管理栄養士の資格を取得した後、実際に現場で働くことに不安を感じていませんか?
また、勉強や実習に励みながらも、「本当に自分にこの仕事が向いているのか」と不安を感じたことはありませんか?
多くの学生が「どのように現場で役立つスキルを身につければいいのか」、「実際に現場では何が求められるのか」と悩んでいます。
たしかに、管理栄養士になるためにはどのような知識やスキルが求められているのかを学ぶことも大事ですが、それ以前に「管理栄養士として大切なこと」をしっかりと理解しておく必要があります。
そこさえしっかり理解できれば、大切なことを達成(or習得)するためにどんなスキルが必要なのか、どんなことをしていけばよいのかという方向性が見つかり、不安が解消されていく可能性があります。
この記事では、管理栄養士として大切なことを5つのテーマに分けて解説しています。
また、管理栄養士になるために必要なスキルや確認すべき事項についても具体的に説明します。
「管理栄養士として大切なこと」について深く理解することができれば、あなたの目標に大きく近づくことができます。
そして、読み終わるころには、きっとあなたの不安は解消され、管理栄養士になるための勉強や現場実習に意欲的に取り組めるようになるでしょう。
管理栄養士になる上で大切な3つのこと
実際の現場で働くために必要な大切なポイントを押さえておくことが重要です。
ここでは、管理栄養士になる上で大切な3つのことについてお話しします。
相手の気持ちに寄り添うこと
管理栄養士は、多くの人々と関わりながら、健康を栄養面からサポートする仕事です。
管理栄養士として大切なことは、相手の気持ちに寄り添うことです。
栄養の知識も大事ですが、それだけでは管理栄養士として務まりません。
管理栄養士の対象者は人であり、相手に共感し、気持ちに寄り添うことで、信頼関係を築くことができます。
たとえ栄養の知識が豊富であっても、自分本位であったり、自分の思っていることを押し付けたりすると、患者さんは納得してくれません。
患者さんや利用者さんが心を開いて相談してくれるようになれば、より効果的な栄養指導が可能になります。
さらに、患者さんやご家族の気持ちや状況を理解し、相手の立場に立って考えることで、個々のニーズに合わせたアプローチができるようになります。
辛抱強く取り組めること
管理栄養士として業務を行っていく中で、辛抱強く取り組めることがすごく重要になってきます。
なぜなら、管理栄養士の仕事は、一朝一夕で結果が出るものばかりではないからです。
最初は慣れない環境で経験もなく、ミスをしたり、やることに時間がかかったり、上手くいかないことがあります。
このように、誰しも最初から完璧な人はいません。
みなさん経験あると思いますが、風邪をひいたときに、栄養があるものやこれをを食べたら一瞬で体調が良くなるということはないですよね。
回復や改善に向かうために栄養は必須のものですが、毎日の積み重ねでやっと効果が出てくるものなんです。
中々効果が出ずに患者さんに「言われていることをしているのに、治らない・改善しない」と言われてしまう可能性も今後あるかと思います。
そう言われた時に「もうやらない」と途中であきらめてしまうのでなく、患者さんのためにどうすれば良くなるのかを考えて、繰り返し勉強して、辛抱強く取り組めることが大事です。
また、挫折しそうな患者さんを励ましながら、患者さんやご家族と一緒に現実的な目標を設定し、一緒に目標に向かって進むことが大切です。
小さな成功体験を積み重ねていきながら定期的に進捗を確認し、必要に応じてアプローチを調整することで、持続的なサポートを提供していくことも大切です。
自己成長に取り組む姿勢
管理栄養士として成長し続けるためには、自己成長に取り組む姿勢が不可欠です。
患者さんに最善の栄養指導を行うためには、常に最新の知識や技術を学び、自分自身をアップデートすることが求められます。
栄養学や健康に関する情報は日々進化しており、新しい研究成果や情報が次々と発表されています。
