歯科栄養士とは?管理栄養士が知っておくべき魅力や業務内容を解説

一般社団法人臨床栄養医学協会

執筆者一般社団法人臨床栄養医学協会
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当臨床栄養医学協会では、生化学及び生理学に基づく栄養学に関する正しい知識の普及と、ビジネス化推進を行います。
「知識を得る」「資格取得」だけではなく、必要な経験・実績を積むことでビジネス化をサポート致します。

歯科栄養士とは、歯科医院で働く管理栄養士のことです。

 

栄養が口腔に与える影響が注目され始めている中、医療現場における新たな専門職として今後の需要が高まる職業です!

 

歯科業界未経験でも管理栄養士の資格があれば、新しく追加で資格を取る必要がない職場が多く、さらには歯科業界の専門知識をつけることができます。

 

本記事では、歯科栄養士の具体的な役割や仕事内容、必要なスキルについて詳しく解説します。

さらに、歯科医院での実際の活躍例や、将来的なキャリアプランについても触れていきます。

 

ぜひ今後のキャリアの参考にしてみてください!

 

歯科栄養士とは

管理栄養士に特徴的な仕事内容

歯科栄養士とは、主に歯科医院で働く管理栄養士を指し、医療現場における新たな専門職として注目されています。

管理栄養士の資格があれば新しい資格を取る必要はないので、多くの人が歯科業界未経験からスタートしています。

 

さらに歯科業界では口腔内の健康と全身の健康が密接に関係していることが認識されるようになり、予防歯科の重要性が高まっています。

予防歯科のサービスの一環として栄養サポートに力を入れる歯科医院が増えてきたことから、歯科栄養士の市場価値は今後ますます上がることが予想されます!

 

管理栄養士が歯科医院で活躍できる理由

歯や口腔内の健康は体全体の健康にかなり重要です。

 

歯の強さ、硬さは家系や遺伝的要因が関係するのも事実ですが、後天的な要素も大きいです。

日々のケアや定期的な歯科医院でのケアはもちろん、歯や唾液を作る材料である栄養素も同じくらい重要であることはいうまでもありません。

 

特に、近年の食生活の乱れや自己流のダイエット、偏食などによる栄養不足が歯や口腔内の健康に悪影響を及ぼしています

丈夫な歯や質のいい唾液を作るためには、カルシウムだけでなく、鉄やマグネシウム、ビタミンAやビタミンCなど、さまざまな栄養素が必要です。

また、食習慣が乱れると、むし歯や歯周病だけでなく、糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病のリスクも高まります。

 

歯科医院での管理栄養士は、歯科栄養士として、具体的な食事のアドバイスをすることで歯周病やむし歯、生活習慣病等のリスクを低減することができます。

 

このように、歯科医院での管理栄養士の役割はますます重要になり、歯科栄養士として活躍することが期待できます!

 

業務内容

管理栄養士に向いている人の特徴

比較的新しい職種である歯科栄養士ですが、基本的には以下のような業務があります。

  • カウンセリング
  • 栄養指導
  • 受付業務
  • 診察補助業務

 

この章では業務内容を具体的に紹介します!

 

カウンセリング

歯科栄養士としての業務の一つに、患者さんの口腔に関するカウンセリングがあります。

  • 入れ歯が入りたてでうまく噛めない
  • 口内炎ができやすい
  • 治療中で食事が困難

 

などさまざまな口腔環境や歯に関する悩みを持つ患者さんの相談に乗ります。

 

さらに、医院によっては口腔機能検査も行っており、数値データをもとに客観的に患者さんの口腔機能を評価し、それに基づいて改善に向けた指導をすることがあります。

 

カウンセリングは患者さんの信頼を得て長期的な健康管理をするための重要なステップとなります!

 

栄養指導

歯科栄養士として、日常の食生活に関する指導も重要な業務の一つです。

適切な食習慣を維持することにより、口腔内の細菌や微生物のバランスを整え、歯周病やむし歯のリスクを低下させることが可能です。

 

反対に、食習慣や食生活が乱れると、むし歯や歯周病、歯が抜けることによる咀嚼力低下などの問題が発生しやすくなります。

これらの問題を放置すると、口腔内のトラブルや生活習慣病を引き起こすリスクが高まります。

 

特に糖尿病や脂質異常症などが挙げられます。

これらの疾患は高血圧や腎症を引き起こし、最終的には心筋梗塞や脳卒中といった重大な健康問題に繋がる可能性があります。

このように、口腔内の健康維持は生活習慣の予防にもなります。

 

栄養指導を通じて、患者さん自身が自分の健康状態を理解し、日常生活で実践できるアドバイスを提供することは歯科栄養士の役割です。

これにより、患者さんの生活の質が向上し長期的な健康維持が可能になります。

カウンセリングと栄養指導は管理栄養士としての経験が活きる業務となるでしょう。

 

受付業務

歯科栄養士は以下のような受付業務にも携わります。

  • お会計
  • 予約の手続き
  • 電話対応
  • カルテ記入

受付での対応が良いと、患者さんのリピート率が向上し医院の評判も良くなります。

このように歯科医院全体の印象を左右する重要な受付業務にも携わります

 

歯科助手業務

歯科栄養士は歯科助手業務にも携わります。

 

具体的には歯科医師や歯科衛生士の診療補助を中心に幅広く業務をサポートします。

これにより、歯科医療全体の流れを理解し、より包括的な栄養指導が可能になります。

 

中には歯科衛生士の国家資格の取得サポートがある医院もあるようです。

 

このような歯科特有の環境での経験は、他の職場とは異なる貴重なスキルを得ることができます!

