ただでさえ国家試験の範囲も膨大で、それだけで精一杯なのに栄養学に時間を割いてられない!
そんな看護学生さんも多いことでしょう。
しかし栄養学の分野は幅広いので、何らかの形で国家試験に出題されているのが現実です。
ひねった問題は比較的少なく、覚えてしまえば答えられる場合も多い印象です。
いやだいやだと後回しにしている間に、覚える機会を逃して「私だけ必修科目で1点足りなかった…」なんて未来は絶対避けたいですよね?
そこで、忙しい看護学生さんにむけて、栄養学があっという間に覚えられる勉強法を紹介していきます。
ここで紹介する内容は栄養学はもちろん、他の出題分野でも応用できる方法ですので、ぜひ確認して実践してみてください。
目次
看護学生必見!栄養学が簡単に覚えられる勉強法3選
教科書だけみてると栄養学ってよくわからない…。
得体のしれないものとして放置しておくと、どんどん手をつけづらくなりますよね。
しかし、工夫次第で頭にスッと入りやすくなる方法っていろいろあるんです。
オススメの勉強法と特徴をご紹介するので、国試までの残り時間やご自身との相性もふまえて、取り組みやすいものから始めてみてください。
覚えやすいゴロに出会えるInstagram
Instagramでは先輩たちが覚えてきたゴロが紹介されていて、レパートリーも多いので暗記のとっかかりとして活用できます。
どうしても覚えにくい言葉や理解しづらい所は、正攻法で戦うよりもゴロで一回頭に入れてしまう方がハードルはかなり下がりますよね。
私も「脂溶性ビタミンはこれだけ(DAKE)」とゴロで暗記したものです。
限られた時間の中で、適材適所で勉強法を変更することも重要な判断といえます。
そこでInstagramを上手に活用すると、手軽にいろいろなゴロに出会えるので、自分が覚えやすいゴロと出会える可能性も高くなります。
またInstagramは、通学などのスキマ時間を活かして手軽にチェックできる利点があります。
動画とは違い、自分のペースでページをスクロールして確認できるので、場所を選ばず、ペースを乱さず勉強することができます。
■オススメのInstagramはこちら
*国試ゴロ*看護師国家試験絶対合格するぞ!
こちらではハイライトに分野毎にゴロがまとめられています。
消化吸収・分解酵素について覚えたい時は「消化器」
食べ物と薬の相互作用を覚えたい時は「基礎看護」
ビタミンB12と葉酸の欠乏で起こる巨赤芽球貧血を覚えたい時は「血液」
といったように、こちらから分野を指定できるのは苦手克服時に便利ですね。
また裏技ではありますが、ハッシュタグからゴロを探す方法もあります。
Instagramで「#かんごろ」と検索してみてください!
これは『かんごろ』という参考書(頻出項目にマッチした263個のゴロを掲載)を活用した勉強法を、先輩たちが投稿で紹介しているもので、ハッシュタグで検索することができます。
ビタミンや必要水分量などのゴロに出会えます。
ただあくまで個人で発信されているものになります。
改訂内容が反映されていない場合もないとはいいきれません。
内容が正しいものかどうかは教科書に立ち返って確認するようにしてください!
イメージしにくい内容はYouTube
文字やイラストだけではイメージがつきにくい時は、動画で理解を深めるYouTubeがオススメです。
試験という緊張感の中で、ゴロ自体が思い出せない時の絶望感はたまりませんよね。
そうならないために、ゴロで暗記の補助を行う+YouTubeでイメージをつかんで理解すると、言葉の暗記だったものが知識に進化することが期待できます。
栄養学ではエネルギー代謝や栄養素別の摂取量の算出など、ゴロで覚えるには限界があって理解が困難なものも多く存在します。
そこで動画から学ぶことでイメージがしやすくなり、効率的に理解するきっかけになるでしょう。
YouTubeでは「看護学生にむけた国家試験対策」というテーマの中でも、単元ごとにまとめられており、栄養学の中でもこちらが知りたい分野を選んで視聴することができるため、上手に活用していきましょう。
下記にオススメだと感じたYouTubeを分野毎にまとめました。
知りたい分野 | 小分類 | URL |
5大栄養素関連 | 糖質の本質 | |
脂質の消化と吸収 | ||
脂質の本質 | ||
タンパク質の本質 | ||
ビタミン欠乏 | ||
栄養に関連した計算系 | 食事摂取基準 | |
栄養アセスメント | ||
栄養代謝系 | エネルギー代謝 | |
代謝異常 | ||
酸塩基平衡 | ||
その他 | 経腸栄養法 | |
中心静脈栄養法 |
■参考にしたアカウントはこちらです。
・たばえもんナース塾 〜看護学生の勉強を応援するチャンネル〜
最終的にはやっぱり過去問
結局のところ最後に行きつくのは過去問です。
あまり出題されない範囲を一生懸命にゴロで覚えていても非効率ですし、一番悲しい「覚えたつもり・理解したつもりになっている」事態を回避するには、問題をといて確認するほかありません。
その点過去問では、過去の出題回数に応じて印がされていたりと頻出問題の把握もしやすいですし、覚えた知識をアウトプットする機会にもなります。
また国家試験の勉強が遅れていて、SNSを経由している余裕がない方も0ではないと思います。
そんな方はどんどん過去問をといて何度も問題にふれ、実践形式で覚えていく方法がベターといえるでしょう。
・問題をとくことで自分の理解度を確認でき、その後しっかりと解説を読む。
・理解しづらい点は参考書等で紐解きつつ自分の中に落とし込む。
過去問でこれらの行程を重ねることで、インプットとアウトプットを繰り返すことができ、知識の定着につながります。
栄養学の理解速度が2倍になるマル秘テクニック
栄養学に限りませんが、勉強を遠回りせず効率的に行うにはテクニックも必要です。
教科書を全部読んで片っ端から勉強していくことも悪いわけではありません。
しかし、看護学生さんは実習もしながら国家試験対策をするのでとにかく時間がない!
