
「子どもが健やかに育つように栄養のことをちゃんと学びたい」
「家族のために栄養について勉強しているが、それを活かして将来は栄養の仕事に関われたらいいな」
そんな思いで栄養の勉強をしたり、資格を取得する人が増えています。
栄養の勉強は様々な講座がありますので、自分に合ったスタイルで学べるものを選べると良いです。
しかし、勉強の先に資格取得を掲げ、仕事として活かしていく場合、どのような仕事を希望するのかをあらかじめ決めておく必要があります。
ここを明確にしておかないと、せっかく貴重な自分の時間や労力を費やしたにもかかわらず、後悔しか残らないこととなります。
この記事では、栄養の資格の種類と、資格を活かした働き方を分かりやすく解説していきます。
資格の種類だけ知っていても将来のイメージはなかなか湧きませんので、その点を結び付けて分かりやすくまとめています。
妊娠・出産を経て、今は子育てに専念しているけれど、将来は仕事も再開したい。
そんなあなたの一歩目を後押しする内容となっていますので、最後まで目を通してみてください。
目次
国家資格の栄養の資格で仕事に活かせるもの
栄養の資格の種類は、大きく分けると国家資格と民間資格の2種類があります。
ここでは社会的な信頼が高く、就職や転職にも強い国家資格である栄養の資格3種について詳しく解説していきます。
管理栄養士
管理栄養士は、国家資格の中でも名実ともにトップレベルの資格です。
管理栄養士の資格を取得する方法は何種類かありますが、いずれも管理栄養士養成施設を卒業する必要があります。
そして、その養成施設が何年制かによって、実務経験を積む必要があるという場合もあります。
これらの条件を満たし、管理栄養士国家試験に合格した末に、管理栄養士の資格を取得することができます。
晴れて管理栄養士の資格を取得した後は、様々な場で活躍ができます。
- 医療機関や社会福祉施設
- 保育園や学校などの教育機関
- 自治体や一般企業など
- 食品メーカー
と、多岐にわたります。
その業務としては、
- 医療機関や施設などでの栄養管理
- 保育園や学校など教育機関での献立作成
- 自治体や企業における特定保健指導
- 食品メーカーなどでの商品開発
- アスリートやスポーツチームの栄養サポート
など、健康や栄養管理に関わる様々な内容を担当しています。
管理栄養士の資格取得には、定められた養成施設でほぼ1日、数年間継続して学ぶ必要があるため、時間や費用をかなり要する資格です。
ですが、じっくり専門的に勉強したい人や、将来的に安定的な就職をしたい、確実に就職や転職したい人には絶対的におすすめの資格です。
管理栄養士に関してさらに詳しい内容を、当協会のブログの記事にてご紹介しています。
興味のある方はこちらを参考にしてみてください。
栄養士
栄養士の資格を取得するには、文部科学省が指定する栄養士養成施設を卒業する必要があります。
この養成施設を卒業し、都道府県知事に申請することで、栄養士という国家資格を自動的に取得することができます。
国家資格に合格することなく取得できる、という点では管理栄養士よりも取得しやすい国家資格といえます。
栄養士が活躍する場としては、
- 保育園や学校の給食センター
- 医療機関や社会福祉施設
- 自治体や一般企業
- 食品メーカー
- スーパー
- 飲食店
など多くの場があります。
その業務としては、
- 給食の献立作成
- 健康管理
- 食品やメニュー開発
などがあります。
一見すると管理栄養士とあまり変わりないように思えますが、管理栄養士と栄養士では、できる業務に大きな差があります。
管理栄養士が、健康な人はもちろん傷病者や疾患のある人など、特別な配慮が必要な人を対象に出来るのに対し、栄養士は、主に健康な人のみを対象として業務を行うことができます。
また、管理栄養士と栄養士ではその業務が大きく違うことに関連し、収入の面でもかなり差があるのが現状です。
とはいえ、栄養士も国家資格であり、多くの人の健康を支えるというやりがいの大きな職業です。
多くの人の健康管理に携わり、尚且つ国家資格という安定感を求める人にはおすすめの資格です。
栄養士に関しても、当協会のブログにて詳しく紹介している記事があります。
興味のある方は、こちらを参考にしてみてください。
調理師
調理師は、調理に関しての国家資格です。
調理師養成施設を卒業することで、資格を取得することができます。
もしくは、養成施設を卒業していない場合でも、
- 中学校卒業以上の者
- 定められた施設において、調理業務に2年以上従事した者
