野菜で腸内環境が悪化する可能性も!?栄養のプロが正しい摂り方を解説

一般社団法人臨床栄養医学協会

執筆者一般社団法人臨床栄養医学協会
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当臨床栄養医学協会では、生化学及び生理学に基づく栄養学に関する正しい知識の普及と、ビジネス化推進を行います。
「知識を得る」「資格取得」だけではなく、必要な経験・実績を積むことでビジネス化をサポート致します。

腸内環境を整えるためには食物繊維を摂ればいい。

そんな話をよく耳にすると思います。

たしかに食物繊維は腸の状態を良くするために必要ですが、やみくもに摂ってしまうと腸内細菌のバランスを崩して腸内環境を悪くしてしまう危険性があります

野菜をやみくもに摂ると腸内環境が悪くなってしまい腹痛を始め、腹部膨満感・下痢・消化不良・ニキビ・発疹・湿疹・疲労感・栄養失調など様々な症状を引き起こす可能性もあります。

 

だから腸内環境を整えるために野菜の摂り方がすごく重要になってきます。

 

この記事では、まず本当に腸内環境を整えるために野菜が必要なのかを説明しています。

その上で、なぜ間違った摂り方をすると腸内環境が悪くなるかを解説しています。

 

最後まで読むと腸内環境を整えるために必要な野菜の摂り方が分かるようになるため、参考にしてください。

 

腸内環境と野菜の関係性について

皆さんが知っている通り腸内環境を良くするためには野菜が必要不可欠です。

腸の中には多様の細菌がいて、それぞれがバランスよく存在していることで腸内環境が整えられます。

 

そういった腸内細菌を整えるために食物繊維が細菌のエサとして必要になるため、食物繊維を多く含む野菜の摂取が必要と言われています。

 

食物繊維と細菌がそろうことで短鎖脂肪酸という物質をつくることができ、その短鎖脂肪酸が腸の運動(腸の内容物を先へ運ぶ運動)のエネルギーをつくることができます。

 

そんな腸内環境を整えるために必要な食物繊維ですが、1日に25〜29g必要です。

これは厚生労働省の食事摂取基準に記載されていますが、表のほとんどの人がその摂取基準に届いていないため野菜を摂ることが勧められています。

出典:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書

 

野菜の摂取で腸内環境が悪化してしまう可能性もある

今まで腸内環境が悪かった人が野菜を摂りすぎると、さらに腸内環境を悪化させてしまう危険性があります。

たしかに野菜を摂ることで善玉菌が増えるとかよく言われていますが、大事なのは腸内細菌のバランスです。

 

腸内細菌バランスが悪い人が食物繊維をなにも考えずに摂ってしまうと、細菌のエサを増やしてしまうため、必要以上に細菌が増えることで逆にバランスが悪くなってしまうことがあります。

 

細菌が必要以上に増えてしまうと、

  • 腸内でガスが過剰に発生する
  • 脂質が上手く分解・吸収できなくなる(ビタミンが吸収できなくなる)
  • 代謝が落ちる

などの体調不良がでてきます。

 

腸内環境が悪い人の原因として、加齢・高脂質食・アルコール多飲・喫煙・運動不足・ストレス・睡眠不足などがあることから現代人のほとんどが注意しないといかません。

 

腸内環境の改善におすすめな野菜

腸内環境を改善するためは野菜などに含まれる食物繊維がカギになります。

食物繊維には、大きく分けると水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類です。

 

腸の細菌のエサになるのは水溶性食物繊維で、大根やごぼう、にんじんなどの根菜に多く含まれています。

実際どれくらいの食物繊維が摂れるかはカロリーSlismというサイトで簡単に計算することができるので、気になる人は参考にしてみてください。

 

根菜以外にも果物や海藻類、大麦などが水溶性食物繊維を多く含むため、合わせて摂るようにすると効率的に摂れます。

 

【大根】

 

【ゴボウ】

 

【人参】

 

参考:カロリーSlism

参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年:文部科学省

 

腸内環境を整えるための正しい野菜の食べ方

野菜の摂取量や体にとって悪影響がでやすい食べ物を特定することで腸内環境を整えることができます。

1日の摂取量を守って相性の良いものを食べることが重要です。

 

ネット上では根拠のない情報が多くでているため、独学で正しい方法を見つけるのは難しいです。

腸内環境を整えるために必要なことをこの章では詳しくまとめたので参考にしてみてください。

 

適正な食物繊維量を摂取する

腸内環境を整える上で、1日に必要な食物繊維を摂取することが大切です。

 

