「バランスの良い食事」ですから、特別な食事ではなく、健康な人にもおすすめの食事なんです。

と伝えてみてはどうでしょうか?

一緒に問題点を探り、それを続けるとどうなるのか、今始めれば今後どうなるのかなど、前向きに伝えるよう心がけましょう。

行動の問題点を一緒に探り、素敵な未来を実現するために、背中を押してあげるような存在になりましょう。

すぐに実行できる目標を決める

すぐに実行に移せる具体的な目標を決めましょう。

例えば、登山経験者が「素晴らしい景色なのでエベレストに登りましょう」と言ってもいきなり登りませんよね。

ものごとには、順序があります。

まずは、今日から実行できる、簡単な提案をしていきます。

「今より1品だけ野菜を増やしましょう」

「毎日5分だけ散歩をしましょう。次の週は10分に増やしましょう。」

など、誰でも取り組める簡単な事からでも良いのです。

まずは実行し、成功体験を得ることを優先させましょう。

すぐにできる相手から信頼されるための3つの行動

すぐにできる相手から信頼されるための3つの行動

そうは言っても、相手を前にするとなかなか難しいですよね。

自分より年上であると、緊張もするでしょう。

ここでは、初心者でも取り組める簡単な行動を3つお伝えします。

私自身もここからスタートしました。

実は第一印象はとても大事です。

最初の印象が良いと、この人なら話しやすそうだな、話を聞いてみようかなと思われやすくなります。

印象を良くすることは、明日からでもできます。

何をしたら良いかわからないという人は、まずここから始めましょう。

成功するポイントは、栄養指導の時だけではなく、普段から意識することです。

いつもしかめっ面では表情筋に表れて笑顔がぎこちなくなります。

陰口ばかり言っていたら、優しい顔にはなれませんよね。

普段から、笑顔で「ありがとう」が自然に出るようにしましょう。

笑顔で挨拶、声のトーンは高めにゆっくりと

まずは、明るく、はっきり、ゆっくりと

「こんにちは!管理栄養士の◯◯です!今日は宜しくお願いします。」

と優しい笑顔で挨拶をしてください。

声は少し高めにすることで印象が良くなります。

初めて名前を聞くと、聞き取りづらいので、特にゆっくりはっきり伝えましょう。

相手のこともあなたではなく、〇〇さんと相手の名前で話をすると、距離が縮まりやすくなります。

安心感を与える環境づくりをする

あなたは、暗く掃除が行き届いていない部屋と明るく清潔な部屋とではどちらの方が安心して栄養指導を受けられますか?

もちろん後者ですよね。

こういった環境づくりは些細なことですが心理的影響を与えます。

栄養指導に来る人は緊張していることが多いので、そういった環境づくりも大切です。

さらに無機質な部屋より緑やお花があるだけでも緊張がほどけていきます。

そして、指導する私たちの身だしなみも大切です。

清潔感や最低限の身だしなみは整えましょう。

 

大切なことがもう1つあります。

指導者が太りすぎていたり、顔色が悪く暗かったりしたらどうですか?

「自分も管理できない人に指導されたくない!」と思いますよね。

当たり前ですが、自分の健康にも日頃から留意していきましょう。

栄養指導前に、最初の流れは決めておく

始める前に今ある情報を整理しておきます。

例えば、栄養計算など下準備ができるものはしておきます。

疑問に思うことや、深く聞きたいことには、コメントを入れておきます。

こうすることで、あなたの緊張も和らぎ、余裕が出て良い指導に繋がります。

各病院で「食事内容など聞かなければいけないこと」があると思いますので、その内容は落とさないように気をつけます。

最初の質問はYES又はNOで答えるものではなく、

「食事で意識していることはありますか?」

など、本人主導で話せる内容からはじめるのがおすすめです。

そうすることで積極的にお話してくれることが多いからです。

くれぐれも、検査値を見ていきなり、理想の食事を押し付ける指導をしないで下さいね。

【タイプ別】すぐに実行できる具体的会話例

【タイプ別】すぐに実行できる具体的会話例

ここからは、実際にどのような会話をしていけば良いかお伝えします。

3タイプしかのせていませんが、読み終わると何となくイメージがわかると思います。

もちろん、性格や食生活、仕事により提案は変わります。

会話の正解はたくさんありますので、ぜひご自身でも考えてみてください。

食事制限をしたくないタイプ

NG会話例

Aさん 「食事制限なんて嫌だ!我慢するぐらいなら、好きなものを食べて短命でいいんだよ!」

栄養士 「そんなことを言わず、一緒に頑張ってみましょう」

 