極力遠回りせず、ポイントをしっかり押さえて効率良く勉強をする方法をお伝えするので確認してください。
関連性を理解する
言葉の暗記ではなく関連性を理解して知識として落とし込む方が、結果的に効率があがります。
ゴロで覚えるにしても、覚える量が膨大でなかなか覚悟がいりますよね。
そこをつながりで覚えていくと、知識が紐づいていくのでより理解しやすくなるんです。
模試がせまっていたため、とりあえずゴロで覚えた箇所があるとしましょう。
模試がおわり、少し心の余裕ができたため、youtubeで動画をみてイメージを捉えてから教科書に戻り、働きや特徴をきちんと理解できたとします。
そうすると単体の記憶で挑むより、つなげて理解している方が幅広い問題に答えられるようになるということです。
例えばビタミンB1欠乏を「敏腕駆け出し、ウェ-イ」と覚えたとしましょう。
(敏腕(ビタミンB1)駆け(脚気)出し、ウェ(ウェルニッケ脳症)ーイ)
ビタミンB1は神経細胞の一部の成分になるため欠乏することで神経障害を引き起こし、
・末梢神経障害で脚気
・中枢神経障害でウェルニッケ脳症
につながります。
ここからエネルギー代謝も関連させて覚えましょう。
ビタミンB1は糖質からエネルギーを作る機能も持っています。
(正式には糖代謝の「ピルビン酸をアセチルCoAに変換する補酵素」として働きます。)
私たちが生きる上でかかせないエネルギーは、ATPを消費することで発生します。
このATPをつくるにはビタミンB1が欠かせません。
ビタミンB1が欠乏するとピルビン酸が乳酸に変換され、乳酸の蓄積で代謝性アシドーシスにつながります。
このようにしてビタミンB1欠乏に関連して、エネルギー代謝の知識も増やすことができましたね。
単体でみると難しいですが、どんどんつなげて関連性で知識を結び付けていきましょう。
また、ここまで覚えたらノートでもレビューブックでもいいので、下記のようにまとめてみましょう。
まとめておくと、見返した際に勉強した範囲の復習にもなるので勉強効率もあがっていきます!