自己成長に努めることで、より質の高い栄養指導が可能になります。
また、自己成長を続けることで、自信を持ってアドバイスを提供できるようになります。
管理栄養士に必要な3つのスキル
管理栄養士として成功するためには、専門知識だけでなく、実際の現場で役立つスキルを身に付けることが重要です。
ここでは、管理栄養士として技術面で必要な3つのスキルについて紹介します。
コミュニケーションスキル
病院や福祉施設では医療従事者や多職種との連携が重要になります。
管理栄養士は患者さんや利用者さん、そのご家族だけでなく、多くの人々と関わる職業です。
1人1人に多様なバックグラウンドを持つ人々とのコミュニケーションが求められます。
効果的な栄養指導を行うためには、相手のニーズや悩みを正確に理解し、それに応じたアドバイスを提供する必要があります。
信頼関係を築くためにも、相手の立場に立って話を聞き、分かりやすく伝える力が求められます。
【具体例】
・患者さんとの対話
体の状態や食生活の改善を促すために、現状を丁寧に聞き取り、具体的なアドバイスを提供する。
・チーム医療の一員として
他の医療スタッフと協力し連携を取りながら、患者さんに最適な栄養管理を行う。
問題解決能力
管理栄養士として働く中で、様々な問題や課題に直面することが多々あります。
患者さんの状態やニーズに合わせて、効果的な栄養プランを作成し、問題を解決する能力が求められます。
問題解決能力には、栄養管理の計画を立て、それを実行し、必要に応じて修正することを繰り返し行うこと、つまり、PDCAサイクルを回すことが不可欠です。
現場での経験を積み重ねることで、状況に応じた最適な解決策を見つけ出す力が養われます。
【具体例】
・食事療法の調整
患者さんが食事療法を続けやすいように、日常生活に合った具体的な提案を行う。
・原因の追究と対策
様々な状態や症状から原因を特定し、適切な対策を講じる。
柔軟性や臨機応変に対応する力
管理栄養士は柔軟で臨機応変に対応する力が必要です。
管理栄養士の仕事は、計画通りに進まないことも多々あります。
患者さんごとにニーズや背景が異なるため、個別対応が必要になります。
柔軟性は、突発的に起こることも踏まえて様々な状況の中で、計画を修正し対応していきながら最善の方法を考え、解決に向けて取り組む姿勢が大切です。
臨機応変に対応する力は、多職種との連携の中で、意見やもらったアドバイスを素直に受け入れながら、現場での信頼性を高めるためにも重要です。
【具体例】
・患者さんの急な状態変化への対応:
状況に応じて栄養管理の計画を迅速に変更し、最適な対応を行う。
・多様なニーズへの対応
さまざまな背景を持つ患者さんに合わせた個別のアプローチを考える。
管理栄養士に向いている人の特徴
ここでは、管理栄養士に向いている人の特徴についてお伝えします。
管理栄養士は、人々の健康を食事や栄養の面から支える重要な役割を担っており、その適性は、知識や技術だけではありません。
以下に挙げる特性を完璧に備えている必要はありませんが、これらの特性があると、管理栄養士としてのキャリアで、やりがいを感じやすくなるかと思います。
食べることが好き
食に対する情熱は、他人の食生活を改善するための大きな原動力になります。
管理栄養士の仕事は、食事に関する知識を活用し、栄養バランスの取れた食生活を提案することです。
食べることが好きな人は、食材や料理に対する知識が豊富で、これらを活かしてより魅力的で効果的な食事プランを作成することができます。
メニューや献立を考えたり、調理をしたりすることが好き
メニューや献立を考えたり、実際に調理をしたりすることが好きな人も、管理栄養士に向いています。
創造的な料理作りや計画立案が得意な人は、栄養バランスの取れた食事を提案する能力に長けています。
管理栄養士の業務には、食事の計画と準備が含まれるため、美味しくて健康的なメニューを作成することができる人は、患者さんに対して食事をプラスに捉えてもらうことができ、説得力のある提案ができるのです。
