「解剖生理は馴染みのない言葉ばかりで覚えることも多すぎて、拒絶反応がでる!!」
なんて一度は思ったことありませんか?
私も解剖生理を学んだ時は、訳がわからず同じような気持ちでした。
解剖生理をしっかりと身につけずに今後の授業をすすめた場合、どんどん授業についていけず、実習でも怒られてばかりということになりかねません。
なぜなら解剖生理は、看護の核であり「病態・治療・看護」をマスターするためには、解剖生理の理解が必要不可欠だからです。
せっかくいろいろな思いをもって看護学校に入学したのに、いまひとつポイントを抑えられず、周りからも「もう少し勉強してきてね」と言われてしまう未来なんて絶対に避けたくないですか?
いまからお伝えする勉強法を実践すれば、解剖生理がよく理解できるだけでなく、今後の数々の授業の理解を助け、きたる実習でも指導者から「あの子よく理解している」と思われる未来に近づきます。
みんなが嫌がる解剖生理学が、自然と頭にはいってくる勉強法をお伝えするので、実践してみてください。
目次
解剖生理がどんどん頭に入ってくる裏技3選
勉強意欲を奪われやすい「解剖生理学」を理解するには、ちょっとしたコツが必要です。
覚えるところも理解すべきところも多い解剖生理は、正攻法で勉強するとほとんどの方の心が折れます。
逆に言うと工夫さえできれば、どんどん理解を深めることができるということです。
看護師の先輩である私が実際に取り組んでいた「解剖生理がどんどん頭に入ってくる裏技」を3つ紹介するので、取り組みやすいところからやってみてください。
教科書から勉強しない
解剖生理が難しいと感じる時に、一番初めに教科書から理解しようとすると失敗しやすいです。
なぜなら、教科書の最初のページにはイメージしづらい細胞小器官の話から始まっていたり、仮に読み進んでも、より専門的で細部の器官の働きなどが記載されているからです。
看護には不可欠な知識であることには違いないですが、こういった細かいところから始めると、この知識が何にどう役に立つのかが分かりづらく、ストレスフルな時間が続き挫折の元となってしまいます。
教科書はすべて網羅されていますが、事実が淡々と専門用語を用いて記載されているため、結構難しいです。
実際授業のレジュメや参考書・動画など、一旦誰かまとめ直してくれた物の方が頭に入りやすいんですよ。
まずは間口を広くして、頭に入ってきやすい言葉を使って説明しているものから勉強していきましょう。
より深く具体的に知識を詰める段階になってから教科書を活用していくことをオススメします。
動画コンテンツを活用する
解剖生理の全体像をつかむには、イメージをつかみやすい動画がオススメです。
文章からイメージするよりも、イラストやアニメーションなどが駆使されているYoutubeを活用することで、圧倒的に大枠が理解できるようになります。
例えば「胆嚢は右上腹部に位置し、肝臓と十二指腸をつなぐ胆管の途中にある袋状の臓器」と文章から読み取るよりも、視覚的情報があった方が確実にイメージしやすいですよね。
そしてイラストよりも、更にイメージをつかみやすいのがアニメーションです。
YouTubeではイメージ画像をみながら解説もきくことができ、眺めるだけでも大枠が頭に自然と入ってきます!
