16時間プチ断食とは、1日24時間のうち16時間は食事をたべずに、残りの8時間で好きなものを食べて痩せるというダイエット方法です。
断食の他にもファスティングや一日一食など、呼び方は違いますが、食事回数を少なくして消費カロリーを減らす方法をとるので同じダイエット方法といえます。
「痩せる・手間がかからない・簡単」などメリットが多いのが断食やファスティングの特徴。
栄養バランスを考えずに好きな時間に好きなものを食べてきた人にとって、断食やファスティングは減量効果がみられやすいダイエット方法です。
しかし、断食やファスティングのメリットばかりに目をむけると、減量はできても健康的に痩せることができなくなります。
この記事を最後まで読むことで、断食やファスティングのデメリットを知ることができ、健康的に痩せる知識が手に入ります。
目次
プチ断食や16時間断食ダイエットは健康に悪い
断食やファスティングは、健康上カラダによくありません。
理由は3つあります。
①短期的に結果はでやすいが長期的に続けるには不健康
②一日に必要な栄養素が満たせない食事になる
③カラダがエネルギーを作り出す力が衰える
断食は短期的に減量の効果がでやすいダイエット方法です。
カンタンに説明すると、断食により摂取カロリーが少なくなるため、カラダを動かすなどの消費カロリーが上回り痩せる仕組みです。
しかし、断食の最大のデメリットは摂取カロリーを大幅におさえるためカラダに必要な栄養素が入ってこない状態が続くこと。
カラダに必要な栄養素が入ってこないと、体調不良がおきたり、筋肉量が低下したり、集中力が続かなくなったり、肌荒れがおきたり、リバウンドしやすい体質になりやすいのです。
健康的に痩せたいと考えているのであれば、デメリットが多い断食はおすすめしたくありません。
そこで、健康になれるしアンチエイジングにもなりダイエットもできる「正しい食事方法」を紹介していきます。
断食のようにカンタンな方法ではありませんが、健康とダイエットとアンチエイジングがかなう一生使える知識と食事方法ですので、ぜひ参考にしてみてください。
断食が招く3つのリスク
私たちのカラダは食べたものでエネルギーを作りだし活動しています。
食べ物から得られるエネルギーは車に例えるとガソリンです。
車はガソリンがなくなると走らなくなります。
しかし、カラダは食べ物から得られるエネルギーがなくなると、活動をセーブしてカラダにたくわえられた栄養素をエネルギーに変えて活動することになります。
断食やファスティングをすることで、摂取カロリーが減り、乱れた腸内環境が整い、一時的にやせることは可能です。
しかしこれは短期的な効果です。
断食やファスティングを続けると、一日に必要な栄養素が満たせない状態が続くので、栄養不足が慢性化してカラダがエネルギーを作り出す力が落ちていくのです。
次からは、断食やファスティングすることで起きるリスクを具体的にお伝えしていきます。
空腹時間が長いと太りやすい
空腹時間が長いと太りやすくなる理由には「インスリン」というホルモンが関係してきます。
PFCバランスをみたら分かるように、私たちがメインでとるべきエネルギーは炭水化物です。
空腹時間が長くなるとカラダはエネルギー不足になり、食べたもの(炭水化物)から素早くエネルギーを作り出そうとインスリンを大量にだします。
その結果、血糖値が急激に上がります。
血糖値が急激に上がると血糖値を下げるホルモン「インスリン」が大量にでます。
「インスリン」は血糖値を下げる働きもありますが、同時に脂肪をためる働きも持っています。
よって、空腹時間が長くなることで「インスリン」が急激にでるため太りやすくなるのです。
※ここで「インスリン」の働きだけに注目して糖質制限すればいいと短絡的に考えてはいけません。理想のPFCバランスに近づけて食べることができないとリバウンドしやすいカラダになってしまいます。
栄養不足で体調不良になる
カラダは食べ物をエネルギーにして生きています。
断食やファスティングでは長時間カラダに食べ物が入ってこないため、カラダを動かすエネルギーが不足します。
カラダはエネルギー不足になると、体調不良をおこしてエネルギーを極力つかわせないように活動をセーブしてしまうのです。
それが「やる気の低下・疲れやすさ・冷え・ひどい生理痛」を引き起こす原因になってしまいます。
もちろん栄養不足だけが体調不良の原因になるわけではありません。