厚生労働省の日本人の食事摂取基準では、1章「腸内環境と野菜の関係性について」でお伝えしたように食物繊維の1日の摂取量は25gです。

25gといっても想像しずらいと思いますが、これは野菜に換算すると560g食べないといけない量になります。

 

野菜だけで取ることは現実ではないので、

  • ご飯を玄米にする
  • イモ類を多くとる
  • 果物を食べる
  • 野菜や海藻を茹でてスープにする

など効率よく摂取していく必要があります。

 

今まで食物繊維が摂れていない人がいきなり25g摂ると体調を崩してしまってしまうため、調子をみながら少しずつ増やしていきましょう。

 

出典:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書

 

症状が出やすい野菜を特定する

食物繊維を増やす時に注意しないといけないことは、どの野菜を食べると体調を崩すのか特定することです。

 

2章「腸内環境の改善におすすめな野菜」でも伝えたように、食物繊維は腸内の細菌のエサになります。

そのため、野菜を過剰に食べすぎてしまったり、もともと腸内環境が悪い人が食べると体調不良など様々な症状がでてくることがあります。

 

例えば、ゴボウなどを食べたときに体調不良がでてしまう人は腸内環境が良くなるまで食べるのを控えた方がいいです。

症状が出る野菜の種類は人によるため、食べてみないと分かりません。

食事をして体調が悪いなと思った際は食品を確認してみましょう。

 

腸内環境に変化があるか確認をする

食物繊維をしっかり摂り、食材に注意しながら生活していくと徐々に体調が変わってきます。

症状は人によって違うため、日々の変化をしっかりと記録していくことが大切です。

 

具体的には、

  • 腹痛
  • 腹部膨満感
  • 下痢
  • おなら
  • 消化不良
  • 関節痛
  • ニキビ
  • 湿疹・発疹
  • 疲労感
  • 栄養失調
  • 体重減少など

 

このような症状の変化や改善に意識をしていくことが腸内環境の変化に気づくきっかけになります。

 

消化吸収能力が高くなり代謝も改善しやすいので、体温や睡眠の質も変わってくるのでそちらも合わせて確認しましょう。

具体的な食事レシピなどを別の記事で書いているのでそちらも参考にしてみてください。

腸内環境の改善に必要な食事!3つのポイントとおすすめレシピを紹介

 

野菜だけでは腸内環境の改善は認めにくい

ここまで腸内環境と野菜について話してきましたが、実を言うと野菜だけで腸内環境を改善するのは難しいです。

 

なぜなら

  • 加齢
  • 高脂質食
  • アルコール多飲
  • 喫煙
  • 薬の副作用
  • 運動不足
  • ストレス
  • 睡眠不足

などが腸内環境を悪化させる要因でもあるからです。

 

例えば、喫煙や薬の副作用で腸内環境が悪化しているのに野菜で腸内環境が整うとお思いますか?

睡眠不足で眠い人が食事を摂ったからといって、睡眠不足が解消することはありません。

腸内環境を悪化させる要因はたくさんあるため、それに合わせたアプローチをしていかないと改善は難しいです。

だから問題に合わせて食事やアプローチの方法を変えていかないと腸内環境の改善には繋がりません。

 

症状の根本解決を目指すなら資格取得がおすすめ

腸内環境の悪化は腹痛を始め、腹部膨満感・下痢・消化不良・ニキビ・発疹・湿疹・疲労感・栄養失調など様々な症状を引き起こす可能性があります。

それらの根本的な原因は、5章「野菜だけでは腸内環境の改善は認めにくい」でもお伝えした通りたくさんあります。

 

それらの原因の中から根本的な問題を見つけるのは困難だと思いませんか?

 

どんなに食物繊維だけを変えても、睡眠不足などの体調不良やビタミン不足からくる代謝の低下など他の原因まで把握して、総合的に判断ができないと体調の根本的な解決には繋がっていきません。

 

このブログを書いている臨床栄養医学協会では、そういった根本的な解決に必要な知識を学んでいきますので興味があるかたは確認してみてください!

 

リンク:臨床栄養医学協会

 

まとめ

まとめ

腸内環境を改善する上で野菜の摂取が必要です。

野菜に含まれる食物繊維が腸内の細菌のエサになることで腸のバランスが良くなるからです。

特に水溶性食物繊維が多く含まれる根菜や果物、海藻類、大麦などが細菌のエサになるります。

 

しかし、体調が悪い状態で食物繊維を増やしてしまうと、逆に体調を悪化させてしまうことがあります。

適切な食物繊維摂取量を守り、反応のでやすい食材を見つけることで無理なく腸内環境を変えていきましょう。

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