という2つの条件を満たすことで調理師試験を受験でき、さらに合格することで調理師の資格を取得できます。
調理師の業務内容は、献立作成というよりは調理作業や調理技術を活かした作業がメインとなります。
もちろん調理師の免許を取得していなくとも、調理作業に就くことはできます。
ですが、学校や医療福祉施設の給食を調理する場合は、調理師免許を求められることが多いです。
また、食事管理や給食現場においては、献立作成と調理業務はセットのように考えられることもあります。
そういった点から、調理師の資格に加えて栄養士資格も合わせて取得していると、現場で重宝されます。
調理師に関しても、当協会のブログにて詳しく紹介している記事があります。
興味のある方は、こちらを参考にしてみてください。
民間資格の栄養の資格で仕事に活かせるもの
ここまでは栄養に関して国家資格である3種の資格について解説してきました。
国家資格を取得するためには、どの資格であっても時間や労力、経済的負担がかかります。
それに比べ、民間資格はどちらかというと取得しやすいとされています。
ここからは、その民間の資格の中から4種の資格について解説していきます。
食生活アドバイザー
食生活アドバイザーとは、一般社団法人FLAネットワーク協会が主催している資格であり、2級と3級の2種類あります。
その特徴は、食生活全般を理解し、健康な生活を送るための提案ができるスペシャリスト育成のために作られた資格という点と言えます。
栄養素の働きや食品の分類法、正しい衛生管理など、食生活全般の知識を学ぶことができますので、食品メーカーや飲食店で活躍したい人、飲食店での運営・管理に貢献したい人、関連企業での昇給を目指したい人などは資格を取得して活かしていくことができます。
食生活アドバイザーの資格自体、受験要件は特に設けられていないため、独学で勉強して受験して取得することが可能です。
一方で、協会が委託している通信講座も数社あります。
また、協会自体が試験対策として合格講座を設けています。
独学の場合は除き、いずれも受講費用が掛かります。
通信講座や合格講座を受講した場合にかかる費用は、19,800円~52,500円ほどとなります。
食生活アドバイザーについてさらに深い内容や資格取得方法などに興味のある方も多いかと思います。
当協会のブログではさらに詳しい記事がありますので、そちらをご参考ください。
【出典:一般社団法人 FLAネットワーク®協会 食生活アドバイザー®】
スポーツフードアドバイザー
スポーツフードアドバイザーは、一般財団法人 日本能力開発推進協会(JADP)が主催するもので、アスリートの栄養管理に必要な専門知識を持つアドバイザーであることを証明する信頼性のある資格です。
アスリートの栄養管理に必要な基礎知識はもちろん、
- 栄養素とエネルギー・運動の関係
- ライフステージ別の栄養と食事
- 目的別の食事指導
- 試合のための食事とレシピ
- 種目別の食事レシピ
など、専門家として必要な能力を学びながら身につけることができます。
一流のスポーツ選手やスポーツチームはもちろん、成長期の子供や幅広い年代のアスリートに対して食事面から提案やサポートを行えるスペシャリストとなることができます。
資格取得後は、スポーツチームのコーチやスポーツジムのインストラクター、学校のクラブ活動における指導者や料理教室の講師などでの活躍も可能となります。
資格取得のための認定試験を受験するためには、協会の認定教育機関等(キャリカレ)が行う講座を受講し、全カリキュラムを終了する必要があります。
この通信講座は学習サポート期間が3種類あり、それぞれ受講費用が異なりますが、24,800円~78,800円で設定されています。
スポーツフードアドバイザーについての資格取得方法や活躍の場などに興味のある方は、当協会のブログでさらに詳しい記事がありますので、そちらをご参考ください。
【参考】
公認インナービューティートレーナー
公認インナービューティートレーナは、「一般財団法人 内面美容医学財団(IBMF)」が主催するもので、インナービューティー(内面美容)全般における総合的な理論習得を目的としています。
食育の基礎知識から、最新の水素・酵素栄養学やミトコンドリアダイエットまで、幅広いテーマを学べる点が特徴という資格です。
より広範囲に内面美容の知識を学びたい人や、ファスティングメソッドに沿った食生活アドバイスを実践したい人、新メニューの開発によって他店との差別化を図りたい調理師・栄養管理士・シェフの人などはこの資格を取得して活かしていくことに向いています。
