管理栄養士の平均年収は約390万円といわれています。
この金額を聞いてあなたはどう思いましたか?
この記事ではそんな管理栄養士の年収について
- 年齢
- 職場
- 職種
いろんな角度から深掘りしていきます。
後半では、今後管理栄養業界の年収が増えていく可能性があるのか、また年収を増やすために今から何をするべきなのかについても解説していきます!
管理栄養士の年収について詳しく知りたい人はぜひ参考にしてみてください!
目次
管理栄養士の平均年収はどれくらい?
国家資格である管理栄養士の平均年収は、厚生労働省によるとおよそ390万円といわれています。
この年収は令和4年賃金構造基本統計調査を参考にしていますが、栄養士の項目しか記載されていないため管理栄養士の資格手当(約5000円〜10000円)を加味した数値としています。
ライフプランを考える際に今後の年収は気になるところだと思いますが、年齢や職場の違いで平均年収は一体どれくらい変わるのでしょうか?
年齢別の平均年収
年齢別の平均年収は以下の通りになります。
平均年収 | |
20代 | 約331万 |
30代 | 約386万 |
40代 | 約425万 |
令和4年賃金構造基本統計調査より算出した平均年収は表の通りであり、30代後半から40代前半にかけて先ほど述べた年収390万に近づいていきます。
しかし女性は出産や育児などのライフイベントにより、上記で示した年収より少なくなる可能性も考えられます。
職場による年収額の違い
令和4年度の管理栄養士養成施設卒業生の就職先内訳によると、1番多いのは病院であり次に一般企業や委託給食会社等となっています。
管理栄養士が活躍する場は様々であり業務内容も変わってきますが、勤務先の違いで年収の大きな差はあるのか見ていきましょう。
平均年収 | |
病院 | 約300〜400万円 |
福祉施設 | 約260〜310万円 |
行政施設 | 約450〜600万円 |
給食施設 | 約330〜400万円 |
一般企業(食品メーカー等) | 約250〜330万円 |
出典:マイナビコメディカル
・病院
病院勤務では約300〜400万円であり、管理栄養士の平均的な年収は得られます。
病院は求人数も多く、管理栄養士の需要の高さが伺えます。
・福祉施設
福祉施設の平均年収は他の職場と比較すると低くなっています。
しかし今後高齢社会となるにつれて介護福祉施設の需要は増えていき、求人数が増えることが見込まれます。
それに伴い待遇面の改善や年収の増加の可能性はありそうです。
また、残業が少ない職場が多いため自分一人の時間を確保したい・家族との時間を大切にしたい方には良い職場が多いかも知れません。
・行政施設
行政施設では公務員となるため、年収は勤続年数とともに昇給していく傾向にあります。
しかし公務員といっても国立病院などで勤務する国家公務員と地方自治体が管轄する学校や保健所などで勤務する地方公務員があり、年収には差があるようです。
公務員になるためには管理栄養士の国家資格の他に公務員試験を受ける必要があったり、自治体ごとに年齢制限があります。
また、公務員の求人数は少なく倍率は上がるため、就職するには難易度は高くなっています。
・給食施設
給食施設(給食センター)では人手不足が続いているため、人材確保のため年収は増加している傾向にあるようです。
・一般企業
一般企業の平均年収は低いように見えますが、これは雇用形態が正社員・契約社員・パート・アルバイトなど多様であるためと考えられます。
企業の業績によっても年収の差はありそうですね。
管理栄養士の年収は他職種と比べて低い
国税庁によると令和4年における全職種の平均年収は約458万円であり、管理栄養士の平均年収約390万円は低いことが分かります。
平均年収 | |
保育士 | 約388万円 |
ケアマネージャー | 約405万円 |
理学療法士・作業療法士 | 約429万円 |
臨床検査技師 | 約508万円 |
他職種と比較してみると、保育士と同様の賃金水準であり、同じ国家資格を持つリハビリ職や臨床検査技師よりも低い傾向にあります。
年々物価の高騰は止まることを知らず、現状の年収では不安を抱いたり満足できない方も多いのではないでしょうか。
今後管理栄養士の年収は上がっていくの?
2章「管理栄養士の年収は他職種と比べて低い」にて管理栄養士の平均年収が他職種と比べ低い水準にあることが分かりましたが、将来的に年収が上がる可能性はあるのでしょうか?
