管理栄養士の収入は他の職種と比べても平均年収が低いという現状があります。
女子高校生のなりたい職業TOP10にも入る職業で、なおかつ国家資格なのに全国的に収入が低い傾向にあるのはショックですよね…。
その背景としては管理栄養士の求められる就職先が利益を生みにくいという問題があります。
近年の物価高騰や、上がり続ける消費税など日々の生活は現時点でかつかつで他に回せる余裕なんてないですよね…
でも趣味だって旅行だって思う存分楽しみたい!
この記事では管理栄養士の収入を地域別や年代別などさまざまな角度から確認していきたいと思います。
最後に少しでも収入がアップする方法をお伝えしていきますね!
これから示していく管理栄養士の年収は国が算出しているデータを用いています。
そこでは「栄養士」と「管理栄養士」を合わせたデータしかないため、「管理栄養士」のみのデータではないということを理解して参照お願いします。
実際に出ている収入よりも少し多めに想定してください。
目次
管理栄養士の平均収入は約370万円〜約400万円!
管理栄養士の正社員としての平均収入は約370〜約400万円という結果になっています。
プラス管理栄養士の資格がつく状況ですね。
年度 | 平均年収 |
令和4年度 | 約379万円 |
令和5年度 | 約390万円 |
また「令和4年国税庁の民間給与実態統計調査」によると、全職種全年代での平均年収は約458万円なので管理栄養士の平均年収が低いことが分かります。
さらに年収には各種社会保険や所得税などが引かれていないので、手取りはもっと少なくなると考えられます。
管理栄養士の年収【地域別】
管理栄養士の年収は地域によってもかなり異なります。
厚生労働省の【令和3年賃金構造基本統計調査】をもとに、北海道・東北地方、信越・北陸地方、関東地方、東海地方、関西地方、中国・四国地方、九州・沖縄地方の7エリアにわけてご紹介していきます。
あなたの住んでいる地域の管理栄養士の平均年収を確認してみましょう!
各地方 | 都道府県 | 年収 |
北海道・東北地方 | 北海道 | 約348万円 |
青森県 | 約308万円 | |
岩手県 | 約381万円 | |
宮城県 | 約372万円 | |
秋田県 | 約306万円 | |
山形県 | 約385万円 | |
福島県 | 約384万円 | |
信越・北陸地方 | 新潟県 | 約347万円 |
富山県 | 約343万円 | |
石川県 | 約366万円 | |
福井県 | 約371万円 | |
山梨県 | 約359万円 | |
長野県 | 約366万円 | |
関東地方 | 茨城県 | 約351万円 |
栃木県 | 約368万円 | |
群馬県 | 約345万円 | |
埼玉県 | 約418万円 | |
千葉県 | 約375万円 | |
東京都 | 約405万円 | |
神奈川県 | 約395万円 | |
東海地方 | 岐阜県 | 約354万円 |
静岡県 | 約388万円 | |
愛知県 | 約339万円 | |
三重県 | 約340万円 | |
関西地方 | 滋賀県 | 約393万円 |
京都府 | 約396万円 | |
大阪府 | 約380万円 | |
兵庫県 | 約360万円 | |
奈良県 | 約344万円 | |
和歌山県 | 約309万円 | |
中国・四国地方 | 鳥取県 | 約369万円 |
島根県 | 約344万円 | |
岡山県 | 約344万円 | |
広島県 | 約380万円 | |
山口県 | 約341万円 | |
徳島県 | 約348万円 | |
香川県 | 約358万円 | |
愛媛県 | 約329万円 | |
高知県 | 約363万円 | |
九州・沖縄地方 | 福岡県 | 約353万円 |
佐賀県 | 約343万円 | |
長崎県 | 約324万円 | |
熊本県 | 約341万円 | |
大分県 | 約375万円 | |
宮崎県 | 約310万円 | |
鹿児島県 | 約327万円 | |
沖縄県 | 約329万円 |
出典:「マイナビ求人の統計結果」より算出
やはり都市部の方が年収が高いことがわかります。
一番高くて埼玉県の約418万円で一番低いのは秋田県の約306万円という結果になり、その差は112万円と大きく差が開き、月収に換算すると約9万円も違うことになります!