資格の取得には条件があり、財団の主催する所定の講座受講と、Web上での検定テストに合格することが定められています。
受講料は110,000円で、別途年会費なども必要とされています。
公認インナービューティートレーナについての資格取得方法や活躍の場などに興味のある方は、当協会のブログでさらに詳しい記事がありますので、そちらをご参考ください。
ダイエットインストラクター
ダイエットインストラクターは、一般財団法人 日本能力開発推進協会(JADP)が実施している講座で取得できる資格です。
その内容は、健康的で理想的なダイエットを目指す人に対して、適切なアドバイスを行うスペシャリストを目指したものとなっています。
正確なダイエットの知識を、食・心理・運動の3つの側面から学ぶことで、単に「痩せる」というだけでなく健康的かつ論理的なダイエット方法を習得できます。
そのため、ダイエットを試みる自己の食事管理やダイエット指導者のほかにも、医療や福祉関係の仕事の方、美容・健康セミナー講師を目指す方にもおすすめの内容です。
資格取得のための認定試験を受験するためには、協会の認定教育機関等(キャリカレ)が行う講座を受講し、全カリキュラムを終了する必要があります。
この通信講座は学習サポート期間が3種類あり、それぞれ受講費用が異なりますが、29,800円~78,800円で設定されています。
ダイエットインストラクターについての資格取得方法や活躍の場などに興味のある方は、当協会のブログにさらに詳しい記事がありますので、そちらをご参考ください。
【出典:一般財団法人 日本能力開発推進協会 ダイエットインストラクター®】
栄養の資格を取得して働く方法は2つある!
栄養の資格を取得して仕事として活用したい、と思われている方も多いでしょう。
「栄養」という分野での資格を活かして働くには、就職する方法と自分で事業を開始する方法の2つの方法が主流です。
ここでは、それぞれどのようにして働いていくのか、という実際の内容について見ていきます。
就職する
栄養の資格を取得して働く場合に多くの方が想定されているのが、この「就職」ではないでしょうか?
資格を取得することで、それを活かして誰かの下で働く、という選択ですが、新たに資格を取得して働こうと思う場合には、このパターンが一番多いでしょう。
資格取得後に就職する場合、必ずしもその資格を保持していることで採用される、とは限りません。
ですが、「資格保持」という点ではなく、取得のために学んだ知識やスキルを活かして採用される可能性があります。
また、自分の想定している仕事に就くために資格を取得したとしても、国家資格に比べると、民間資格の場合は想定とは異なる仕事内容の場合も少なくありません。
ですが、「自分の思っていた道とは違う・・・」と諦めず、目の前の仕事をこなしながらも、自分の望む仕事に向けて進んでいき、理想の業務につけるチャンスは意外と少なくありません。
栄養の資格を取得して働く場合、想定されるのが
- 保育園や幼稚園、学校などの教育施設
- 病院や介護などの医療・福祉施設
- 地方自治体
- 一般企業
- スーパーマーケット
- 食品産業
- 飲食店
- 美容業界
- ダイエット業界
などです。
栄養の資格を保有していると、その活躍できるフィールドはとても広く、内容もそれぞれ多種多様です。
第1章 国家資格の栄養の資格で仕事に活かせるものでご紹介した仕事内容を含め、民間資格で期待される仕事内容もその資格により様々です。
栄養の資格と言えども必ずしも食べることに直結するとも限りません。
食事をするための空間に関連して、空間デザイナーやフードコーディネーターとして活躍している人もいます。
特に民間資格の場合、広く食について学べる内容のものもあれば、一つの分野に特化して学ぶ内容のものもありますし、かなり特異性に富んだ内容のものもあります。
いずれにせよ、取得した資格によって、就職できる可能性はかなり広いと言えます。
フリーランスとして開業する
栄養の資格を取得して働く場合に、自分で起業する、という選択肢もあります。
これまで栄養に関連する仕事をする中で「もっと学びや専門性を高めたい」という思いから講座で学び、資格取得後に独立する、という場合に多いです。
また、妊娠・出産を経て「子育ての段階で子供や家族のために栄養について深く学びたい」という動機で講座を受講し、その後子育てがひと段落してから、培った知識や実績を企業という形で仕事に変えていく、という人も最近では少なくありません。
