栄養士が転職で失敗しないために必要な点や押えるべきポイントを解説

一般社団法人臨床栄養医学協会

執筆者一般社団法人臨床栄養医学協会
(この著者の記事一覧はこちら )

当臨床栄養医学協会では、生化学及び生理学に基づく栄養学に関する正しい知識の普及と、ビジネス化推進を行います。
「知識を得る」「資格取得」だけではなく、必要な経験・実績を積むことでビジネス化をサポート致します。

栄養士で転職をしたけど、「思っていたのと違った…」「働いてみたら自分に合わず、また転職を考えることになってしまった…」と感じてしまう人は少なくありません。

転職する際、いくつかのポイントをしっかりと押さえておかないと、このような結果に終わる可能性があります。

 

この記事では、その転職する際に押えておくべきポイントを詳しく解説していきます。

栄養士の転職失敗談をもとに、どのようにすれば転職に成功できるのか、成功するために必要なことについても紹介していきます。

 

ぜひ、最後までお読みいただき、転職を成功させるためのヒントとして参考にしてみてください。

 

臨床栄養医学指導士とは
臨床栄養医学指導士とは

なぜ転職に失敗するのか?失敗例を知ろう

何かを成し遂げるときに、何度も失敗を重ねて成功したという経験は誰しも持っていると思います。

転職も同じことが言えますが、なるべく失敗は避けたいものです。

納得いく転職をするために、実際に転職を失敗した例や口コミを紹介しながら、なぜ転職に失敗してしまうのかについて詳しく解説していきます。

 

焦って転職先を決めてしまった

仕事を辞めてから次の職に就くまで、なるべく間を空けたくないというのは多くの人に共通する思いではないでしょうか。

そんな焦りから転職先を決めてしまうと、転職先のリサーチや比較検討が十分にできず、失敗につながることがあります。

 

例えば、こんな口コミがあります。

 

「短大を卒業後、3年間特養。委託が入り契約料などの関係から栄養士以外の介護や事務仕事もあり契約社員ということもあって退職。約2か月間は求職活動しながら短期でアルバイトをし、6月~1月老健。入職したと同時に人手不足。1週間してすぐに毎日早番遅番をする。3か月目には調理12時間+事務2~3時間がほとんどで体調を崩しかけ、更に人手不足が続き上司も解決してくれず退職。」

【出典:転職での失敗、どう活かすべきか。

 

転職先で仕事をはじめてから「思っていたのと違った」という声は、栄養士に限らず多く聞かれます。

「せっかく、就職できたのにすぐにやめたい」ということにもつながりかねないので、十分にリサーチしたうえで転職先を決めましょう。

 

給料だけを求めすぎていた 

転職活動をしていると、つい「少しでも給料がいいところを…」と考えてしまうのは、自然なことですよね。

将来への不安や生活のゆとりを考えれば、誰でも収入面を重視したくなるもの。

 

しかし、給料以外にも人間関係、施設設備などの環境、労働条件など仕事をしていく中で重要な要素はたくさんあります。

 

例えば、こんな口コミがあります。

 

「管理栄養士より一般職のほうが給料が高いのも不満に思い、あこがれていた事務職を選択。転職サイトで条件にあうところをさがして内定をもらいました。”THE・田舎のワンマン零細企業”で、思ってたんとちがう。人間関係・社内の空気が自分に合わず、いちばんしんどかった職場。常に時間と理不尽とのたたかい。電話対応、コミュ障にはつらすぎ。ものすごいプレッシャーと上司の目が気になりすぎて、脳がいつもの3分の1くらいしか動いてないかんじ。当然ミスしまくり。自分のことが心底キライになる。ストレスでごはんも喉をとおらなかった。」

【出典:【管理栄養士の職歴と体験談】7年間で3回転職した結果

 

精神的なストレスや疲労で体を壊してしまっては、元も子もありません。

給料だけを求めすぎないように、総合的に判断しましょう。

 