イメージを絵にする
ゴロや文章だけではなかなか理解しづらい範囲は、走り書きでも結構なので全体的なイメージを絵にするとよいでしょう。
つながりが目視的になり、アウトプットもできるのでより理解を深めてくれます。
例えば以下のようなものです。
■苦手な方が多いビタミンB1とエネルギー代謝の関係は、文章だけだとこうなります。
・身体が食べ物から作るエネルギーの元を「ATP」 ・ATPが多く作られる回路は細胞の中にあり、これを「TCA回路」という ・ご飯を食べてその糖分がTCA回路に入るためには、アセチルCoAに変わる必要がある (糖(グルコース)→ピルビン酸→アセチルCoAと変化) ・ピルビン酸からアセチルCoAに変わるときの補酵素がビタミンB1 ・ビタミンB1不足だとピルビン酸は乳酸に回るものが多くなり疲れやすくなる(乳酸の蓄積)。 結果代謝性アシドーシスにもつながる。 |
エネルギー代謝や酸塩基平衡がよくわからない方は1‐2章「イメージしにくい内容はYouTube」に戻って、動画を参考にしてください。
これを簡単でいいので、イメージを絵にしてみてください。
栄養学は難しい分野も多いですが、イメージを絵にするだけでかなり頭が整理され、関連性がわかりやすくなります。
時間が許すならばどんどん可視化して、理解速度を早めていきましょう。
過去問を解いたら〇×(正誤)だけでなく△も使う
過去問を解いていく際、回答の正誤だけでなく「正解したけど自信がない、選択肢がなぜ間違っているのかわからない」という問題が区別できるようにしましょう。
もちろん過去問の周回では、すべての問題に目を通すことが理想かもしれません。
しかし実際は実習と並行しての勉強となることが多いので、時間的な余裕はない方がほとんどです。
そのため2周目3周目はわかっている問題よりも理解を深める必要がある「正解したけど自信がなかった問題」や「間違えた問題」に注力する必要があります。
過去問1周目でこのひと手間をかけておくことで、正解したけど理解が浅かった問題のとりこぼしを防ぐことができるため、過去問2周目の質を高めてくれるようになります。
だからこそ1周目の時点で自分の理解度を分類し、必ず目印を残すようにしましょう。
効率をあげたいなら必須!記憶を定着させる3つの方法
栄養学を覚えるにしても膨大な量であり、記憶の定着を促す方法を知っているのと知らないのでは大きな差が開いていきます。
本当に限られた時間しかないのに、何回も同じ分野ばかり取り組んでいられませんよね。
せっかく理解速度を早めるために関連性や可視化に取り組んでも、記憶に定着させなければ本番にいかせません。
そこで、記憶を定着させるための効果的な勉強法をご紹介します。
睡眠は最低6時間とる
多くの研究で睡眠不足は記憶の定着の妨げになることがわかっています。
睡眠時間が足りないと海馬という場所にゴミがたまってしまい、記憶力に影響するためとされています。
大事な国家試験であることには違いないですが、1秒1分がおしいからと睡眠を削るのはナンセンス。
せっかくゴロや関連性で覚えたのに、ここで睡眠時間を削っては記憶の定着を妨げていることになります。
焦る気持ちはあっても、6時間は睡眠時間を確保した上で、ドライヤーやトイレの時間を暗記の時間にあてるなど、他で効率化をはかるようにしましょう。
30分勉強して5分休憩する
記憶の定着以前の問題として、だらだらと取り組んで勉強してるつもりになって、頭に入っていない状態はもったいないですよね。
人が最も集中力を発揮できるのは「30~40分」、訓練しても「長くて90分」だといわれています。
東京大学薬学部の池谷裕二教授の実験によると、1時間をまるまる勉強する「60分学習」グループと、休憩を挟んで45分を3回に分けて勉強をする「15分×3(計45分)学習」の勉強グループを比較したところ、「15分×3(計45分)学習」の方が高かったという結果も出ています。
出典:PR TIMES
集中力が落ちると勉強効率も下がるので、30分に1度は5分程度の休憩をはさむのがよいと考えます。
同時に、自分自身の集中力が続く時間を把握することも大切です。
そこもふまえて、小休憩までの勉強時間を調整してください。
時間管理には携帯のタイマーを使ってもいいですが、そのまま携帯をだらだらと触って時間を溶かしてしまうことがないように気を付けなければなりません。
そのため携帯以外のもので時間管理をすることをおすすめします。
・国家試験本番を意識して、アナログ腕時計で管理
・時間に気付けない場合は100均のタイマー
などご自身にあったものを選択してください。
記憶の定着を促すために、集中力が高い状態を維持しましょう。
声にだしてアウトプットする
ゴロを覚える時はどんどん声に出していきましょう。
ゴロを読み上げるだけでも、視覚と聴覚を同時に使うことができ、読みながらインプット+声にだすことでアウトプット+耳からもう一度インプットが実現できます。
また理解度を確認する時も、声に出すことは重要です。
いざ友達に説明しようとしたら、うまく説明できなかった経験ありませんか?
なんなく説明できるくらいまで知識として落とし込めていると問題ないですが、一番怖いのはわかったつもりや理解したつもりで国家試験を迎えることです。
それを防ぐために、友達同士や食事中家族に説明しながらご飯を食べるなど、時間をみつけては周りに声にだして説明してみましょう。
説明する相手がつかまらない場合、ひとりで声にだして説明してみる、でもかまいません。
どんどん声にだして、栄養学をマスターしましょう。
まとめ
なかなか理解しづらい栄養学の分野も、まずは覚えやすいゴロでとっかかりをつくりましょう。
ゴロで単語を覚えることができたらYoutubeなどを用いてイメージをつかみ、働きや特徴・関連性を理解します。
声にだしたりイメージを絵にして知識を落とし込みつつ、過去問をどんどん解いて実践で使える知識になっているかの確認を繰り返し、国家試験合格をつかみとりましょう。
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