睡眠不足・運動不足・ストレスなども体調不良の原因につながりますが、栄養不足が体調不良の原因につながることを知らない方もいます。
栄養不足が体調不良の原因になることを知ることで、正しい食事方法を理解して実行できることにもなるのです。
疾病リスクが高まり老化も早まる
栄養不足の状態が続くことが「疾病リスク」を高めることになり「老化」も早めてしまうことになります。
「食べる量を減らしてカロリーを抑える」「胃や腸を休ませる」考えがある断食やファスティングですが、カラダの健康を保つための栄養素が常に不足している状態におちいります。
健康を保つための栄養素が不足しても、若いときは健康リスクを感じることは少ないです。
しかし30代での食生活は40代に、40代の食生活は50代にあらわれるようになります。
それは食事が毎日の積み重ねだからです。
シワが増えたなど年齢を重ねると見た目の老化が起きるように、年を重ねると見た目に分からなくても内臓も老化していくのです。
老化を早めない・疾病リスクを高めないためにできることは、正しい食事で健康に必要な栄養素をとることです。
断食やファスティングで減量することだけを目的にしてしまうと、健康に痩せることができなくなってしまうことにも注意が必要です。
痩せ体質になる3つのポイント
断食やファスティングを習慣化すると、常にエネルギー不足と栄養素不足になり、様々なリスクがあることを話してきました。
断食やファスティングのリスクは理解できた。
では「痩せるための食事方法」を次から紹介していきます。
健康にもなりアンチエイジングにもなりながら痩せ体質になれる「正しい食生活」で、おさえるべき重要なポイントは3つです。
食事は3食以上食べる
食事を3食以上たべることが大事です。
なぜかというと、これまで紹介してきた断食やファスティングのリスクを防ぐことができるからです。
3食以上たべることで、1回の食事での食べすぎを防げますし、空腹時間が短いため血糖値の急上昇をふせぎインスリンが過剰にでることもなくなります。
また、断食やファスティングのように少ない食事回数だと一日に必要な栄養素が不足します。
しかし、3食以上たべることで一日トータルで考えて食事ができるため、栄養素バランスのよい食事ができます。
痩せるためには、食べ物がスムーズに消化・吸収・代謝・排せつされることが大事です。
そのためには、5大栄養素(糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)をバランスよく取る必要があるのです。
栄養バランスよく食べることで健康維持にもアンチエイジングにもなり、痩せ体質と健康を手に入れることができるのです。
痩せる時間・太る時間を知る
人間には食べても「太りにくい時間帯」と「太りやすい時間帯」があります。
朝の6時から夕方4時までは、脂肪合成を活発にするタンパク質「ビーマルワン」が低下しているため脂肪がたくわえずらくなります。
よって、朝の6時から夕方4時は「太りにくい時間帯」です。
逆に「ビーマルワン」が活発化してピークに達するのは夜の8時~深夜2時までの間です。
この時間にたとえ朝食と同じ食事をしたとしても4倍太りやすくなります。
夜ごはんが遅くなればなるほど太りやすくなるのが分かると思います。
よって「太りやすい時間帯」を避けるために夜ご飯は20時までに済ませるようにしましょう。
生活習慣によって20時以降に夜ごはんを食べる習慣がある方は、夜ごはんまでの間で栄養素をおぎなえる間食(サンドイッチ・具入りおにぎり・ヨーグルト・芋など)をはさみましょう。
間食をはさむことで、夜ご飯のドカ食いも防ぐこともできますし血糖値の急上昇もふせげます。
一口につき20回噛む
一口につき20回以上噛むことを心がけましょう。
なぜなら、よく噛むことにはメリットが多いからです。
・早食いにならず血糖値の急上昇を防げる
・食事の満足感が高まり食べすぎを防げる
・胃腸での消化吸収を高めるため消化がよくなる
よく噛むことにはこれだけのメリットがあります。
実践したら分かると思いますが、意識していないと20回かむことは大変です。
口に食べ物を含んだら継ぎ足さないようにして、まずは一口に10回噛むことから習慣化しましょう。
次のステップとして一口20回噛む習慣をつけるとよいでしょう。
減量できて健康になる食事方法
減量でき健康になる食事方法とはズバリ栄養バランスよく食事することです。
耳にタコだと感じていますよね!