範囲のすべてを網羅しているわけではないですが、ざっくりと分野毎にまとめているので参考にしてみてください。
国家試験対策と記載があるものも載せていますが、問題練習に入る前半部分だけみるだけでもみてもらえると、非常にイメージがしやすくなります。
国家試験対策だからと気負わずに、全体像を捉えるイメージで一度みてみることをオススメします。
神経系 | 神経 | |
脊髄 | ||
脳 | ||
シナプス | ||
錐体路 | ||
感覚器系 | 眼 | |
耳 | ||
嗅覚・味覚 | ||
骨格筋系 | 脊柱 | |
筋組織 | ||
骨格筋 | ||
骨 | ||
循環器系 | 体循環肺循環 | |
心臓 | ||
血管 | ||
胎児循環・新生児循環 | ||
リンパ系 | リンパ | |
呼吸器系 | 肺 | |
上記道 | ||
呼吸運動 | ||
消化器系 | 胃 | |
肝臓 | ||
膵臓 | ||
小腸 | ||
大腸 | ||
腸 | ||
消化器 | ||
泌尿器系 | 腎臓 | |
糸球体 | ||
排尿のメカニズム | ||
生殖器系 | 女性 | |
男性 | ||
細胞小器官 | 細胞のしくみ | |
皮膚 | 皮膚・上皮組織 | |
代謝内分泌 | 酸塩基平行 | |
視床下部 | ||
下垂体後葉ホルモン | ||
甲状腺ホルモン | ||
ホルモンについて | ||
その他 | 解剖・病態・治療を関連付けて理解したい方向け | |
解剖学用語(40選)をとにかく覚えたい方向け | ||
疾患と絡めて解剖生理の重要ポイントを抑えたい人向け |
神経・大脳 | |
細胞 | |
内分泌 | |
皮膚 | |
骨格筋 | |
感覚器 | |
循環器 | |
リンパ | |
呼吸器 | |
消化器 | |
泌尿器 | |
生殖器 |
下記サイトを参考にしました。
・たばえもんナース塾 〜看護学生の勉強を応援するチャンネル〜 – YouTube
→疾患と絡めつつ理解していきたい時にオススメ
→とにかく時間がない方はオススメ。単元毎の動画が数個に凝縮されており全体像を掴みやすい
→解剖生理を理解しつつ、ゴロで暗記も一緒にしたい方にオススメ
→アニメーションが丁寧なため、イメージを掴みたい方にオススメ
難しい言葉はゴロ
暗記量が莫大かつ馴染みがない難しい言葉も多いため、日常で出会う言葉に変換した「ゴロ」で覚えれば、解剖生理の吸収力が変わります。
動画で全体像を掴んだとしても、記憶できなければ今後に活かしていけませんよね。
看護においてすべての基盤となる解剖生理を、暗記だけで勉強することはおすすめしませんが、理解したのちに頭に定着させる手段としてゴロを活用することはとても有効です。
ゴロを上手に活用して、どんどん知識量を増やしていってください!
解剖生理のゴロを紹介しているオススメのSNS
他科目の点数も上がってしまう解剖生理の勉強法
解剖生理の勉強法さえわかれば、自然と他科目の点数もあがってしまいます。
それはこれから授業で習っていく看護の基本が解剖生理であるため、解剖生理を理解することで病態や治療、看護実践へと繋がっていくからです。
ただ他の科目の点数まで影響を与えるためには、解剖生理をしっかり根本まで理解する必要があります。
今後に活かせる知識として落とし込むための方法を今から紹介するので、ぜひ実践してみてください。
カラダのストーリーを理解する
身体の構造や配置には必ず何かしらの影響があるため、それぞれをストーリーとして理解することで、必然的に今後習う病態生理や治療・看護のテストでも得点アップにつながります。
解剖生理だと、つい特定の臓器の機能や働きに注目しすぎて「点」で理解しがちです。
しかしカラダのすべては関連しあっているので、お互いを線でつないでストーリーとして覚えることで、理解も深まり他科目の点数アップにもつながっていくことでしょう。
例えば、呼吸器を勉強する際、右の気管支は左の気管支に比べて「太く短い」と習いますよね。
また気管支の先に存在する左肺には中胚葉は存在しません。
この言葉を暗記して終わると損しています。
なぜそもそも気管支や肺葉に左右差があるのか、、、答えは「心臓の位置」ですね。
心臓の位置は、中央からやや左寄りにあります。
心臓の存在によって「左の気管支は押し上げられ距離も長い」「スペースが少ないため左肺には中葉がない」と理解すると、納得がいきます。
このようにカラダをストーリーで理解できれば、実は病態生理にもつなげられるんです。
「誤嚥性肺炎は右肺下葉に起こりやすい」
この事象の理由は、今まで読み進めてくださった方ならわかりますよね。
器官分岐部は右気管支の方が太く傾斜も急だから異物が入りやすいんです。
ストーリで理解することで「なるほど!」と感じませんでしたか?