もちろん都市部などは物価や家賃なども高いので月々の固定費は高くなると考えられますが、地方も交通の便が不便だったりするので車が必要になる場合もあります。
車の維持費やガソリン代も考えると月々の支払いがそれなりにかかるので生活が苦しくなることは、変わりありません。
管理栄養士の年収【年代別】
厚生労働省の【令和5年賃金構造基本統計調査】をもとに管理栄養士の年代別の平均年収を算出しました。
年代 | 平均月給 | 平均年収 |
---|---|---|
20〜29歳 | 約21.5万円 | 約319万円 |
30~39歳 | 約25.3万円 | 約379万円 |
40~49歳 | 約28.4万円 | 約462万円 |
50~59歳 | 約32.7万円 | 約502万円 |
60歳~ | 約25.7万円 | 約351万円 |
勤務年数が長くなると役職などに昇進することもあり、年々給料が増えていくことが分かりますね。
しかし管理栄養士の平均年齢が約36歳と若く、途中で管理栄養士の職業を離脱しているということになります。
その要因としては、管理栄養士は女性の割合が多く、産休育休などで第一線を退くことが多いことが考えられます。
管理栄養士の平均年収は就職先によっても異なる!
管理栄養士はさまざまな場面で必要とされる職業なので、多種多様な職場があります。
その先々でかなり平均年収も異なることが以下の表で分かります。
職場別 | 平均年収 |
病院・クリニック | 約300万円~約400万円 |
介護福祉施設 | 約260万円~約310万円 |
企業(食品メーカー) | 約250万円~約330万円 |
行政(公務員) | 約250万円~約650万円 |
出典:「マイナビ求人の統計結果」より算出
この結果には契約社員や派遣社員の非正規雇用の管理栄養士の平均年収も含まれているので、正社員の平均年収より低い結果になっています。
行政(公務員)の結果にかなり差があるのも長く勤めることで平均年収がアップすることが見込まれての結果となり、どの職場でもだいたい約300万円前後の平均年収ということになりますね。
将来の管理栄養士はどうなる?収入はアップする?
近年AIの技術が進み管理栄養士の仕事がなくなるということも言われる中、現状はどうなのか、今後収入はアップするのか、色々気になりますよね。
管理栄養士の現状、そして将来を詳しくみていきましょう!
管理栄養士国家試験では毎年10,000人前後が管理栄養士国家試験に合格しています。
管理栄養士国家試験 | 合格者 |
2024年(第38回) | 8,056名 |
2023年(第37回) | 9,254名 |
2022年(第36回) | 10,692名 |
2021年(第35回) | 10,292名 |
2020年(第34回) | 9,874名 |
出典:厚生労働省「第38回管理栄養士国家試験の合格発表」
毎年約10,000名も管理栄養士が増えると飽和状態になるのでは?と思いますが、日本では高齢化が進み、医療現場や福祉施設での需要が高まり、管理栄養士が必要とされる場面がかなり増えていることが考えられます。
また、管理栄養士の平均年齢も約36歳と若いので、どの職場でも管理栄養士の需要はなくなることはないでしょう。
さらにAIの技術も急速に進み、管理栄養士の仕事がなくなるのでは?と心配されますが、献立の作成や栄養計算を担ってくれることが期待されますが、AIにはコミュニケーション能力がありません。
管理栄養士の仕事である栄養指導など患者さんに寄り添ったサポートや気遣いができるのは感情のある人間だけです。
ですのでAIがすべての管理栄養士の仕事をこなせるわけではなく、栄養計算や献立の作成などの作業要素がAIの強みということになりますね。
では今後の管理栄養士はどうなっていくのか…
病院などの高度な栄養管理が必要な特定機能病院の場合、管理栄養士を1人以上配置しなければならないというのが医療法で定められています。
その他にも福祉施設や給食センターなど管理栄養士を配置しなければならない施設がたくさんあります。
その中で管理栄養士の仕事をしていくわけですが、決められた予算の中で献立作成や食材のやりくりなどしなければなりません。
年々高騰する乳製品や小麦、季節によって価格がかなり変動する野菜などを考慮し、なおかつ栄養バランスの取れた献立を作成するのはかなり至難の業です…!
しかしどんなに頑張って管理栄養士が決められた予算でやりくりをし栄養満点の献立を作成しても、雇っている施設側としては金銭的に利益は生じません。
利益が生じなければ雇っている側としても給料をアップすることは不可能に近いです。
もちろん予算内で毎日の献立を作り、寄り添った栄養指導などを行う管理栄養士はすばらしいです!
ですが収入をアップさせるためには自分で何か行動をしなければ今後給料が増えることは、厳しいと考えられます…。
管理栄養士の将来性についてもっと詳しく知りたい人はこちらの記事を参照ください。
管理栄養士の収入をアップさせるための3つの方法!