さらに、食事がストレスにならないよう、食事の楽しみを損なわない工夫を提案することもできます。
栄養について調べたり、勉強したりすることが好き
栄養について調べたり、勉強したりすることが好きな人も、管理栄養士に向いています。
常に最新の栄養情報を学び、それを実践に応用することが重要です。
管理栄養士は、科学的根拠に基づいた栄養指導を行う必要があります。
栄養に関する新しい研究やトレンドに興味があり、絶えず知識をアップデートすることが求められます。
働くまでに確認しておくべきこと
ここでは、管理栄養士として活躍するために、働くまでに確認しておくべき大切なポイントについてお話しします。
ここでは、その重要な4つのポイントを具体的に説明します。
これらのポイントを押さえることで、実践に自信を持って、スムーズに現場での仕事に取り組むことができ、即戦力になれるでしょう。
栄養指導の流れ
栄養指導は管理栄養士の主要な業務の1つであり、患者さんの食生活を改善し、健康をサポートするための重要なプロセスです。
効果的な栄養指導を行うためには、初回の面談からフォローアップまでの一連の流れをしっかりと理解しておく必要があります。
面談時には、患者や利用者の食生活や健康状態を詳しく聞き出して把握し、個々の状態に合った指導を行います。
実践的なトレーニングを受けたり、受けた内容を実践したり、先輩の指導方法を観察したりすることで、ヒアリングで聞きたいことが整理でき、流れを把握することに繋がります。
効果的な栄養指導を行うには、流れを確認する段階でのトレーニングや、参考となる指導方法を取り入れる機会は多ければ多いほど良いでしょう。
教科書や実習内容の復習
学校で学んだことや実習で経験したことは、現場での業務の基礎となります。
教科書や実習ノートを再度読み返し、忘れていることがないか確認しましょう。
特に、解剖学や生理学、病態栄養学などの基本的な知識は、日常の業務で頻繁に使います。
また、実習で学んだことを思い出し、具体的なケーススタディを通じて応用力を高めることも重要です。
様々な年代の人たちと関わっておくこと
管理栄養士は、子どもから高齢者まで、幅広い年代の人々と関わる職業です。
それぞれの年代には特有の栄養ニーズやコミュニケーション方法があります。
在学中での活動やサークル、ボランティア活動、アルバイトを通じて、様々な年代の人々と接する機会を持ちましょう。
異なる背景や生活習慣を持つ人々との交流を通じて、柔軟な対応力を養うことができます。
栄養関連の法律の変更点や改定部分を把握しておくこと
栄養関連の法律は、健康増進や食品安全のために定期的に見直され、変更されます。
今まで正しいと思われていた知識や情報が改定されると、栄養指導や様々な業務に影響が出るため、常に最新の知識や情報を掴んでおくことが大切になります。
例えば、食事摂取基準は5年ごとに改定され、摂取量等の基準値は栄養指導で確認が必須の部分になります。
また、栄養表示基準や食育基本法など、管理栄養士が日々の業務で関わる法律は多岐にわたります。
最新の法律を理解し、適切に対応するためには、定期的に情報をチェックし、改定部分を把握しておくことが重要です。
具体的には、厚生労働省や日本栄養士会のウェブサイトを活用することをおすすめします。
まとめ
ここまで管理栄養士としてのキャリアをより充実させるために大切なことについて見てきました。
管理栄養士として成功するためには専門知識だけでなく、幅広いスキル、自己管理能力といった心理的なコントロールなど、様々なスキルをバランスよく身につけることが必要です。
また、プロフェッショナルとして成長していくためには、継続的な学習や自己成長を続ける姿勢が大切です。
その取り組みや、これまで培ってきた経験が、管理栄養士としての自信へと変わり、より意欲的に仕事に取り組めるようになります。
そして、多くの人々の健康と幸福に貢献することができ、生活を豊かにすることに繋がります。
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