こういった腑に落ちる経験を重ねていくことで解剖生理が自分のモノになっていきますよ。
単なる暗記で終わらせると後悔の元!
ストーリーとして理解し、どんどん他の科目でもいい成績を収めていってください。
絵に描いて分かりやすくする
カラダをストーリーとして理解できたら、アウトプットも兼ねて絵にすることで知識の整理ができます。
なぜなら絵に書こうとすることで、自身が「どこまで理解しているか」のボーダーラインがみえてくるからです。
最初は大まかな絵でかまいません。
難しい方は病院のホームページに掲載されている一般の方向けの説明画像を参考にするのもいいと思います。
先ほどの「カラダのストーリーで理解する」でお話した内容も一回絵にすることで視覚的な理解もすすみ、より知識として定着していくことができます。
イラストにできたら、次は気管支の構造(例:図右上)、次は肺胞…などより細分化して書き足していくとどんどん理解を深めていくことができます。
一度頭にいれたことはどんどん絵にして可視化し、頭の整理をしていきましょう。
即実践!勉強効率を高める方法
解剖生理学は勉強範囲が膨大なため、高い集中力を維持する方法や記憶の定着を促す方法を活用しないと、どんどん周りと差が開いていきます。
時間は限られていて、他のテスト勉強もしなければならないのに、何回も同じ分野ばかり取り組んでいられませんよね。
そこで勉強効率をあげるための方法をご紹介します。
30分勉強して5分休憩
膨大な範囲の解剖生理学を攻略するには、勉強体力が不可欠です。
人が高い集中力を維持できる時間は、どれくらいかご存じですか?
人が最も集中力を発揮できるのは「30~40分」、訓練しても「長くて90分」だといわれています。
東京大学薬学部の池谷裕二教授の実験によると、1時間をまるまる勉強する「60分学習」グループと、休憩を挟んで45分を3回に分けて勉強をする「15分×3(計45分)学習」の勉強グループを比較したところ、「15分×3(計45分)学習」の方が高かったという結果も出ています。
出典:PR TIMES
高い集中力を維持し勉強体力をきらさないようにするためにも、30分に1度は5分程度の休憩をはさむのがオススメです。
勉強効率をあげるために、時間管理を意識しましょう。
睡眠時間は絶対に確保
記憶の定着を妨げる要因のひとつに睡眠不足が挙げられることは、多くの研究で明らかになっています。
睡眠時間が足りないと海馬という場所にゴミがたまってしまい、記憶力に影響するためとされています。
テスト前はどうしても時間に追われますが、覚えたことをテストの際に思い出せないと意味がありません。
睡眠も勉強のうち。
焦る気持ちはあってもしっかり布団で横になり、良質な睡眠を6時間は確保していきましょう!
人に説明する
誰かに口頭で教えるという「説明」のプロセスを経ることで、自然と知識が頭の中で整理されていきます。
わかったつもりになっていても、いざ人にきかれたら答えられなかったことはありませんか?
頭の中でなんとなく理解したことと、人に説明できるまで理解したことでは、精度が異なりますよね。
また人に説明するということは「声に出す」ことにもつながります。
静かに読んで覚えた単語よりも、声に出して覚えた単語の方がよりよく記憶に残るという研究結果もあるため、
どんどん人に説明して知識を整理しつつ記憶の定着を図っていきましょう。
まとめ
最初の段階では今後の活かし方があまりイメージしにくい解剖生理学ですが、勉強法さえ抑えれば解剖生理学が攻略できるだけでなく、病態・治療・看護の理解も進んでいきます。
無理だと諦める前に、動画や参考書など頭に入りやすいところからとりかかり、ゴロで暗記して吸収力をあげていきましょう。
その後ストーリーを理解して関連性をイラスト化し、より深い知識として落とし込むことで、解剖生理をモノにし看護の勉強がおもしろいと感じる看護人生を過ごしていってください。
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