ただ栄養バランスよく食べる食事方法が減量でき健康にもなるゆいいつの食事方法です。
断食やファスティングはメリットばかりが目立ちます。
しかし、長期的にみるとリバウンドしやすいカラダになったり、疾病リスクが高まる可能性があります。
栄養バランスよく食事するとは「日本人の食事摂取基準」にもとづいた食事です。
日本の各分野のトップレベルにある専門家(教授・医師)が集まって、国内外の1000以上の論文を参照し作り上げた健康になる基準です。
新しいダイエット方法をトライしては挫折してきた方は、ぜひ今日から栄養バランスのよい食事を意識してみてください。
栄養バランスのよい食事をするだけで、痩せ体質にもなるし健康にもなるしアンチエイジングにもなります。
では、栄養バランスのよい食事をするために、日常の食事で具体的に意識して欲しい方法を5つ紹介していきます。
朝食は必ず食べる
減量しながら健康になりたいなら、朝食は必ず食べてください。
朝食を取るメリットは大きいです。
・副交感神経から交感神経にカラダが切り替わり活発に動ける
・体内時計をリセットする働きがあるため夜の寝付きをよくする
・昼食での血糖値の急上昇を抑えることができる
・体温があがり血流もよくなりカロリーも消費しやすい
また、朝食は起床から2時間以内にとることが望ましいです。
さらに食事は「定食」を意識して取るのが理想。
定食のようなご飯をイメージして、前日の夜のうちからメニューを決めておくと面倒になりません。
炭水化物を抜かない
炭水化物はぬかないようにしましょう!
なぜなら炭水化物は重要な栄養素だからです。
炭水化物の種類には「糖質」と「食物繊維」がありますが、このうち「糖質」がエネルギーとして使われます。
今は糖質制限のブームもあってか糖質は悪者あつかいされています。
しかし、カラダにとってのメインエネルギーは糖質なのです。
糖質をぬいてしまうと糖質を処理する能力が落ちてしまいリバウンドしやすくなります。
一日の総摂取カロリーのうち半分は糖質をとる必要があるので抜かないように注意が必要です。
なお、一食の炭水化物の摂取量は「自分の身長」が目安となります。
身長160cmの人なら「160g」となります。
ただし人によって糖質を処理する力は違います。
お米や麺からだけ炭水化物を取るのではなく、炭水化物が多く含まれる「野菜」「果物」を含めて食べるようにするとバランスがよい食事になります。
5つのタンパク質を意識して食べる
栄養バランスのよい食事にするため、5つのタンパク質を意識して食べるようにしましょう。
5つのタンパク質とは「肉・魚・卵・豆腐・乳製品」です。
1日3食は同じタンパク質にならないように…というのが理想ですが、1週間単位で5つのタンパク質をとれていればOKです。
5つのタンパク質を食べるために重要なことは、献立を固定化することです。
朝は「納豆定食」か「サンドイッチプレート」などと決めてしまいます。
さらに月曜日の夜のメイン食材は鶏肉・火曜日は卵と豆腐・水曜日はお魚・木曜日は豚肉・金曜日はお魚などとある程度メイン食材を決めてしまいましょう。
夜だけでもメインの献立の食材を決めておくと、1週間でムリなく5つのタンパク質をとることができます。
揚げ物は昼食に食べる
揚げ物は脂質過剰になるので、1日に1食、週に1~2回に抑えます。
また、太りにくい時間帯(6:00~16:00)に食べるのがベストです。
PFCバランスでは、脂質は25%までにおさえるようになっています。
脂質は意識しないとすぐに取りすぎになってしまいます。