自己分析ができていなかった

「とにかく今の職場を離れたい」という思いだけで転職活動を進めてしまうと、結果的に同じような悩みを繰り返すことになりかねません。

 

例えば、こんな口コミがあります。

 

「保育園は平日休みが取りづらかったことと、有給休暇の消化がなかったため、退職してから転職活動を始めました。一人暮らしをしており貯金も十分ではなかったため、なるべく早く転職したいという気持ちと、未経験ということもあり病院などでの面接も通らず、たまたま募集があった委託会社へ転職。しかし転職後、想像以上の激務(残業が月に100時間以上)に耐えられず、半年で退職してしまいました。その後半年間、無職の状態で転職活動をすることに…。」

【出典:【栄養士の転職失敗談5つ】栄養士が失敗しない転職をするためには

 

転職そのものが悪いわけではありませんが、

  • なぜ転職したいのか
  • 次の職場で何を大切にしたいのか

といった軸が曖昧なままだと、環境が変わっても根本的な課題が解決されず、また転職を考えるような悪循環に陥ることもあります。

自分にとっての「働きやすさ」や「やりがいとは何か」を一度立ち止まって考え、自己分析をしてみることが、より納得感のある転職につながっていくのではないでしょうか。

自己分析を通じて、自分が求める職場や職場環境、自分に適した企業や業界が明確になり、納得のいく転職先を見つけることができます。

 


栄養士が転職で失敗しないために必要な3つのこと

ここまでは転職の失敗例について見てきました。

ここからは実際に転職に成功するために必要なことを、3つの観点から詳しく説明していきます。

 

転職に成功するために必要なことは次の3つです。

  1. 自己分析をし、優先順位をつける
  2. 見学を可能な限りおこなう
  3. 退職する前に転職活動をおこなう

 

自己分析をし、優先順位をつける

 失敗例でも見てきましたが、転職の際に自己分析をしておくことは非常に重要になってきます。

 「自己分析の方法」についてご紹介しますので、この順に従ってぜひ一緒に行ってみてください。

 

  • 自分の経験を振り返る:自分が今までどんな経験をして、その時にどのような考えを持ち、どのような感情だったのかを深堀りします。

(例)私はこれまで介護福祉施設で、栄養士として働いてきた。調理メインだが、たまに食事をしている様子を見に行ったり、利用者と会話をするのがすごく楽しかった。

 

  • 自分の強み・弱みを分析する:自分の過去の経験から、自分自身の強みや弱みを見つけていきます。

(例)強みは、人と接するのが好きなところ。弱みは、優柔不断なところ。

 

  • 価値観やライフスタイルを見直す:自分が大切にしていることや考え方、普段の生活のしかたなどを振り返ります。

(例)子供がまだ小さいので、休みがとりやすいと嬉しい。

 

  • 将来のキャリアビジョンを描く:自分の強みや弱み、価値観、ライフスタイルから、自分が今後どう生きていきたいかということをイメージします。

(例)人と接することが好きだから、もっとその力を伸ばしていきたい。子供の成長を見守りながら、栄養士を活かしてキャリアアップしていきたい。

 

このように自己分析ができると、自分の中での優先順位や理想の職場のイメージがはっきりし、自分にとって納得のいく転職先を見つけやすくなります。

 

見学を可能な限りおこなう

 職場の実際の雰囲気や業務内容を直接見て感じることは、面接だけでは得られない情報を得るための重要な手段です。

 例えば、雰囲気が良い職場の特徴として次のような点があります。

 

  • 社員のコミュニケーションが活発である
  • メンバー間のリスペクトがある
  • メールでのやりとりの際や訪問時の挨拶など、対応が丁寧である

 

 どこの職場でも働きはじめると不満は少なからずあるものですが、転職後にギャップを感じすぎないために見学をしたり、その職場で働いている人からお話を聞くようにしましょう。

 

退職する前に転職活動をおこなう

 転職を考えるとき、今の仕事を続けながら活動するのは大変に感じるかもしれませんが、実はそれがとても大切です。

 