 

就職後の流れ

訪問管理栄養士の資格取得の流れ

管理栄養士から歯科栄養士になるとしても、どのようにキャリアを積むか想像がつかないですよね。

この章では就職1年目の歯科栄養士のキャリアプラン例を紹介します!

ぜひ参考にしてください。

 

入職月〜3ヶ月目

この期間は、歯科医院の環境に慣れて業務の流れを理解する大切な期間です。

特に基本的な受付業務と患者さん対応スキルの習得が中心です。

これにより業務全体の理解が深まり、次のステップに進むための基礎を固めます。

 

4〜6ヶ月目

4ヶ月目以降は、口腔内状態や栄養に関する専門的な知識を深め、患者さんへの栄養指導を開始します。

実際の症例を通じて経験を積むことで、患者さんの健康改善に直接貢献できるようになります。

歯科に特化した知識をつけ、栄養指導の実践を重ねることで、歯科栄養士としてのスキルが向上します。

 

7〜12ヶ月目

基本的な業務に慣れてくる頃です。

医院によってはセミナーや教育資料の企画・実施に携わったり、歯科衛生士の資格取得サポートがあります。

継続した学習によって栄養学の知識を取り入れることで、さらにスキルアップができます。

 

また、1年が終わる頃には、1年間の活動を振り返り次年度の目標設定を行います。

この振り返りは、自身の成果や課題を客観的に評価し、今後のキャリアを見定めるための重要なステップです。

 

主な栄養指導内容

ダイエットに必要な栄養学の3つの基礎知識

年齢によって口腔内の状態は違います。

歯科栄養士はそれぞれの年代の口腔状況に合わせた栄養指導が求められます。

この章では年代別に特徴的な指導内容を紹介します!

 

乳幼児

乳幼児には、歯の萌出時期に合わせた正しい離乳食の移行の仕方や、親に食べさせ方の指導を行います。

親への適切なアドバイスも含め、家庭での実践を促すことが求められます。

 

さらに、歯科特有の症状である、顎の発達が不十分で起こる口腔機能発達不全症(※)の予防など、食事による口腔の発達のサポートも必要になります。

※口腔機能発達不全症:「食べる機能」、「話す機能」、「その他の機能」が十分に発達していない症状。

 

この時期の指導は、子供の将来的な口腔内健康に大きな影響を与えるため、非常に重要です。

栄養指導・食事指導により健全な成長をサポートし、後々のむし歯や口腔内トラブルを予防ができます。

 

小中高生(学齢期)

この時期は、食習慣が確立される重要な時期です。

将来的な口腔内健康を左右するため、適切な指導が必要です。

 

例えばスナック菓子や炭酸飲料などがどのように口腔状況や健康に影響を与えるか指導を行います。

糖質によるむし歯のリスクを理解させ、成長に合わせた適切な食事やおやつの摂取量などを教えます。

 

この時期に栄養指導をすることで生活習慣全体を見直すきっかけにもなり、健康意識を高めることができるでしょう。

学校や家庭での実践が促進されることで、歯科予防にも大きな効果が期待できます!

 

成人

成人には、健康的な口腔状況を保つために、虫歯や歯周病予防に関する食事指導を行います。

特に歯周病は全身の健康に影響を及ぼすため、早期発見と予防が重要です。

 

  • ご飯はきちんと食べているけど栄養不足が続いている
  • 美容のために無理なダイエットをしている
  • 忙しくてあまり食事に気を遣えていない

他にも様々な理由で適切な食事が取れていない患者さんも多いです。

 

健康的な食生活が歯の健康維持にどれほど重要であるかを伝えた上で、患者さんが無理なく取り入れられるような栄養指導を心がけることが重要です!

 

高齢者

高齢者の栄養指導は、全身の健康や生活の質に直結するため非常に重要です。

 

具体的な例では、以下のような症状がある高齢者に栄養指導することがあります。

  • 口腔機能低下
  • 嚥下障害
  • 咀嚼障害

いずれも噛む力や飲み込む力が弱まってくることで生じる可能性が高まります。

その上で高齢者特有の食事制限や嗜好を考慮した食事プランを提案し、無理なく実践できる方法を指導します。

 

このように、高齢者が口腔状況も体全体も健康的に過ごせるようサポートします。

 

この記事を書いている臨床栄養医学協会でも、専門的な生化学・解剖学の知識をもとに以下のようなことが学べます。

  • 具体的な悩みの根本原因
  • 実践的な食事でのアプローチ方法
  • 栄養指導の方法

 

もし、実践的な栄養知識をつけたい方は一度サイトを見てみてください!

参考: 臨床栄養医学協会 

 

給与

資格取得で収入面はアップする?

歯科栄養士の給与は全国平均では17万円から26万円の範囲となっています。

特に都市部では給与水準も上がる傾向にあり、東京は約22万円からスタートします。

また、勤務先や勤務時間、経験年数により異なります。

 

求人探しや面接の際には、以下のような観点はしっかり確認しましょう。

  • 自分の経験が活かせるか
  • 働き方の希望条件が叶うか
  • キャリアはどのように積んでいくのか

 

長期的なキャリアプランを考える上でも自分のライフスタイルに合った職場を選ぶことが重要です。

 

まとめ

歯科栄養士は栄養が口腔に与える影響が注目され始めている中、今後の需要が高まる職業です。

実際に栄養は歯だけでなく全身の健康にとても重要な要素であり、管理栄養士としてのスキルを活かしながら医院や患者さんに貢献できます。

 

ぜひ将来性があり新しいことにチャレンジしてみたい人は歯科栄養士を選択肢に入れてみてください!

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