結論からお伝えすると、若いうちからの大きな年収UPは難しいと考えられます。
その理由として管理栄養士が名称独占資格であり、類似した業務・サービス(献立の作成、栄養管理等)を提供できる資格が多くなってきていること、さらに管理栄養士の増加に伴う飽和状態により【管理栄養士】としての資格の価値が低くなっている可能性があると考えられます。
また、病院や福祉施設では診療報酬や介護報酬により点数(費用)が決まっており決められた中での利益しか上げられない現状があります。
そのため、個人の努力により大きな利益を生み出して収入に繋げることは難しいでしょう。
管理栄養士として年収を上げる方法3選
管理栄養士として働く中で今の年収じゃ満足できない・将来のために貯金ができるか不安な方も多いと思います。
そんな方にここでは年収UPのために今から行動できる方法をお伝えしていきます。
転職
まず1番始めに思いつくのは高待遇職場への転職だと思います。
病院や給食センターは比較的需要も多く、年収も管理栄養士の中では高水準であるため福利厚生等確認した上で転職は有効です。
食品メーカーなど企業への転職は、業績により年収は変わってくる可能性があります。
公務員としての転職は勤続年数とともに昇給していくため、将来的に年収は上がっていきますが、求人数は少なく公務員試験も必須なので根気強さが求められます。
スキルアップ
管理栄養士以外の資格を取得し、専門性を高めることで昇給へ繋がったり転職に有利となる可能性もあります。
日本栄養士会では管理栄養士のスキルアップを支援するため3つの認定制度を設けています。
認定管理栄養士制度 | 臨床栄養、学校栄養、健康・スポーツ栄養、給食管理、講習管理、 地域管理、福祉栄養(高齢・障がい)、福祉栄養(児童) |
特定分野別認定制度 | 特定保健指導担当管理栄養士、静脈経腸栄養(TNT-D)管理栄養士、 在宅訪問管理栄養士、公認スポーツ栄養士、食物アレルギー分野管理栄養士・栄養士、小児栄養分野管理栄養士・栄養士 |
専門分野別認定制度 | がん病態栄養専門管理栄養士、腎臓病病態栄養専門管理栄養士、 糖尿病病態栄養専門管理栄養士、摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士、在宅栄養専門管理栄養士 |
上記の認定制度以外にも、日本病態栄養学会が認定している【病態栄養専門管理栄養士】や【NSTコーディネーター】などの資格もあります。
令和4年度診療報酬改定において、栄養関連項目で点数の見直しや加算が取れる項目が加わり、管理栄養士と他職種との連携がさらに重要視されるようになりました。
そのため、専門的な資格を取得しスキルアップを図ることであなたの存在価値は高まり、昇給の可能性や転職の際の強みになることでしょう。
出典:日本病態栄養学会
スキルアップにつながる資格について詳しく知りたい人は以下の記事を参考にしてみてください。
副業
最近では副業というワードを目にすることも多いと思います。
病院などで働きながらプラスで副業を行う【副業フリーランス】では、勤続年数が途絶えることなく年収UPを図ることができます。
一方、完全にフリーランスで仕事を行う【本業フリーランス】となる方法もあります。
フリーランス管理栄養士の働き方が気になる人はこちらの記事を参考にしてください。
世間では管理栄養士が監修したレシピ本や商品を目にすることも多くなってきており、健康志向や栄養関連の需要が高まってきている傾向にあります。
その中で栄養のプロとしてダイエットしたい人に食事内容を指導したり、スキルシェアサービスを利用し知識を提供する方も増えてきています。
しかし実際に個別指導を行うとなると、何らかの不調や問題を抱えた原因にアプローチすることになるため、教科書で習った内容より更なる知識が必要になることでしょう。
また、どうやったら利益を生むことができるのか等、ビジネス面でのノウハウも知らなければ収入に繋げることができません。
栄養の知識を深めながら、ビジネスのことも勉強できる場所なんてあるの?と思われた方にぜひおすすめしたいのが【臨床栄養医学協会】です。
臨床栄養医学協会の臨床栄養医学指導コースでは、オンラインで栄養の知識を生化学や解剖学などの観点から丁寧に学ぶことができ、学んだ知識はすぐに実践できるような内容となっています。
また、現在の食事内容だけでなく問診票や血液データを用いて総合的に評価できるようになるため、その人に合わせた食事指導が自信を持って行えるようになります。
さらにこの協会ではビジネスセミナーも定期的に行っているため、コンテンツの価格設定をどれくらいにしたらよいかやSNSでの集客方法なども学べる場所となっています。
出典:臨床栄養医学協会
年収UPに成功した人の経験談
・副業フリーランス(特定保健指導や個別食事サポートやブログ)で月2〜4万円の収入UPした例
・副業フリーランス(栄養に関するWebライターなど)で月3〜5万円の収入UPした後、本業フリーランスとなり前職の収入を超えた例
副業を始める方はまず本業の傍ら副業を始めていき、徐々に本業フリーランスへ移行される方が多いようです。
まとめ
管理栄養士の平均年収は約390万円であり、20代・30代前半のうちから大きな年収UPは正直難しいと分かりました。
しかし、待遇の良い職場への転職やスキルアップ、副業などの方法で今より年収を上げることは可能です。
この記事をきっかけに自分に合った方法で年収UPに繋がる行動を起こしましょう!
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