 例えば、失業手当をもらうには、3か月ほど待機期間があることがほとんどです。

退職してから転職活動をすると、貯金がどんどん減ってしまい、焦って転職先を決めてしまう原因につ

ながることにもなります。

 

 また、「在職中に転職活動するのは、今の職場に失礼なのではないか」と感じる人も多いですが、実際には退職前から転職活動をおこなうことは一般的で、決して非常識なことではありません。

安心して行動して大丈夫です。

 

 在職中に転職活動を進めることで、経済的にも精神的にも余裕を持てます。その結果、焦らずに、自分が本当に納得できる職場を見つけることができるでしょう。

 


栄養士が転職するときに押さえるべき3つのポイント

この章では、転職先を決めるときに、最後にチェックしておきたい大切なポイントを3つに絞ってご紹介します。

これらを意識することで、再び転職を繰り返すリスクを減らすことができます。

 

家庭と仕事を両立できる環境にある

現在、家庭を持っていても、持っていなくても、今後長く働いていくことを見据えて、転職先を選んでおくことは重要です。

特に子供ができると、自分の仕事を優先するのが難しくなることもあります。

 

  • 産休や育休をとりやすいかどうか
  • 子供の急な発熱や学校行事の時に柔軟に休める環境であるかどうか

 

など、職場の協力体制をしっかり確認しておくことで、安心して仕事に取り組むことができ、家庭を持ちながら働き続けられるでしょう

 

栄養士として成長できる

資格はあなたの財産であり、専門職としての価値を示すものです。

「困ったときにはあの人に聞こう」

と思ってもらえることは、栄養士として信頼されている証でもあり、そうした信頼関係は、自分らしく働き続けるうえでとても大切です。

 

栄養士として成長できる職場の特徴として、次のような点があります。

 

  • 栄養士の数が多い
  • 経験豊富な栄養士がいる
  • 栄養士がやりたいことに柔軟に対応してくれる

 

モチベーションを保ち、長く働き続けるためにも、栄養士として成長できる環境や、自分の力が発揮できる役割があるかどうかをしっかり見極めておきましょう。

 

病院・施設の方針に共感できる

たとえ自分にやりたいことがあって、それがどんなに良いことであっても、最終的な決定権を持っているのは施設や病院のトップです。

そして、時にはその方針に沿って動かなければならない場面もあります。

 

そのため、自分の考えと施設側の方針に大きなズレがあると、納得できないことが積み重なり、フラストレーションやストレスの原因になります。

「共感できる方針かどうか」は、長く前向きに働くうえで非常に重要な視点です。

 

病院や施設のホームページには「基本理念」や「方針」が掲載されていることが多いので、事前に確認しておくことをおすすめします。

 


転職だけじゃない!栄養士が活躍していく方法

「栄養士としてもっと成長したい」「今の職場では限界かも」と感じると、転職を考えるのは自然なことですが、活躍の場を広げる方法は、転職だけではありません。

ここでは、今の職場にとらわれずに栄養士として力を発揮し、活躍していくための具体的な方法をご紹介します。

 

さらに専門的な勉強をする

職場という小さなコミュニティーに長くいると、人間関係や仕事内容に不満を感じることがあり、どうしても視野が狭くなりがちです。

しかし、世界には素晴らしいスペシャリストがたくさんいます。

 

近年はオンライン環境が整ってきたこともあり、専門的な知識を手軽に学ぶことができるようになっています。

オンラインやオフラインの勉強会に参加することで、新たな人とのつながりが生まれ、思いがけず良い企業への転職につながる可能性もあります。

 

また、専門的な学習を通じてスキルアップすれば、今の職場での評価が高まり、結果的に転職を考えずに済むケースもあるでしょう。

 