管理栄養士が収入をアップさせるためにはもう行動するしかありません!
今の現状を変えるためのヒントとなる3つの方法をご紹介していきます!
収入がよいところに転職をする
管理栄養士の収入がよく、昇給のチャンスがあるのは大手食品メーカーと行政です。
その二つの特徴をお伝えしていきます!
大手食品メーカー
2章「管理栄養士の平均年収は就職によっても異なる」に示した表で企業(食品メーカー)は平均年収が約250万円~約330万円と少し低い推移となっていますが、企業であるため昇給額が多いことから年収が高くなりやすいと考えられます。
ヒット商品の開発に貢献できればボーナスや昇給も期待できます!
経験者優遇などの求人もあるので競争率が高いかもしれませんが、経験にまさる知識はないので自信を持って大企業の食品メーカーへの転職も視野にいれてみましょう!
行政(公務員)
スタートはどの職場と同様平均年収が約300万円となっていますが、20年も勤続すると平均年収が約650万円に到達することができます。
昇給額も多いことからライフプランも立てやすく、また福利厚生も充実しているので行政(公務員)を目指すのも収入をアップさせるためには挑戦してみましょう!
管理栄養士の資格を活かして副業をする
近年インターネットの成長も急速に進み、たくさんの情報をキャッチできる時代となりました。
それと同時に自分からも発信できる環境になったとも考えられますよね!
管理栄養士の資格を活かして副業ができる方法を二つに分けてご紹介します!
在宅でできる管理栄養士の資格を活かした副業
日々の仕事である献立作成や栄養価の計算、栄養相談をそのまま活かすことができます!
クラウドワークスやココナラなどのクラウドソーシングサービスを利用することで家にいながらさまざまな仕事をオンラインで受注することができます。
内容にもよりますが、栄養指導など1か月間のサポートで報酬として、10,000〜15,000円程が相場となります。
新しいことでの副業は本業をしながらでは大変だと思いますが、日々の仕事のスキルアップにもつながる上に、収入も増えるのは嬉しいですね!
在宅以外で管理栄養士の資格を活かした副業
普段、調理などに携わっている方は料理代行の仕事がおすすめです!
インスタグラムなどのSNSや大手の料理代行などに所属するなど受注方法はさまざまです。
産後のママや仕事が忙しい方などたくさんの需要があると考えられます。
管理栄養士が考えてくれる献立でなおかつ実際に料理が食べれるなんてなかなか普段の生活にはないと思うので私だったらぜひお願いしたい!
管理栄養士としてスキルアップをはかる
管理栄養士が挑戦できるおすすめの資格があり、スキルアップをすることで資格手当にも反映され、収入がアップされることが期待されます!
またやりがいにも繋がって来ると思うので、今の職場に勤務しながらでも収入アップが見込めることもできるので、キャリアアップにもつながる可能性があります。
以下では管理栄養士が挑戦できる資格を紹介していきます!
日本糖尿病療養指導士(CDEJ)
糖尿病治療の一定の経験を有し、合格すれば糖尿病の臨床における生活指導のエキスパートになることができます!
病院などに勤務されている方がスキルアップしやすい資格となります。
【資格条件】
- 管理栄養士
- 看護師
- 薬剤師
- 臨床検査技師
- 理学療法士
のいずれか有資格者
介護支援専門員(ケアマネージャー)
介護支援専門員という公的資格で高齢者や障害者の介護に関する相談や計画を行う専門家です。
資格手当もつくところが多く、介護施設などの福祉施設で勤務されている方に最適な資格です!
管理栄養士は国家資格なので、実務経験が5年以上あれば受験資格をクリアできます。
【資格条件】
- 国家資格(法定資格)をもち、実務経験5年以上
- 生活相談員、相談員支援員などに従事し実務経験5年以上
まとめ
管理栄養士の平均年収が全国的にも少し低いことはショックですよね…
しかし私たちの生活において病院や学校、福祉施設などで管理栄養士は絶対に必要な存在です。
限られた予算の中で栄養バランスを整える献立表の作成や親身に栄養相談を聞いてくだる管理栄養士さんは本当に頭が上がりません…
求められる職場で利益を生むのが難しい環境もあると思いますが、自分自身の趣味や旅行などに少しでもお金を回すためには収入をアップさせるしかありません!
これまで3つの方法で収入をアップさせる方法をご紹介してきました。
このほかにも収入をアップさせる方法があるかもしれませんが、行動しなければ今の現状を変えることはできません!
自分にできそうなことをひとつでも実行し、収入を少しでも増やしていきましょう!
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