特に在宅ワークという形態が当たり前になってきた現在では、特にフリーランスという選択をする人が増えてきています。
- オンラインやSNSでの栄養指導
- SNSを活用した栄養や食事のコンサルタント
- オンラインでの企業との栄養に関する業務のやり取り
など、多岐にわたった活動が可能です。
フリーランスの一番の魅力は、やはり「自由」であることでしょう。
働く時間帯も自分で決定できますし、事業の内容も、その方向転換も自由です。
子育てしながら在宅で仕事をしたい場合や、いろんな形態で仕事を展開していきたい人にはフリーランスという働き方はストレスフリーで良いです。
ですが、自由な一方で必ず責任がついて回ります。
事業内容はもちろん、経営面においての責任も自分次第、というところになりますので、仕事のみでなく、その管理能力も問われます。
また、フリーランスという形態とは異なりますが、副業で活躍していくというパターンをとる人も増えてきています。
栄養の大切さが浸透してきている中、主とする仕事をしながら栄養普及の活動をすることで、将来的に独立できるという可能性もあります。
ですが、なかなか栄養関連の仕事一本で生計を立てていくのはまだまだ難しいのが現状です。
特に民間資格取得のみ、という場合は難しいです。
将来を見据えて独立したいという場合、小さなところから活動を開始していくことは大切ですので、その場合は副業という形態もおすすめです。
ビジネス分野も同時に学び即仕事につなげたい人におすすめの栄養の資格
栄養の資格を取得して仕事とする方法について詳しく見てきました。
せっかく学んで知識や経験を少しずつ積んできた人にとって、それを仕事として成功させていきたい気持ちはとても大きいと思います。
ですが、その知識が深く、想いがいくら強いからと言って、誰もが成功できるとは限りません。
栄養に関して正しい知識があるからこそ、健康へと導いていけるのと同じように、ビジネスに関する知識があるからこそ、仕事として成り立たせていくことが可能となります。
つまり、ビジネスについても基本的な知識や発展させていくための知識やツールの使い方などを学ぶ、ということは非常に大切になってきます。
では、栄養について学んだ後に、今度はビジネスについても講座を受講していく必要性があるとすると、どうでしょうか?
もちろん費用がさらにかかりますし、時間と労力もさらに費やすので、想像しただけでもかなり大変です。
実は、栄養もビジネスも学びを深めたい、と思う方にピッタリの資格取得講座があります。
それが「一般社団法人 臨床栄養医学協会」の実施している栄養資格講座です。
- 臨床栄養医学指導士コース
- スポーツ栄養医学指導士コース
の2種類の資格取得講座がありますが、どちらも資格修了後に協会のサロンに無料で入会できます。
そこでさらに知識の研鑽をすると同時にビジネスについて深く学ぶことができます。
協会は、科学的根拠に基づく栄養学を広めることで、一人ひとりが正しい知識を持ち、健康的な生活を実現できる社会を目指しています。
そのために、ダイエット、美容、妊活、体調不良などの課題に対し、生化学・生理学に基づいた正しい栄養指導を提供提供できるよう講座が設けられており、受講することで質の高い栄養指導を普及することに貢献できるとしています。
根拠ある栄養の知識やスキルを身につけつつ、それを社会貢献として仕事に活かしていくためのビジネスの力も培うことができる、という点では唯一無二の講座と言えます。
臨床栄養医学協会についての詳細はこちらをご参考ください。
【参考:一般社団法人 臨床栄養医学協会】
まとめ
栄養の資格の種類と、資格を活かした働き方について詳しく解説してきました。
栄養に関する資格やそのための講座はたくさんあり、資格取得後の活躍の場も多種多様であることをお伝え出来たかと思います。
今現在学びたい内容、これから先就きたい職業、将来働きたいとイメージしている働き方、など資格を取得する際に考慮しておく内容は意外とあります。
これらを一直線にできることが、時間も労力も経済的負担も最小に抑えて夢をかなえることになります。
ただし、紆余曲折を経て最終的に夢をかなえていくというやり方も、いろんな経験を積んで仕事として活かしていくことに繋がりますので、必ずしも一直線にする必要はありません。
自分がどのような道を歩みたいのか、という点を軸に、この記事の内容も参考にしていただければ幸いです。
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