中でも栄養士が専門性を高めるための資格として、おすすめなのが「臨床栄養医学指導士」という資格です。

これらは、「一般社団法人 臨床栄養医学協会」の認定資格で、一般の人はもちろん、管理栄養士や栄養士、保健師、理学療法士、作業療法士など、幅広い専門職の人が資格を取得しています。

 

この資格を通じて、栄養学と医学の両面から健康を支援できる知識を習得することができ、子どもから高齢者まで、あらゆる世代に対応できる実践的なスキルが身につきます。

 

また専門性の高い知識を学べるのはもちろんのこと、Instagramを活用した集客術や公式LINEの運用方法など学んだ知識を実際にビジネスとして展開していく方法まで、手厚くサポートしてもらえます。

 

そのため、例えば、

  • オンラインでの個別栄養指導や食事サポート
  • 自身のSNSやブログを活用した情報発信や講座の開催
  • スポーツチームやアスリートへの講座や個別サポート

など、資格取得後には個人で仕事を生み出すことができるスキルや知識が身につきます。

 

実際にこれらの道でフリーランスとして活躍している人も多数います。

 

副業で栄養士を活かす

本業で栄養士を活かすことができなくても、空いた時間を活用して栄養士の資格や知識を活かせる副業に取り組むという選択肢もあります。

無理のない範囲で収入を増やせるだけでなく、栄養士としてのスキルアップやキャリアの幅を広げるチャンスにもつながります。

 

以下は、栄養士の資格を活かせるオススメの副業5選になります。

 

  • 栄養関連の記事作成
  • 栄養価計算
  • 献立作成
  • ダイエットアドバイザー
  • 栄養指導

 

当協会のブログでも詳しく解説していますので、ぜひご参考ください。

【参考ブログ:栄養士の資格と経験を活かせるオススメ副業5選!探し方や注意点も解説

 

なお、副業を行う際は、職場の就業規則などを事前に確認し、許可が必要な場合は適切な手続きを行うようにしましょう。

 

フリーランスとして働く

収入よりも自分のやりたいことを優先したい、自由度の高い働き方をしたいという方にはオススメの働き方です。

最近は栄養士としてフリーランスで活躍する人も増えてきています。

 

フリーランスの栄養士では、以下のような働き方をしている人が多いです。

 

  • レシピ開発
  • 料理写真撮影
  • ライター
  • 料理教室講師

 

自分のスキルや得意分野を活かし、柔軟に働けるのが大きな魅力です。

ただ、フリーランスの収入は一般的に仕事量に比例するため、安定しているわけではありません。

 

また、ある程度の経験や実績がないと、継続的な案件を得るのは難しいかもしれません。

そのため、まずは副業からスタートし、徐々に実績を積んでいった方が、安心して取り組みやすいでしょう

 

メリットとデメリットをしっかり見極めたうえで、自分に合った働き方かどうかを検討しましょう。

 


まとめ

ここまで、栄養士が転職で失敗しないために、失敗例や転職活動をする上での重要なポイント、転職以外で栄養士が活躍する方法について詳しく解説してきました。

失敗例や栄養士が転職に成功するために、まずは、転職活動の時間をしっかりと確保し、自分が求める働き方や職場環境を明確にしておくことが大切です。

 

また、近年では副業やフリーランスといった柔軟な働き方も広がっており、転職だけにこだわらず、自分に合った形で栄養士として活躍する道を選ぶことができます。

自分らしく、前向きにキャリアを築いていけるよう、様々な視点で可能性を広げてみてください。

 

一般社団法人臨床栄養医学協会

執筆者一般社団法人臨床栄養医学協会
(この著者の記事一覧はこちら )

当臨床栄養医学協会では、生化学及び生理学に基づく栄養学に関する正しい知識の普及と、ビジネス化推進を行います。
「知識を得る」「資格取得」だけではなく、必要な経験・実績を積むことでビジネス化をサポート致します。

コメント

CAPTCHA


コースについてのご質問、ご相談など
お気軽にお問い合わせください
コースについてのご質問、ご相談など
お気軽にお問い合わせください