現代人の多くは糖質過剰ではありません。
脂質過剰になって栄養バランスがくずれているのです。
カロリーズスリムを利用して栄養バランスをチェックしてみましょう。
揚げ物は脂肪にかわりにくい時間帯の「ランチ限定」と決めておくと脂質の取りすぎを防げますよ。
栄養バランス1:2:3の法則を知る
栄養バランスよく食べることができる黄金のバランス法則があります。
それがタンパク質1:野菜2:炭水化物3の法則です。
タンパク質は100gまでが目安です。
タンパク質の2倍の野菜(野菜・きのこ・海藻)とタンパク質の3倍の炭水化物(米・パン・麺・芋類・果物)を取ります。
24cm以上ある大き目のお皿の下半分は炭水化物・上半分をタンパク質と野菜の配分にすると、かんたんに黄金バランスができあがります。
人によって食べ物をエネルギーにかえる力はまったく違います。
1:2:3の法則にそって食事をしても、食後にお腹がはる感じがしたら、全体の食事量を少しづつ減らして自分にあった食事量をみつけましょう!
寝る前の3時間前までに食事を済ませる
夜8時以降の食事は脂肪に変わりやすいです。
よって、夜ご飯は8時までに食べることが理想です。
しかし、人によって生活スタイルは様々です。
夜勤のシフトがあったり、仕事が終わるのが8時になったりと、不規則になってしまうこともあるでしょう。
そのような場合でも、寝る3時間前までには食事を済ませることを意識してみてください。
夜ごはんが夜8時をすぎる予定なら、途中で軽食(サンドイッチ・芋類・サラダ・おにぎり等)をはさむと夜ご飯の食べすぎを防げるのでおススメです。
1日トータルで栄養バランスを整える
これまで栄養バランスよく食べる食事方法を紹介してきました。
1食ごとに栄養バランスを意識して食べることができない場合は、一日トータルで栄養バランスよく食事が取れたらOKとします。
栄養バランスよく食べるには定食を意識しましょう。
・主食(お米・パン・麺・芋類)
・主菜(卵・豆腐・肉・魚介)
・副菜(野菜・きのこ・海藻・果物)
・乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルト)
それぞれから1種類以上たべることができていたらOKとします。
また1日トータルでも難しい場合は、1週間単位で栄養バランスを整えます。
月曜日がお肉なら火曜日はお魚を食べる。
平日、野菜が不足していると感じたら週末は野菜たっぷりの味噌汁を食べるなどです。
食材をパズルのピースと考えてパズルを1週間単位で組み立てるようなイメージで食事しましょう!
まとめ
断食やファスティングはメリットばかりあるように感じていたと思います。
しかし実際は断食やファスティングは減量をすることはできるが、ずっと食事を減らした生活を続けないと痩せなくなりますし、食事を減らすということは栄養不足になるので健康を保つことは難しくなります。
栄養バランスのよい食事こそが健康もアンチエイジングもダイエットも叶えてくれる唯一の食事方法です。
日本人の食事摂取基準にもとづいた根拠あるダイエット方法でもあります。
今回、紹介した方法を一つ一つ意識して生活すると、3ヶ月から半年を目安に減量もかないます。
毎年、手を変え品を変え新しいダイエット方法がうまれますが、今回の記事を参考にして栄養バランスのよい食事で健康的に減量でできる体を手に入れてみてくださいね。
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