このように伝えてしまうと、やっぱり食事療法は大変なんだと意固地になりかねません。

次はおすすめ会話例です。

 

おすすめ会話例

Aさん 「食事制限なんて嫌だ!我慢するぐらいなら、好きなものを食べて短命でいいんだよ!」

栄養士 「食べることが好きなんですね!食べることが嫌いな人でなくて良かったです。どんなものが好きなんですか?」

Aさん 「餃子とビール!」

栄養士 「餃子は結構バランスが良いのでいいですよ。でも焼いたり揚げたりすると油が多いので、茹でて水餃子にしてみてはどうですか?だしがでるので、そこに野菜を入れても美味しいんですよ。」「ビールは美味しいですよね。でも、脱水になりやすくて脳梗塞の危険もあるんです。ビールは飲んだら、水を飲むようにすると飲みすぎや食べ過ぎも自然に防げますよ。」

 

など、必ず同調するポイントを探して伝え、その上でやる気を引き出す内容を伝えていきます。

ポイントは妥協案であったとしても、できそうなことを提案し、話を終わらせないことです。

話すのが苦手な消極的なタイプ

NG会話例

栄養士 今日は何を食べてきましたか?

Bさん ごはん、納豆とか・・。

栄養士 他には何か食べましたか?

Bさん お味噌汁・・・。

 

会話がすぐに終わってしまうタイプです。

でも実は話すことが嫌いなわけではなく、どうして話して良いか迷っていたり、

自分の話はつまらないから話すのは嫌と思っている人が多いです。

相手が話し始めたら、こまめにうなずき、あなたに興味がありますという優しい眼差しを向けるようにしてください。

 

おすすめ会話例

栄養士 今日は何を食べてきましたか?

Bさん ごはん、納豆とか・・。

栄養士 ごはんに納豆!良いですね。他にも食べたりしています?

Bさん インスタントのお味噌汁です

栄養士 インスタントのお味噌汁は便利ですよね。私も使いますよ。どんな具が好きですか?

Bさん わかめとか、ネギとなすが好きですね。

 

話が続かないからと、矢継ぎ早に質問をしてしまうと、尋問のようになりかねません。

相手の話をもとに、そこから広げて自然に引き出すようにしましょう。

時には雑談を加えて、話しやすい雰囲気を作っていきましょう。

ネット情報を信じ飛びつくタイプ

NG会話例

Cさん 「この前、モデルの〇〇さんが朝にスムージーだけ飲んで痩せていたんです。だから私も今、頑張っているんです!」

栄養士 「スムージーでは栄養が足りないんですよ。ちゃんと食事をしましょうね。」

 

ダイエットを頑張っているのに、頭ごなしに否定されたら嫌な感じがしますよね。

このタイプの方は、情報に惑わされているだけで、納得すれば新しい情報を前向きに受け入れてくれることも多いです。

体調や継続できるかなど、体感からご自身が気づくように導きましょう。

 

おすすめ会話例

Cさん 「この前、モデルの〇〇さんが朝にスムージーだけ飲んで痩せていたんです。だから私も今、頑張っているんです!」

栄養士 「ダイエット頑張ってるんですね。それで体調とかどうですか?」

Cさん 「少し痩せたんですけど、なんか午前中、仕事に集中できなくて・・」

栄養士 「そうなんですね。それはつらいですね。ご飯やパンを食べないと脳がエネルギー不足でぼーっとしてしまうんですよ。糖質摂るのに抵抗がありますか?ちゃんと頭が働くように、太らない量のご飯量を一緒に考えていきましょう。」

 

すぐにメカニズムを説明するのではなく、労う、褒める会話をワンクッション挟むのがポイントです。

その上で、きちんと専門家として言うべきことを伝えましょう。

栄養指導が上手くなるためのスキルアップ方法

栄養指導が上手くなるためのスキルアップ方法

栄養指導が上手くなるためには「スキルアップ」が欠かせません。

特に重要なのが、

「栄養やからだの知識」「栄養指導の経験」「コミュニケーション能力」です。

特に、栄養やからだの知識は必要不可欠です。

短時間でも良いですから、こまめに勉強をすることで確実にレベルアップしていきます。 

栄養に関連する本を読む

当たり前ですが、栄養やからだの知識がなければ適切な栄養指導はできません。

上っ面の情報では、心を動かす説明をすることが難しいからです。

ここでは、栄養やからだに必要な知識を得られる本を2冊ご紹介します。

 

また、健康や栄養に関する研究は日々されており、知識のアップデートも必要です。

各種学会や栄養士会が主催するオンラインセミナーなどもありますから、積極的に受講していきましょう。

 

1.「決定版 栄養学の基本がまるごとわかる辞典」

決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典

足立 香代子先生は、糖尿病食事療法第一人者の管理栄養士です。

内容的には管理栄養士にとっては少し簡単かもしれませんが、患者は栄養初心者です。

わかりやすく伝えるヒントがありますのでおすすめです。

価格:1,386円 (Kindle版)

URL:決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典

 

2.「解剖生理をおもしろく学ぶ」

解剖生理をおもしろく学ぶ

看護学生向けに書いている本ですが、からだと栄養素の関係をとてもわかりやすく説明しています。

私のバイブル的な本です。

解剖学や生化学は私自身も苦手でしたが、この本によりとても興味がわき、大切だということがわかりました。

この分野を理解することで、指導の仕方に幅が広がります。

基礎からしっかり学びたい人にも、知識を深めたい人にも読んでもらいたい本です。

価格:3,520円

URL:解剖生理をおもしろく学ぶ

身近な人への栄養相談をする

栄養指導の経験は、もちろん仕事の中で重ねていくことができます。

ただ現場をしているとそのチャンスは少なめかと思います。

久しぶりの栄養指導とならないために、経験を積んでおきましょう。

この経験が自信となり、安心感へと繋がります。

 

1.友達にダイエット指導をしてみる

まずは、痩せたいと話す友達に「ダイエット指導」をしてみましょう。

今はSNSの時代、様々なダイエット法を試している人がいます。

栄養学を学んだあなたならわかると思いますが、偏ったダイエット方法はからだの調子を崩しますよね。

それでも専門家の知識よりネット情報を信じる方が少なくありません。

大切な友達を間違ったダイエットから救ってあげましょう。

これができたら今後たくさんの人に自信を持って栄養指導できると思います。

 

2.両親や祖父母に栄養指導をする

次に身近な年上の方、ご両親や祖父母の栄養指導をしてみてはいかがでしょうか?

実際、病院の栄養指導ではこの世代が対象者になることが多いからです。

しかし、これは一番ハードルが高いです。

気心が知れていますし、年を重ねると頑固になるので言うことを聞かないことが多いのです。

かく言う私も完璧な指導ができていないのが現状です。

でも、長生きして欲しい、学校で学んだことをいかしたい旨を伝え真摯に取り組めば、必ず行動変容してくれますので、根気よく頑張ってみてください。

コミュニティ能力を学ぶ

栄養指導には、スムーズなコミュニケーションが欠かせません。

コミュニケーション能力が高まれば、栄養指導もスムーズになりますし、栄養指導が楽しくなります。

友達ではない人と会話をするのは苦手という人も多いでしょう。

実際私も学生時代、初対面の人と話すのが苦手で、いわゆる人見知りでした。

また、マイクを持って話すのが苦手で、手が震えてしまっていたほどです。

それが先生として人前で話しているのですから、今、自信が無い人も諦めずに挑戦してみてください。

ここではコミュニケーション能力を高める方法を2つご紹介します。

 

1つは、セミナーに参加することです。

どんなことも理論や具体例を知ってから取り組むと、成功までの道のりは格段に近くなります。

こういったセミナーに参加する人は、会話が苦手であったり、もう少しうまくなりたいと思っている人たちが多いので、あまり構えずに参加してみてくださいね。

 

2つ目は、休日に行われる地域サークルや趣味サークルに参加してみることです。

こういったサークルには、仕事も価値観も様々な人が集まります。

いろいろな方々のお話を聞くと、勉強にもなりますし、考え方も広がります。

また、会話の良いお手本、悪いお手本も感じることができます。

あなたが心地よいと思う人の話し方、聞き方にも注目して真似をしてみてください。

きっと楽しく通っているうちに、いつのまにかあなたのコミュニケーション能力が高まっていると思います。

まとめ

理想に燃えて栄養指導をしてみたら、こんなはずではなかったと落ち込むことがあると思います。

私もそうでした。

今でも、あの時ああ言えば良かったと後悔することはよくあります。

それぐらい栄養指導は千差万別です。

人にはそれぞれ歩んできた人生があります。

食事は1日に3回もあり、ある意味人生の鏡とも言えます。

それを否定されるのは誰でも嫌なものです。

まずは、相手の気持ちに寄り添い傾聴していくことからスタートしましょう。

そうしていると、必ず、先生ありがとうと感謝される日がきます。

まずは相手のやる気を引き出すための行動をできることから始めてみましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

当臨床栄養医学協会では、生化学及び生理学に基づく栄養学に関する正しい知識の普及と、ビジネス化推進を行います。
「知識を得る」「資格取得」だけではなく、必要な経験・実績を積むことでビジネス化をサポート致します。